発進せよ!渾身のショート クソネタども
☆クソネタに向かう姿勢☆
先ずは
頭を
カラッポに
していただいて、
表情筋を
うんとほぐし、
お顔は
苦笑いの
準備をしながら
ご覧ください。
それでは
いってらっしゃいませ。
お詫び:行開け遊びに意味はございません。
<ここからここまで>
とある人気ファミレス、この日も順番待ちが出る程繁盛している。そこへ
「いらっしゃいませ…ご予約ですね。こちらへどうぞ」
「ありがとう」
(混んでる時間帯なのに…予約か、いいなぁ…ってあの人もしかして?)
「そうね…何を食べようかしら。これもいいしあれも気になる…」
「注文お決まりでしたらそちらの呼び出しボタンを押してください」
「分かりました。…奮発してみるのもありなのかな。うーん…」
ピンポーン(呼び出し音)
「お待たせしました。ご注文、お決まりでしょうか」
「メニューのここからここまで、あとここからここまでお願い」
(うわー、噂に金持ちだって聞いていたけど派手な頼み方するなぁ…本当に食べられるのだろうか)
「わかりました。餃子一人前、塩ラーメン一丁でよろしいですね?」
「はい。お願いします」
(…いや、普通に頼めないのかなぁあの人は)
<告白>
とある校舎裏、一人の男子生徒の前に女子生徒が立っている。何やら緊張しているようだ。
女子生徒が最初に口を開く。
「あの…」
「お?なんだ」
「これ…読んでいただけませんか?」
「まぁ、お前とは確かに連絡って間柄ではなかったからな。でも直接言ってくれればいいのに‥どれどれ…」
そう言いながら男子生徒は手紙に目を落とす。
しばらくその場を沈黙が支配する。
手紙を読み終えたらしく男子生徒が顔を上げる。その顔は少し赤い。
「返事、いただけませんか?」
「うぇ!?あー、あれだ、あれだ。
ほら、今は歯ブラシ買い替える必要があったからさ?
ほら、山行って、川に連れて行ってもらえたらその辺の石で済むし…
あと枕だ!枕も欲しいから水も汲んでさ?
やっぱり週明けに‥確かにピッカピカピカに磨かれてるから…最初の平日が…いや、悪い」
返事を待っていた女子生徒の緊張はいつの間にか消え失せ、
「・・・へ?」
気付けば彼女一人がその場に残った。返事は後日貰ったという。
<怪盗>
どこかしらの屋上、大量の警官が押し寄せる。
「もうこれ以上逃げても無駄だ!大人しくしろ!」
彼らが追い詰める先には覆面を被った男が一人。
男が捕まるのも時間の問題かと思われたが
ババババババ…
轟音とともに縄梯子が垂れてくる。
それをうまくつかむと
「さっすが相棒!というわけでこいつは貰っていくぞ!」
「くそ、逃すな!」
警官の集団が一斉に取り押さえようとするもあと一歩届かず…
(フフフ、昼間だと油断している方が悪いのさ。幸い正体もバレてない)
男は勝ち誇るように覆面をはぎ取り、空を仰ぐ。
晴れやかな気分を象徴するように晴れ渡った空が視界に飛び込む。
遮るもの一つない、良く晴れた青空だ。
…待て? もう一度、空を仰ぐ。
…なにも遮る物もなく、青空が広がっている。
…なにも遮るものは無い。
……
………
…あれ?
「おいちょっと待て?普通この状況なら縄梯子とヘリは見えてもおかしくないよな!?」
もう一度見上げるも、なにも遮るものが無い、綺麗な青空がひろがっている。
…なにも遮るものは無い。
「本当に何もないのか!?じゃあ俺がしがみ付いてるこの縄梯子は何に引っかかってんだ!」
<萌え声アプリ>
雑談で盛り上がる修学旅行の夜、話はクラスで学校一の変わり者と話題の一人の男子についての質問へ移る。
「‥しかしお前、変声アプリをよくあんなにも使いこなせるよな」
「まぁな」
「なにに使ったんだ?」
「あー、あれは昨年の話だったか。俺によって持ち物にイタズラされるって罰ゲームを設定されてな、丁度持ってこられたのが萌え系アニメだったんだ。」
「そうなんだ」
「で、俺は作中の『お兄ちゃん』って台詞を全部『お爺ちゃん』に変えてやった。その時にノウハウは身に付けた」
「……」
「まぁ、結果として頼んできたグループは新境地を開拓したってオチさ」
「おう…やっぱお前がとんでもねぇ奴だってことは改めてわかった」
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。