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【2巻 4/15 発売!】信長の嫁、はじめました ~ポンコツ魔女の戦国内政伝~【1,200万PV】【受賞&書籍化】  作者: 九條葉月
第12章 淀城の戦い

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歴史(ゴッドハンド)


 淀城と言っても豊臣の藤吉郎や松平さんが作ったものではない。京都方面から流れてくる淀川の分岐点、新淀川運河への流路変更地点を守るために城を作ろうというのだ。淀川の側にあるから淀城。何という分かり易くも素晴らしいネーミングなのでしょう!


『ネーミングセンスが絶無……』


 それ言っちゃうと日本の城の大部分がネーミングセンス無しになっちゃうわよ?


 いや、わざわざ城なんて作らなくても、本願寺の信者が川を掘ったりできないようにここら一帯を強化してしまえばいいだけなのだけど……それだと本願寺が諦めてしまうかもしれないからね。


 もしかしたら流路変更できるかも。

 あの城を落とせば流路変更できるかも。

 そんな希望を持たせれば、本願寺は幾度となく淀城へと攻め込んでくるでしょう。


 そしてこちらには鉄砲がある。


 鉄砲を買い占めているため、本願寺は鉄砲を準備することができない。いや国友とか九州とかから買えるかもしれないけれど、こちらが準備できる鉄砲の方が圧倒的に上だ。


 つまり、戦えば勝てる。

 つまり、戦力の誘因。


 圧倒的有利な防御拠点(要塞)に敵を引きつけ、敵の戦力を漸減してしまいましょう。淀城はオバケ屋敷じゃー誰も生きて帰れんぞー。


『それ、落城フラグでは?』


 解せぬ。


 ちなみに『漸減』とはだんだんと減らしていくこと。ほとんどの日本人には通じないだろうけど、水雷戦隊とか好きな軍オタは瞬時に理解できる特殊ワードである。


『はいはい』


 軍オタによる心優しい解説がたった四文字でぶった切られてしまった。解せぬ。


 まぁとにかく、そうと決まればさっそく縄張りよね。縄張りとはその字の如く、地面に縄を張って『ここに天守を建ててー、ここには堀を掘ってー』とかやるヤツである。つまりは戦国時代版シム〇ティ。


『だいぶ違うと思いますが』


 都市開発ゲームにも詳しいらしい。凄いなプリちゃん。


 ちなみにわざわざ縄張りなんてしなくても、攻撃魔法で堀を掘ったりゴーレムで石垣を積み上げればすぐに城を建てることはできる。


 しかし、それはなんか違うのだ。こう、せっかく城を作るのだから徹底的にこだわりたいのだ。なぜなら台地を見れば『ここに城を建てれば――』と考えてしまうのが城オタであり、山を見れば『あそこに城を建てれば――』と考えてしまうのが城オタなのだから。


『はいはい』


 城オタの浪漫をたった四文字で以下略。


 プリちゃんに理解はされなかったけど、やはり城を作るのならば杭を打って縄を張りたいのだ。乙女の浪漫なのだ。というわけで(ゴーレムを使って)堀予定地や石垣予定地を決めていく。


 おっと、その前に。


 まずはゴーレムを使い、テキトーな形で堀と土塁を作らせ、それをまた埋めさせる私であった。


『地面を掘って埋める……シジフォスの労働?』


 拷問扱いは止めなさい。


≪今度はゴーレムに本能寺を起こさせるのか?≫


 まるでもう本能寺を起こされたみたいな物言い、やめてもらえません?


 ふっ、どうやら二人には高尚な私の考えを理解できないらしい。


『高尚?』


≪どこが?≫


 素のトーンで首をかしげられてしまった。解せぬ。


 ちょっとめげそうだったけど説明継続。淀城は魔法で建てるのでまさしく『一夜城』となるのだけど、やはり石垣の城を一夜で作るというのはリアリティがない。


 そこで! 淀城の下に土の城っぽい遺構を残しておくことで、後世の研究者に『淀城の一夜城伝説は事実だった! 石垣の城の前には土の城があったのだ!』と誤解させるのだ!


『……うわぁ……』


≪数百年先の研究者を騙そうとしている……≫


『何の意味があるのか本気で理解できないのが特に酷い』


≪鬼畜ぅ≫


『鬼畜ぅ』


 解せぬぅ。



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