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第44話 封印された剣

<おまけストーリー 瓜の誕生日> 7月7日


本日は瓜の誕生日。メンバー皆で集まってお祝いしています。


一行「お誕生日、おめでとう!!」


 パチパチパチパチ・・・


瓜「あ、ありがとうございます。」


しかし拍手をする皆でしたが、それが終わった途端に雰囲気が変わります。


グレシア「まあ、でも・・・ 」


サード「現実の暦で誕生日を祝っても・・・」


ルーズ「本編では未だに一月なんですけどね・・・」


フィフス「一体俺ら、いつになったら本編で誕生日を迎えれるんだろうな・・・」


「「「「ハハハハハハハハハハハハ・・・」」」」


祝われている瓜を除いて、全員は最早悲しみにから笑いをしてしまっています。


瓜「こ、ここでの悩みはともかく、本編、スタートです。どうぞ・・・」

 その後、瓜が落ち着いた頃になっても女はただそこで祈りを続けていた。気になった彼女は声をかけようとしたが、祈りに集中しきっている女にためらい、すぐに動きを止めます。すると・・・


 「気になるか?」


 まるで後ろに目でもついてるかのように女は言い出しました。


 「す、すみません。私・・・」

 「構わん。ここがどこかも知らないようだし、話しておこう。」


 女は今の目を閉じ、正座をした状態のままで語り出しました。


__________________________________________


 かつて、この国には歴代の魔王が代々受け継いできた秘伝の剣があった。



 その剣は、『魔剣 カラミティ』 いつの時代に誰によって作られたのかすら判明していない謎の魔剣だ。



 ただ、その剣には「たった一振りするだけでどんな強い勇者をも骨を残さずに消してしまう威力を持つ」と遙か昔から伝わっていた。事実、この剣を使った魔人は大きな力を見せ、余ってかかってくる勇者を軽々と倒していった。


 ましてやそれを世界最強の魔人である魔王が使おうならば、魔剣は更に磨きがかかり、最早誰も魔王を倒すことは叶わなくなったという・・・



 しかしこのあまりの強さゆえに、ある問題が発生した。それを持てば魔王すらも倒せると思った、今まで魔王家によって助けられた下位の魔人達の一部の勢力が、魔剣を手に入れた者から我先に次々と反逆を起こしたのである。



 「俺が魔王になる!!」     「俺こそが最強だーーーーー!!」


 「魔剣は俺様の物だーーーーー!!」



 当然魔王の強さは、そんな付け焼き刃でどうにかなるほどな訳がなく、下位の魔人達は撃沈していく。その結果、国の魔人は大きく数を減らしてしまう結果となってしまった。



 この自体を重く見た当時の魔王は、衛兵達に魔剣の封印を命じた。しかし、そのときに事件は起こった。








 封印しようと魔剣を握った衛兵は次の瞬間、魔王の腹を握った魔剣で貫いたのだ。








 突然のことに他の衛兵は彼を取り押さえようと武器を持って迫ったが、剣を持った衛兵は深く黒々としたオーラを纏い、獣のような雄叫びを上げながら周囲一帯の衛兵達を皆殺しにしてしまったのだ。



