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富国強兵・殖産興業


 私の弟・新五郎(斎藤利治)と加藤光泰君(もう弟でいいのでは?)は私の家臣というか、小姓にするために紹介されたらしい。


 すでに小姓には光秀さんがいるんだけど、光秀さんだけでは不足ということだろうか? 確かに光秀さんは私を止められないし、すぐに騙されるし、すぐに流されちゃうけど……。

 うん、もう二人くらい小姓(監視役)を増やしたくなる父様の気持ち、分からないでもない。



『光秀さんの扱いに涙を禁じ得ません』


≪やはり本能寺か……≫



 解せぬ。


 それはともかく新五郎と光泰君はまだ若いので『学校』に通わせようと思う。あとは雑賀孫一君と小西隆佐君もね。


 もちろん、この時代に現代日本的な学校はない。寺子屋もまだだし、有力者の子息がお寺で勉強できるくらいで。


 つまりは学校設立。

 つまりは富国強兵である。


 富国強兵はよく勘違いされるけど、『外国を侵略して植民地を作ってやるぜ!』という政策ではない。


 元を辿れば幕末明治、大きく水をあけられた外国との国力差を縮めて対抗し、不平等条約の改正を目指したものなのだ。あの時代の外交なんて軍事力がなければお話にならないものね。


 まぁ強大な軍事力を持ったら持ったで積極的に植民地獲得に動いちゃうんだけど。それはまた別の話として。


 富国強兵の第一の柱は教育である。徴兵するにせよ、興業するにせよ、まずは国民の教育を第一とした明治の元勲たちの慧眼は素晴らしいと思う。


 まぁ優秀すぎて後継者が育たず酷いことになるんだけど。それはまた別の話として。


 よく女性向けのゲーム(いわゆる乙女ゲー)や小説で『王侯貴族の子息子女を集めた学園で繰り広げられるラブロマンス』的な舞台設定がある。


 ときどき『王子や貴族の子供が集まる学校なんて変』という批判があるけど、私は悪くないと思う。


 だって国内各地の有力者の子供を学園に集めることで『人質』になるし、幼い頃から教育を施すことで『国家』に対する忠誠心を植え付けやすい。

 そんな教育というか思想に馴染まない子供も当然出てくるだろうけど、そういう子は『要注意人物』としてマークすればよし。


 将来の地方領主に必要な知識を教え込むことで全国で画一的な地方統治が可能になるし、国の政策を浸透させやすくなる。


 しかも『標準語』の浸透も可能に。


 同じ年代の子供たちが集まれば結婚話も纏めやすくなる。

 家を継げない子供たちの中に優秀な子がいればこちらで雇えばいい。


 さらにいえば素直な子供を『身内』に引き込むことで、将来もし実家で後継者争いが起こったときに『身内を守るため』介入しやすくなるものね。



『腹黒ぉ』


≪腹黒ぉ≫



 なぜかドン引きされてしまった。私のどこが腹黒いというのか。ただ三ちゃんが将来作るであろう『織田幕府』のために優秀な人材を育てようとしているだけなのに!


『そういうところです』


 こういうところらしい。


 それはともかく、学校は必須ね。教師をやれそうな人が私しかいないのが困りものだけど。まぁ今は生徒も少ないからどうにかなると思うし、いずれは私が教えた子供たちに教師をやってもらうとして……。う~ん、もう一人くらい即戦力が欲しいところね。


 くっ、師匠がいれば教師役を任せるのに。

 あの人はアル中だし、テキトーだし、ちゃらんぽらんなのでとても子供を任せられるような(ひと)じゃなさそうなのだけど、意外や意外、面倒見はいいのだ。

 あ~あ、師匠がふらりとこっちの世界にやってくればお酒で釣って働かせるのになぁ~。



『……フラグ立てましたね』



 無事フラグは立ったらしい。よし、いざというときのためにお酒を造っておきましょうかね。




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