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第128話 意外な被害者

 その翌日、スマホのネットニュース内にて、こんな記事が流れてきました。




 『御伽市(おとぎし)に驚異的下着泥棒出現!!


  その器用な手つきに為す術も無く被害は続き、既に町中のほとんどの女性が一枚は取られていると言う噂まで。女性の皆さんは部屋干しなどの対策を立てて、泥棒による盗難を防いでください。』




 それを見てスマホを降ろしたフィフスの顔は、昨日の沈みきっていたものとは真反対に激しい怒りで興奮しています。あまりの変わりように瓜が心配してきました。


 『だ、大丈夫ですか?』

 「どこがだ!! あの変態野郎・・・ こっちが少し遠慮したら勝手なことを~・・・」

 『こ、怖いです・・・』


 瓜が彼の威圧に押されていると、家のインターホンが鳴り始めました。


 ピンポーーーーーーーン・・・







 ピンポピンポピンポピンポーーーーーーン!!



 「うるせえ!! 何だこのタイミングに!!」

 「アアア・・・ 『そんな顔では怖がられますよ!!』」


 フィフスはドシドシ足音を響かせながら玄関に向かって扉を開けました。するとそこには、彼と同じように険悪な顔をしたルーズと、それを後ろから冷や汗を流して見ている鈴音がいました。


 「お前、何のようだ? 今こっちは機嫌が悪いんだよ!!」

 「その感じからして同じですよ・・・」

 「ああ・・・ そういうことか・・・」



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・



 いつになく空気を悪くしている二人。後ろの契約者達はどう入ったらいいのかわからなくなってしまいました。


 「よ、よお~・・・ 瓜・・・」

 「ど、どうも・・・ 鈴音・・・ さん・・・」


 魔人の気迫に押されて二人の方は会話がぎこちなくなってしまいました。部屋に二人を入れて瓜がお茶を出し、鈴音はそれを無言のままズズッとすすっています。


 「同じって事は・・・ つまり・・・」


 フィフスは鈴音の方をチラ見しましたが、彼女のためを思って敢えて何のことかは言わないでおいた。するとルーズもそれにつなげてきます。


 「赤の他人のものであれば昨日と同じでしたが、お嬢様に手を出されたのでは無視できません!!・・・」


 ルーズはそう言って持っている湯飲みをグッと壊してしまいそうな力で握りしめました。慌てて瓜はそれを止めます。


 「あ、すみません。」


 腕に触れられたことでルーズは気付き、握っていた手を緩めました。すると時間経過で言葉にはいつもの調子が戻ったフィフスが本題に入ります。


 「よし、こうなったからには俺達でその下着(クソバカボケカス)泥棒(ゲロ以下ゴミ虫)を叩き潰すとして・・・」

 『言い方が落ち着いても言い回しが怖いですフィフスさん・・・』

 「・・・ 問題はそれをどうやるかだ。何か案はあるか?」


 考えるルーズと鈴音。すると鈴音の方が先に案を挙げました。


 「ハイ! じゃあいっそのこと囮の下着を用意するとかどうだ!」


 ハキハキしゃべる彼女ですが、その案を聞いて周りは息をつきます。


 「お嬢様・・・ いくら何でもそんな単純な手に引っかかるとはとても思いませんよ・・・」

 「あ、いや・・・ じゃあ、普段なら手に入らないもの! 変態が好きそうな物とか!!」


 自分の言っていることのヘンテコさに気付いた彼女は焦ってそう適当なことを言い出しました。するとそれを聞いたフィフスが、ふと何かを思い立ったように表情を冷静な顔に変えました。


 「そうだなぁ・・・ ならその泥棒野郎を罠にかけるとするか。」

 『出来るんですか!? フィフスさん!!』

 「王子、鈴音様のカバーはありがたいですが、流石にそんな理想的なものは・・・」


 瓜とルーズがそう反論しますが、それに対して彼はこう言い出しました。


 「ワンチャンだが、あるだろ一人ほど・・・ 変態が飛びつきそうな存在で、尚且つ立場上目立つ場所には服を干しにくい奴が・・・」

 「「「?」」」



・牛若家屋敷


 「で、なんでここに来るんだ?」


 唐突にアポも無くフィフス達が来たことに経義は怒り顔になっています。それに関してフィフスがこう説明しました。


 「静ならまだ被害に遭っていないと思ってな。」

 「被害?」


 分かっていないようだった経義に、フィフスは女子二人のション今日を考慮して彼に耳打ちで伝えます。すると彼は突然血相を変えた顔になりました。


 「そういうことか・・・」

 「あ? その感じだと、静も被害に?」

 「いえ、私は特には取られてませんよ。」


 突然部屋に入ってきた静がしゃべった声に鈴音は驚きました。


 「ウッワ! ビックリした・・・」

 「今回()()被害を受けてません?」


 何故か強調して改めてそう言う静にフィフスは反応しました。


 「私は?・・・」

 「実は・・・」





 「俺だよ・・・」



 ふと経義から聞こえてきた一言に、屋敷に来た一行は一度ピクリとも動かなくなり、何かの間違いかと耳の良いルーズがもう一度聞いてきました。


 「すみません牛若さん、もう一度言って貰ってよろしいでしょうか?」


 それを受けて経義は額に分かりやすい怒りマークを浮かべ、もの凄く嫌そうながらにもう一度だけ、今度は伝わりやすくこう言いました。







 「()()()()が盗まれたんだよ!! その話題の泥棒って奴にな!!!」







 「「「「 ・ ・ ・ 」」」」


 それを今度こそハッキリと聞いた四人は、また一度黙ってしまい、そして・・・






 「「「「ハァーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!?」」」」



 全員声を揃えて、牛若家の広い屋敷からあふれ出るほどの大声で叫び散らしました。

<魔王国気まぐれ情報屋>


・牛若家屋敷に向かう道中のフィフスとルーズ


フィフス「よおし・・・ さっさとあの下着(ゴミクソ廃棄物)泥棒(クズトラッシュ)を仕留めにい くか・・・」


ルーズ「ええ、あの下着(カスカスカスカス)泥棒(カスカスカスカス)をカスにしに行きましょう。」



ウリ『色々いってますけど全て『ゴミ』って意味です・・・』


鈴音「ルーズにいたっては一周回ってただの○○○○○(ピーーーー)のネタだぞ・・・」




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