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第56話 五つの力を・・・

 フィフス達は、戦い疲れたユニーを瓜に預け、彼の攻撃に応えているライヤーに一気に攻めかかりました。そのすぐにグレシアがフィフスに聞きます。


 「それで、どうすんの? 回復したとはいえ、まだ身体になじみきってないんだけど。」

 「わかってる。しかも破壊炎では倒せないときた。正直やりずらい・・・」

 「開幕早々不安になることいわないでください。」


 彼の反対側の隣にいたルーズが冷や汗を流して言います。それにフィフスは落ち着いた様子のままに返します。


 「安心しろ、手なら考えてる。最低でも人手が五人いるがな・・・」

 「それなら丁度じゃない。」

 「条件は、揃っていますわね。」


 後ろに控えていた姉二人も同意します。


 「よっしゃ、ならやるか!」


 しかし五人がその技を構えようとした直前、煙を吐いていたライヤーが回復し、瞬時に火球を吐き出してきた。


 「おおっと、きたか。」


 五人は攻撃に当たらないために散開し、一旦技の構えを解きました。場所が離れてしまった上に、その間に彼の巨体が入り込んだがために、再び準備をするのに手間取っています。


 『チッ! 無駄にでかいから出しやがって・・・』

 『さて、どうやって集まろうかしら・・・』


 考え事をしていたフィフスとサードをよそに、ライヤーは木々が潰れるのもお構いなしにその身体を回転させながら多くの術を放ち出しました。


 「たーーーーおーーーーすーーーーー!!」


 攻撃の範囲近くにいたグレシアとルーズは息つく間もなくまた動くことになりました。


 『ここでお構いなし!?』

 『痺れを切らしたようですね・・・』


 先程までの戦闘でいくつかライヤーの戦闘スタイルに慣れてきた魔人達はおとがいに苦手な属性をフォローしながら、いつ切れるのか分からない連撃を捌いていきました。


 竜巻を発生させて一気に攻撃を防いでいたセカンドの所に一行は集まろうとしました。


 しかし相手の方もそうはさせまいと、横に動いて隙が出来ているフィフスに攻撃を撃ち出しました。ですが・・・


 カチンッ!!


 なぜか次の瞬間、ライヤーは背筋を凍る感覚を感じ、何があったのかと首を回して後ろを見ると、自分の大きな背中に触れているグレシアを見つけました。


 「!?」

 「魔力が回復しちまえばこっちのものよ! このでかい身体を粉砕は出来ないけど、これなら・・・」


 グレシアはそこから更にライヤーの背中に魔力を込め、それによってライヤーの動きは固められていきました。


 「グ、グォーーーーーーーーーーーーー!!」


 「<氷結術 冷楔(れいくさび)>」


 ライヤーの動きが止められたので、魔人五人はこのきを見逃すことをせず、一カ所に集まることに成功しました。ライヤーはまだ固まりが溶けていません。


 「ううむ、思っていたより手間がかかったな・・・」

 「まあ良いんじゃない? とりあえず集まれたんだし・・・」


 するとフィフスは後ろを向き、そこで少し休んでいたユニーに声をかけます。


 「ユニー、いけるか?」


 後ろから彼はもちろんのごとく首を縦に振ります。それを見てフィフスはニッと笑い、また前を向きました。



 「よっしゃ、いくか!!」


 フィフスそう言って手を叩くと、ユニーは一旦元の小さな姿に戻り、そしてそこから更に変化した。


 『こ、これは・・・』


 少しすると、ユニーはドッチボール並の大きさのボールになって瓜の手に収まりました。


 『な、何でボール?』


 瓜は唐突に手の上に置かれたユニーボールに戸惑っていました。するとそこにそそくさとセカンドが足を運んできました。そして瓜に一声かけてユニーボールを回収していきました。


 「ちょっとお借りしますね。ボールがこれしか有りませんので・・・」

 「は、はあ・・・」

 『何をする気なんでしょう?』


 セカンドはユニーを抱えたまま残りの味方の所に合流しました。するとフィフスがこんなことを言い出します。


 「みんなーーーーーーー!! 用意は良いかーーーーーー!!」


 フィフスの言葉に残りの四人も応えます。


 「「「「オーーーーーーーー!!!」」」」


 「声が小さいぞーーーーー!!!」


 「「「「オーーーーーーーーーーー!!!!!」」」」


 後ろで見ていた瓜は、五人から出されるこれまで一の気迫に当てられながら、何が起こるのか気になっていました。



 そしてライヤーの拘束が解けるのと同時に「こと」が始まりました。五人全員が斜め一直線に並びます。そこから、列の一番後ろでユニーボールを持っていたセカンド以外が右足を膝を曲げて前に出し、その膝の上に右腕を置いて、左腕をダランと下げて伸ばした体勢を取りました。



 瓜が緊張の一瞬に唾をゴクンと飲み込みます。そしてついに、五人の列の一番前のポジションにいたフィフスが叫び出します。








 「『魔人大旋風ボール』!! よーーーうい!!」



 「「「オオッス!!」」」








 「・・・ハイ?」


 瓜は何か嫌な予感を感じながら汗をかきました。その予想は悪い意味で当たってしまいそうです・・・


<魔王国気まぐれ情報屋>


・マイナの薬


 マイナがフィフス達のために即席で用意した特効薬。それぞれ扱う属性ごとに薬の色が変わっています。


 フィフスは赤  グレシアは水色  ルーズが緑 


 サードは黄  セカンドはピンク

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