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第86話 初任務

 悪夢を見て苦しみながら眠っていた経義は、ズボンのポケットに入れたままだったスマホが着信を受けて鳴り出したことで目を覚ましました。


 「ハッ!!・・・」


 目を覚ました経義は、大量の汗をかいて起き上がります。


 『・・・ またあの夢か・・・』


 経義は悪夢のことを一刻も早く忘れようと、すぐにポケットからスマホを取り出して、送られてきたメールの内容を確認しました。


_______________________________________


 対してフィフス達。静からの話を聞き終わり、同情する瓜に対し、フィフスは意外にもケロッとしていました。


 「フ~ン・・・ ありきたりだな。」

 『フィフスさん!! それはあんまりです!!』


 瓜は当然反論し、静も彼を衝撃を受けた目で見ます。するとフィフスはこう言い出しました。


 「お前ら人間からは残酷に見えるだろうが、生憎俺は魔人の戦士だ。人殺しもしたしその事への恨み言も何度も聞いてきた。しかも後者の恨み言に至っては、俺には全く関係無いのに魔人ってだけで言われることも多かったんだよ・・・








 ・・・ 要はアイツもその類いだろ・・・」


 フィフスの心境を聞き、彼なりの視点に気付かなかったことに二人は痛いところを突かれた感覚で黙り込んでしまいました。そんな空気でも一切読まず、フィフスは静に質問をしました。


 「そういや静、お前なんでアイツに仕えてんだ?」


 唐突に聞かれて静は反射的に戸惑いましたが、すぐに調子を戻して話しました。


 「私は、過去に魔人に襲われていたところを若様に救って貰ったんです。親も亡くなって身寄りも無かったので、それ以降彼のために尽くそうと・・・」


 「・・・ 献身的な奴。」


 フィフスが嫌みそうにそんなことを言っていると、彼のスマホに着信が入りました。それは経義と同じく、ドクターからの着信です。これはフィフスの方にも同様に届いていました。


 「・・・ 早速来たか。どうやら魔道書探しはまた後回しになりそうだな・・・」


 静の話を丁度聞き終わっていたフィフスもそれを確認し、魔人の出現を伝達を見てため息をこぼしました。しかしそれを見てフィフスは驚愕します。


 「ハ!? 何だこれ?」

 『どうしました?』


 メールの内容が気になった瓜と静が横から覗いてきます。するとそこに綴られていた場所は、同時刻に三カ所で犯行が起こっていました。


 「おいおい・・・ どうなってんだこれ?」

 「若様と他の方にも行くようにしなければ・・・」


 フィフスが受け取ったメールをスクロールしていくと、どうやら一カ所には既にドクターの部下が向かっているようです。


 「てことは残りの二つを俺と牛若で分けろってことか・・・」


 すると準備を終えた経義は静に会いに部屋にやって来ました。


 「シズ、仕事だ。屋敷を・・・」


 このとき、経義は未だにいるフィフス達に気付きました。しかし時が時なので敢えて無視します。


 「・・・ 掃除しておけ。」

 「あ、今コイツ全力で無視した。」


 そうして経義がフィフスと話をしないために一目散にバイクに乗って現場に向かって行ったのを見てフィフス達も屋敷を出ます。静もそれについてきました。


 「アイツ、ホント俺を毛嫌いしていやがるな~・・・」


 フィフスは気を引き締めるために一度伸びをし、目をキリッとさせて口を開きます。


 「んじゃ協力って事にはいかなそうだし、俺は俺で行くとするか、ユニー・・・」


 コクリとユニーは一度首を縦に振り、乗っかっていた瓜の方を離れて変化をし、二人を乗せられるように体を大きくなりました。これを始めて見た静は目が点になります。


 「・・・ な、何ですか・・・ これ?」


 戸惑っている彼女にフィフスは当然のごとく答えます。


 「ユニコーン。俺の相棒。」

 「あ・・・ はい・・・ そうですか・・・」


 ユニーをなでなでしているフィフスを見て、静はもうなんとも言わないでおこうと思いました。すると瓜のエスコートをしながらユニーの背中にまたがったフィフスがふと彼女に聞いて来ました。


 「お前、なんで魔人の俺をもてなしたんだ? 過去に襲われたってのに、怖くねえのか?」


 静は表情を戻して、考え込むことをせずすぐに答えました。


 「誰であれ客人は最後まで丁寧にもてなす。弁さんからの受けよりです!!」


 そう言って彼女はニコッとしながら可愛く敬礼をしました。

 

 「おお・・・ そうか・・・」


 しかしそのときフィフスが思ったのは、この屋敷に来て経義が帰ってくるまで待っている時間に起こった出来事でした。


 『お茶運んできたときに確実に俺の頭にぶっかけてきたことはどうなんだか・・・









  ・・・ ま、瓜に降りかかったのも全部俺が受けたのもあるんだけど・・・』


 どうやら、そのときのフィフスはいつもの経義と全く同じ災難に遭っていたようです。量は彼の倍ですが・・・


 フィフスは静に向かってフッと笑顔を見せました。


 「どうかしましたか?」

 「帰ってきたら牛若に伝えておいてくれ。使用人の給料上げとけってな。」

 「アハハ・・・ 分かりました。」


 静がリアクションに困って微苦笑しながら返すと、フィフス達は牛若家の屋敷を後にしました。

<魔王国気まぐれ情報屋>


・キャラクター紹介


{鶴島 静}



種族           人間

年齢           18歳

誕生日          11月6日

身長           156cm

性格           義理堅い ???

家族構成         父 母(二人とも故人)

主人           牛若 経義

好きな物・こと      若様!!!

苦手な物・こと      若様の嫌いなもの(五郎さん達は例外です。)

             家事全般

好きなタイプ       若様!!!

将来の夢         若様にもっと近付きたいです!!!

悩み           童顔でよく歳を間違えられる

モチーフ         『鶴の恩返し』より鶴

             『偉人』より静御前




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