 「キィシャーーーーーーーーーーーーー!!!」



 だが、そんな彼にも問題が起こった。まだ生き残っていた唯一の兵に迫った瞬間・・・



 「ウ、ウワァーーーーーーーーーーーーー!!!」



 剣が黒く光り出して衛兵を吸収してしまったのだ。そのまま魔剣は城の床に突き刺さり、光も消えた。



 この地獄絵図を見た男は、二度とこんなことにならないよう、魔王城の場所を移し、ここはその魔剣を封印するための塔へと建て替えられた。



 そしてそのときから魔剣だけでなく塔の存在すら話すことは禁忌とされた。そうして月日が流れていく内に、いつしかいつしかそこは忘れ去られていったのだ・・・



_________________________________________


 話を聞き終わって、瓜が最初に思ったのは女にも感じていました。


 「あの・・・ なら・・・」

 「どうしてここにその魔剣がないのか・・・ でしょ。」


 そのとき、はじめて女は表情を崩しました。その顔はどこか怒り、そして呆れているようでした。


 「どこかの馬鹿が魔剣を持ち出してしまったようでな。それ以来、あれがどこにあるのか分かっていない」


 落ち着いてはいるが、どう聞いてもその声には怒りが込められている。それに瓜はユニー共々ビクッとした。ユニーに至っては涙を流していたようです。


 『そうとう怒ってます・・・ 』

 「おかげで刺さっていた穴から余波の邪気があふれ出ていてな。私はそれを浄化していると言うことだ。」

 『邪気の・・・ 浄化?』

 「ひ、一人で・・・ ですか?」


 女はフフッと笑った。


 「ああ、確かに一人だった。若い頃は・・・」


 「・・・?」


 そこから女は何か思いふけている様子になったことを見て、瓜は敢えてそれに口を閉じました。その思いの中に、もう一つ考えていることがあると知らずに・・・



 『あの少女、この古塔にこうも易々と入ってきた・・・』


 そう・・・ 瓜自身は全く気付いていなかったが、この古塔の入り口には侵入者が入ってこないように結界が張ってあったのだ。そこに入れるのは特定の魔人のみだったはずなのでした。


 しかも彼女は、邪気を放つ穴に吸い込まれるかのように近付いていった。どうにもこの二つのことが、女にとって歯がゆかったようです。


 そしてその事には、瓜の隣にいたユニーもどこか感じていた。実は彼女についてきたのは、それもあったのだ。


 『彼女は・・・ まさかな・・・』


_________________________________________


 その日の夜、瓜が一向に帰って来ないことにサードは焦っていました。


 「ど、どうしよう!! ウリーちゃん!! ウリーチャンはどこに行ったの!!?」


 サードはあまりの焦り具合に、キンズに止められていたのに部屋にやって来て早々フィフスを壁にぶつけました。


 「ちょっっっっっっっと~~~~~~!!!・・・ アタシの愛しの妹はどこに行ったのかしら? 三秒以内に答えないと・・・ わかってんでしょね? 愚弟・・・」


 フィフスは動けない体でそれを受けて既に気絶(おち)る寸前でした。


 「ぎ、ギブ・・・ いい加減・・・ 離してくれ・・・」


 サードはそのままフィフスの首を握り潰そうとしたが、そこにキンズが止めに入ったことで彼女はその手を離しました。息を荒げながらもフィフスは答えます。


 「だ、大丈夫だ・・・ 俺もどこに行ったのかは知らんが・・・ 今回は大丈夫だろ。優秀な護衛がついている。」

 「護衛? もしかしてアンタのユニコーンのこと? あんな小さいのが?」

 「姫の肩を持つわけではありませんが、私の彼女の言い分に同意です。あの小さいユニコーンでは、どうにもならないと思います・・・」


 フィフスは息を整えて元の口調に戻りました。


 「そうか、姉k・・・ 姉上とキンズは見たことないんだったな。ユニー(アイツ)は、下手な軍隊長より、よっぽど強いぞ。」



 「・・・?」


 フィフスはニッと笑った。しかし内心は穏やかではなかったのです。


 『ったく・・・ アイツ、責任感じやがったのか? やるとは思ったがマズいな・・・』


 暴れるサードを押さえ込みながらキンズはそこからずらかりました。そのタイミングを見計らい、フィフスは目を閉じました。そして・・・


 『おい、ユニー・・・ 聞こえるか?』


 彼がしばらく待っていると、そこに返事が返ってきた。しかし、その声はフィフスにしか分からない言葉でした。


 フィフスは彼の言うことに耳を傾けていると、そこに瓜の居場所を聞きました。そのことにフィフスは・・・



 「ハァーーーーーーーーーーーーー!?」



 一人でかなり大きな衝撃を受けていた。

<魔王国気まぐれ情報屋>


・魔剣 カラミティ


 この世界においてもう一つの伝説となっている、「聖剣 ホープ」と対をなす剣。本編でも描かれたように、ほとんどの者が触れた途端に暴れ出す凶器的な武器。しかしかつては強力ではあれど、そんな特性は無かったことが伝記で分かっているらしく、こうなって原因も不明な、未だに謎の多い剣である。


 修道女いわく、過去に誰かが持ち逃げしてそれから行方不明になっている。いつかは出てくると思われるが果たして・・・

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