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第174話 そうだ! 船に乗ろう!!


 「「「二人で豪華客船旅行!!?」」」


 「こ、声が・・・ 大きい、です・・・」


 この日、瓜は前から予定していた女子会に来ていました。そこで昨日の事を話すと、一緒に喫茶店に来ていたグレシアと鈴音、そして静はつい大声を出してしまいましたが、瓜にとがめられて乗り出していた身を引きます。


 「ハァ~ いいな~アタシも行きたーい!!」

 「ウチもだぞ! チケットもっとあったらいいのに。」

 「それだと商店街が大変ですよ。」


 そこから紅茶を一口飲んだグレシアは、ふと思い立って聞いて来ました。


 「あれ? でもペアって・・・ 瓜、アンタお父さんと行くの?」


 瓜はスマホに素速く文字を打ってその応えを返答しました。


 「フィフスさんからも言われて、とりあえず電話をしてみました。でも、仕事が忙しいみたいで、その日は帰って来られないそうです。」

 「今更ながら瓜のパパって何の仕事してんのよ?」

 「学者です。主に世界各地の遺跡を調査していまして・・・」

 「そう・・・ じゃあ、もしかして・・・」

 「小馬ッチと行くのか!?」


 瓜は鈴音がハッキリ聞いて来たことに少し戸惑いましたが、無言のまま小さく頷いて肯定しました。




 その頃のフィフス。いざ行くことになって早速荷造りをしていました。


 「地域の福引きって当たることあるんだな・・・」

 「本当よね~・・・」


 フィフスがあまりに自然に会話をしてきた声の方向に向くと、当然のように居座ったサードがいました。


 「・・・なんで当たり前のようにいるわけ? どっから入ってきた!?」

 「扉は閉まってたから開いてた窓からだけど何か?」

 「当然のように言うな。」


 サードは下世話な目になって聞いて来ました。


 「ねえ、そんなことより~・・・ アンタ、実際のとこウリーちゃんとどこまでいったの?」


 フィフスは唐突に聞かれたことに思わず持っていた袋を破いてしまいました。


 「いきなり何聞いてくんだ!?」

 「なぁに? その感じだと進展あった感じ?」

 「進展だぁ?」


 フィフスは落ち着きを取り戻したようで、手作業をスムーズに進めていきます。 


 「ほら、若い男女が一つ屋根の下なのよ。普通何かしら・・・」

 「生憎そんなイベントは無しだ。俺はあくまで居候。それに関係は友達だ。それ以上でも以下でもない。」

 「婚約者でもあるでしょ?」

 「あれは成り行きで誤魔化しただけだろ・・・」


※詳しくは『魔王国篇』を読んでください


 サードは弟からの話にため息をついて席を立ちました。


 「ハァ・・・ つまんないわね、それ。」

 「てか、今更ながらなんで来た?」

 「ウリーちゃんに会いに。入れ違いだったみたいだけど。」

 「あいっ変わらず俺は当て馬かよ・・・」


 フィフスがまた目を細めて落胆すると、サードはこんなことを言い出しました。


 「それで、もうチケットは来たの?」

 「ん? ああ・・・ ここにあるけど・・・」


 彼は鞄からチケットの入った封筒を取り出して彼女に見せると、彼女は間髪入れずにそれを回収しました。


 「サッとな!!」

 「アッ!!?」


 彼女はそれを広げ、意地悪くニヤつきます。


 「ニシシ・・・ これでアタシとウリーちゃんの二人で行けるわぁ!!」

 「手段を選ばない女だなぁ・・・」


 サードは封筒からチケットを取り出してまじまじと見ます。


 「そーだ、写真に撮ってSNSにあ~げよ。」


 そしてそれをスマホで写真を撮りました。フィフスはそれを急いで止めます。


 「止めろ! それ瓜から色々洒落にならなくなるって言ってたぞ!!」

 「え? そうなの。」


 彼女は文字撃ちを止め、スマホをホーム画面に戻しました。



____________________



 そうして旅行当日、フィフスと瓜はそれぞれキャリーバッグを引っ張って目的地までの電車に乗りました。楽しみで彼女が小さく体を揺らしていくと、フィフスはふとこう言いました。






 「そうだ! 船に乗ろう!!」






 突然彼が言ったことに瓜は反応に困り、揺らして体を止めてしまいました。


 『どうしたんですか、突然?』

 「いや、何かしっくりくる言葉だなぁ~っと思って・・・」

 『はぁ・・・ そういえば、ユニーさんは?』

 「ペットは禁止だったからな。隠れて連れてって検査で見つかったら面倒だし、ルーズに預かって貰ってる。」


 そこから二人はまた電車に揺られて時間を過ごしていき、ついに最寄りの駅に到着してそれを降りると、少し歩いて大きなホールに到着しました。


 「チケット裏の地図によると、ここだな。」

 『それでは手続きしましょうか。』


 瓜が率先して前を歩き出すと、フィフスはそれを止めました。


 「待て!」

 「!!・・・」


 彼女は突然後ろから肩を掴まれたことにドキッとしてしまいます。


 『フィフスさん!?・・・』

 「お前・・・



  ・・・コミュ障なんだからそこら辺は俺がやる。アドバイスさえ送ってくれたらそれでいい。」

 『あ~・・・ すみません。』


 瓜は今しがたドキッとしたことを後悔しました。それと同時に、二人は内心こう思っていました。


 『瓜のやつ・・・ ここ最近どうにもよそよそしいような気がするが・・・』

 『あ~・・・!! 先陣切って空回りしちゃったぁ!!』


 そしてフィフスが軽々と受け付けを終わらし、二人は船の止まっている港に行くと、そこに止まっていたのは・・・



 「「アァ・・・」


  ・・・何というか端的に、デカいな!!!」



 そこに止まっていたクルーズ船は、二人の想像を超えた大きさをした豪華客船だったのです。


 「地域の商店街の福引きにしてはえらく太っ腹だなぁ・・・」

 『す、凄いです・・・』


 二人は完全に船のインパクトに押されてしまいながらも、荷物を引っ張りながらその中にへと入っていきました。


 

<魔王国気まぐれ情報屋>



原作者「君達しばらく出番ないよ。」




グレシア

鈴音

サード  「「「「エェ!!?」」」」




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