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【2巻 4/15 発売!】信長の嫁、はじめました ~ポンコツ魔女の戦国内政伝~【1,200万PV】【受賞&書籍化】  作者: 九條葉月
第12章 淀城の戦い

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ロングテール・シャドータイガー参上


 なんか仕事を押しつけすぎてマジで本能寺されかねなかったので、ゴーレムをいくつか置いていくことにした私であった。苗木城から稲葉山城に繋がる大通り製作を手伝うゴーレムを二体と~、苗木城の石垣を組むゴーレムも二体準備して~っと。ふっ、これだけ協力すれば好感度もウナギ登りすることでしょう。


『むしろ『なぜ普段から協力してくれないのか……』となるだけでは?』


 人の欲望に際限はないらしい。悲しいことである。


 さて。光秀さんと近衛師団を残して転移魔法で稲葉山城にまで戻ると、城下町は上手に焼けていた。


「おのれ、父様たちが心血を注いで築き上げた城下町に放火するとは……許さんぞ土岐頼芸!」


『……左様なところで御座います』


 斯様なところであると申すか。不可解なり。


 まぁお約束のボケはおいておくとして。何とも不幸なことに城下町はそのほとんどが焼けてしまっていた。何という悲劇! 何という惨劇! これが戦の悲惨さか! これが戦国時代の条理とでも言うのか! 私は何としても戦国の世を終わらせてみせるぞ!


 ……ま、不思議なことが起こって稲葉山の麓にあった御殿や養生院、その隣に建設中の学校、あとは鍛冶場やら養蚕に使う建物は綺麗に焼け残ったのだけれどね。不思議なこともあるものだ。


『そういうところです』


 こういうところらしい。まぁそうだよね。


 さーて確か来客がいるのよね? 美濃での来客となると商人である生駒さんか、塩屋さん、あるいは三ちゃんがまた不法入国して会いに来てくれたとか?


 私が見当を付けながら山麓の館に向かうと――



「――妹よ!」



 がばぁ、っと。何かが覆い被さってきた。獲物に襲いかかるクマのような勢いで。


 ……うん?


 景虎さん?


 長尾景虎さん? のちの上杉謙信さん? なぜか美少女というか美人になっているロングテール・シャドータイガーさんですか?


『なんという酷い英訳』


 魔物っぽくて格好良くない? 討伐ランクはAとかSはありそうよね。必殺技でも可。必殺! 関東蹂躙せし(ロングテール・)夜叉羅刹(シャドータイガー)


『ダサい』


 解せぬ。


 いやしかし、そんなロング (以下略)さんがなんで美濃にいるの? あなた将来的に越後のドンになる人でしょうが。


「あの、ロング――じゃなくて景虎さん。なぜ美濃に?」


「ふっ、他人行儀な呼び方ね? ここは気安く『姉上』と呼んでくれてもいいのよ?」


 あれこの人こんなにポンコツだったっけ? 史実と比べてキャラ崩壊――いや史実謙信もわりとアレか。アレだったわよね。いや男の恋人に浮気の言い訳の手紙を送ったのが現存して公開され広く知られちゃった武田なんとかさんよりはマシなアレだけど。


『武田信玄に対する酷い風評被害』


 事実なのだから風評被害も何もないのでは? というか実名を晒すのは止めてあげなさい。


 それはそれとして。


「う~ん……」


 長い人生経験から察する。これは『姉上』と呼ばないと話が進まない系だな。話を進めても拗ねちゃう系だなと。


「……お姉ちゃん♪」


 心の中の妹(ぢから)全快で媚を売る私であった。きゃる~ん♪ きゃぴきゃぴ♪ きゃわわ~♪



『うげっ』


≪うげっ≫


「うげっ」



 プリちゃん、玉龍だけでなく師匠までも『こいつはやべぇ』的な反応をしていた。げ・せ・ぬ。








『……というか、この時代に『○○ちゃん』という呼び方は通じるんですかね?』


 そのへんは、まぁ、自動翻訳(ヴァーセット)が頑張ってくれるのでは?


『血も涙もない……』


 自分のスキルを酷使して何が悪いというのか。解せぬ。







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