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第114話 泥ハンマーvs再生魔人

 フィフスが突然オークを殴り飛ばした光景を見て、三人はそれぞれ違う動揺の仕方をしました。


 「一方的ね・・・」

 「小馬ッチ、唐突だぞ。」

 「俺よりやばくねえか・・・」


 それぞれが冷や汗を長し、特に呆れかえったグレシアは少し気が緩んでしまいます。しかし、そこに敵側の加勢が現れました。


 「おっと、お前らの相手は俺達だ!!」

 「へへへ!! 嫌ならそこの女をこっちに渡しな!!」


 すぐに調子を戻したグレシアと経義はそれぞれオーク一体の攻撃を受け止め、狙われている鈴音から引き離そうとします。


 「やっぱ来たわね・・・ とっとと倒される気なんでしょうね!?」

 「つれねえなあ・・・ せっかくなんだから遊ぼうぜ。」

 「おい女! こいつらは引き剥がすからその隙に逃げろ!!」

 「でも!」

 「お前がやられたら俺達の負けだ!! いいから行け!!」

 「・・・」


 そう訴えられた鈴音は、心の中では納得できずに唇を噛んで拳を握りしめますが、経義の言うことを聞き入れ、二人からフィフスの行った方向とは反対の方向に走り出しました。そんな中でも、またこう考えてしまいます。


 『やっぱりウチ、皆に迷惑ばっかり・・・ 』


 すると彼女は、背中に背負っていた鞄に意識が向きました。


 『ウチも、皆のために動かなきゃ!!』


____________________


 その頃、少し距離が離れたフィフス。相手のオークに反抗する間も与えず殴り続けます。


 「オイどうした? さっきの威勢はどこ行った?」

 「てめえ、あまり調子にのr・・・」


 ボカッ!!


 「え~なんて~? ホイッ!」


 ボゴッ!!


 フィフスは乾いた声でいつもの軽いノリをしてまた殴りつけました。不幸の中の幸いなのか彼は完全に変わり果てた剣を使いこなしています。そして彼はビビっているオークに自身の顔と剣を近付けました。


 「で、どうやったらこれは戻るんだ? お前潰せばいいのか?」


 彼からの思わぬ威圧に圧倒されながら、震えて聞き返します。


 「な、なんなんだよ! たかだか剣に泥がついただけだろ!!?」

 「これはな・・・ 大事な友達(ダチ)に貰った一品ものなんだ・・・ だから、今すぐ元に戻せ!!!」

 「ヒッ! ヒィーーーーーーー!!!」


 フィフスに向けられた殺気に恐れをなしたオークは、目的を忘れてその場から逃げ出した。当然ながら追いかける彼はそれを見逃すはずがなく、狂的なスピードで追いかけてすぐに追い付いた。


 「逃がすわけ無いだろ(笑)」


 彼は満面のスマイルでおーくにそう言い放ちます。それを見た相手は一言正直に思った事を口走ります。


 「笑顔怖っ!!! や、止めろぉーーーーーーーーーーーーー!!!!」


 しかしその叫び声もむなしく、オークはフィフスが上から振り下ろした剣だったハンマーを頭に直撃してしまいました。


 ドガァッ!!!


 それによって頭を叩き潰されたオークはその叫び声と逃げる動きを止め、その場に倒れてしまいました。一目で分かるほど完全に絶命しています。


 「・・・ ?」


 しかしフィフスはその直後に仕留めた剣を自分に近づけて見てみます。そこには確かにオークの血がついていましたが、彼はそのときにある違和感に気付来ます。


 剣にかかった術が解けていないこともそうですが、なによりあれだけ苦戦したはずのオークを簡単に倒せ過ぎたことでした。





 『妙にむず痒い感じだ・・・ いくらなんでも簡単に倒せ過ぎてる・・・ まるで誘い込まれたような・・・』





 そのときのフィフスは、自信の頭の中にある一つイヤな考予想がよぎりました。それが当たらないことを祈りましたが、どうやらそれは無駄になったことがすぐに分かりました。






 すると、さっきの攻撃で潰されたはずの頭から声が聞こえてきました。


 「ヒッヒッ・・・ こっちが少しビビった風に見せればすぐに調子に乗りやがって・・・」

 『!? 潰した頭から声が・・・ まさか!!』


 そのフィフスの予想は当たり、首を無くしたオークの体がその場で立ち上がったのです。その上、潰された頭がその首に瞬時に集まって形を変え、すぐに元通りになってしまいました。


 「キモッ!! せめてもうちょい優しい絵面にしてくれよ・・・」

 「うるさい!! 頭潰しておいて文句言うな!!!」


 ふとしたボケに突っ込む復活したオークに、冷静に戻ったフィフスが歯がゆそうに口を開きます。


 「やっぱ『再生』するのか・・・ この前キマイラに吹っ飛ばされてた一体が平然とやって来たことから予想はしていたが・・・


 『こりゃ、戦闘部隊もやられるわけだ・・・ だが今はなんというか・・・ 実際に再生(これ)を目の前でやられるとな・・・ オエッ!!・・・」


 フィフスは目の前の光景に単純に気味の悪さを感じて吐き気を感じ、剣を持っていなかった左腕で土本を抑えました。そんな彼の困り顔を見てオークは不敵な笑みを浮かべてきます。


 「ハッハー! 残念だったな!! 怯えて叩けば倒せると思ったかバカめ!!」

 「てことはやっぱ、誘い込まれたって事か・・・」

 「察しがいいな。お前はここから逃がしはしないぞ・・・」


 余裕の笑みを浮かべ、せせら笑い続ける敵を見て、魔力無しの彼は少々マズいと思います。しかし・・・


 『待てよ・・・ これは変だ。』


 そのとき、フィフスはあることに気が付きました。そして、こちらもフッと笑って見せました。


作者『やばい・・・ 想像以上にエデン篇が長丁場になってしまった・・・ これ、完結するまでにどこまでかかるんだ?』


フィフス「知るか。」



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