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第335話 瓜が要

 突如として現われたバトルスーツの人物。恥mて見るその姿にグレシアは咄嗟に知覚にいた経義に聞きます。


 「ねえ、これ何!? アンタ達のところの新開発!?」


 「いや、俺もこんなスーツは知ならい! 援軍なのか、こいつは!?」


 各所現われた人物に警戒しますが、その警戒は次の瞬間ヘルメット越しに聞こえてきた声によって緩和されました。


 「よかった・・・ みんな、無事だった・・・」


 「その声、貴方まさか!!」


 全員に顔がよぎったその人物は、答え合わせをするようにヘルメットを一度外します。その正体は、信の自宅にて待機をしているはずだった『町田 瓜』その人でした。


 「瓜! 貴方何でここに!? と言うか、そのスーツは一体・・・」 


 「スザク・・・」


 「エッ?」


 信が指摘した台詞にグレシアは戸惑います。すると信は瓜の元にまで近付き、彼女が今着ているスーツについて説明しました。


 「僕が作った四機のプロトタイプスーツの内の一機だ。飛行能力による高い機動力を持ち、背中に装備されたブーメランを飛ばすことで相手の攻撃を吸収しながら威力を上げて攻撃することが可能。

  万が一の自衛用として自宅に隠して置いたんだけど、アヒルからゆずって貰ったのかな?」


 瓜は無言で頷いて肯定します。


 「そっか、アヒルめ・・・放っておけなかったのかな」


 勝手に一人だけ納得している信に首を傾げつつ、事情を知っている白兎が次に気になったことを質問しました。


 「でもスーツがあるからといって、よくここまでこんなに早く来られたもんだ。妨害はなかったの?」


 「あったわよ。でも・・・」


 白兎の質問に対し、瓜ではなく別の誰かが瓜の後ろから出現して答えます。ここまで何処何姿を消して行方知れずだったサードでした。


 「アタシ達が守って上げたの。大事な妹にきづなんて付けたくないもんね」


 「サード様!! ・・・アタシ達?」


 グレシアの鋭い引っかかりにサードが後ろに視線を向けますと、彼女の後ろから本来の姿に戻ったユニー、そして彼の背中にまたがるもう一人の鬼の姿がありました。


 彼女のことを知っている魔人二人を驚きで目を丸くしてしまいます。


 「「セカンド様!!?」」


 現われたのはフィフスのもう一人の姉、『セカンド』でした。


 「あれ? 知り合いなの?」


 彼女のことを知らない信からの問いかけに、ルーズが驚きを抑えつつ出来るだけ丁寧に返事をします。


 「セカンド王女。魔王家長女にしてフィフス王子の実のお姉様です。」


 「なるほど、長女って事は三琴君よりも上の姉弟か。」


 「もう一人姉がいたとはな」


 経義、白兎も初めてのフィフスの姉の存在に関心を寄せます。


 「アタシが異世界転移のゲートを通って呼んできたの。火華が相手じゃ、頭数は多い方がいいから」


 「弟の危機とサードから聞きまして、黙ってはいられませんわ。私も微力ながら、助太刀させていただきます!!」


 「なるほど、この二人が手伝ってくれたのならここまでは役に来られたのも納得だわ。」


 グレシアが胸をなで下ろしているとき、瓜は火華の中に捕らえられたフィフスの姿を見つけました。


 「ゴー君!!」


 「嫌な木よ。ああやって人質を見せびらかして手出しをさせないようにしてくるの。」


 「そんな・・・」


 しかしこの状況になって、信の頭の中には一つ思い当たる事が出来ました。


 「いや、瓜君が来てくれたことで、絶好の好機になったかも」


 「私が来て・・・ ですか?」


 瓜自身も信が何を思ったいるのかは分かりません。彼は万一火華に聞こえることを恐れて彼女の側にまで近付き、微かな声で耳打ちをします。


 「私が!? ですか?」


 「そう、おそらくこの場にいる中、いや、何処の世界を探しても君意外にこの役目が出来る人は見つからないだろう。君が切り札だ。」


 「瓜が切り札?」


 気になったグレシアが声を漏らしますが、信は瓜に何を話したのかを説明しようとしません。


 「作戦の要は瓜君に伝えた。僕達がやることは一つ。全力で彼女の行く道をボディーガードする。塵埃さえ近付けないようにしてね。」


 信の楽しむような言い分にエデン組二人が乗った。


 「なるほどな。それならシンプルで分かりやすい。それだけであの化物が滅せられるなら喜んで引き受けてやる。」


 「ま、ドクターのやることには何かしら意味があるからね。その度に色々ぶっ飛んだ事をさせられるけど・・・」


 経義と白兎に続き、魔人組四人も前に出ます。


 「しょうがないわね。どういう意図があるのかは聞かないでおくわ。」


 「僕達が瓜さんを守る。いつも鈴音様を守っている自分としては、あまり変わりませんね。」


 「守るなんて当然よ! ウリーちゃんは私の妹になるんだから!!」


 「相変わらず姿勢なようねサード。お姉ちゃんも、頑張っちゃおうかしら!!」


 重大な役割を決められた瓜が緊張すると、背中を軽くユニーが触れてくれました。


 「ユニーさん・・・」


 軽く頷クユニー。彼の行動のおかげで、瓜の身体の震えは止まっていました。


 「震えが止まった・・・」


 ユニーは瓜に自分の背中に乗るように告げ、彼女はそれに従って跨がります。


 そして瓜を中心とした、救出部隊一行の体制が整いました。


 「さあ! いこうか諸君。迷いの森の攻略戦、最終局面だ!!」

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