守羅村かぐや伝説─3
月明かりが湖の水面に反射し、幻想的な光景が広がるその中央で尺八の響きに合わせて美羽さんと沙羅が天女の様に舞う中、奏が守羅湖へ作物と共に入水した。そして腰まで水に浸かり穀物を流そうとしたその時──奏は何の前触れもなく水面から現れた銀髪の女性に連れられ湖の中へと消えてしまった。
湖の中へと消えていく奏を追いかけようと湖に足を入れたその瞬間、銀髪の女性と目が合い微笑みかけられ足を止めてしまった。ふと先程見かけた銀髪の女性を思いだすと同時に突然、月明かりは蝋燭の火のように消え、祭壇の松明は夕陽のように鎮火した。
予想外に次ぐ予想外の出来事に親父と俺は慌てるも、とりあえずできることからと祭壇に明かりを灯そうと近づいたがあと一歩で、と言うところで祭壇が陽炎のように燃え始めた。
ようやく現状を理解した村人たちは慌てて家に逃げ帰る者、起きていることを唯呆然と見つめる者、湖に連れ去られた娘を取り戻そうと金槌にも関わらず湖に飛び込もうとする者、燃える祭壇に取り残された妻と娘を助けようと炎の中へ飛び込もうとする者、それを止めようとする者とで大混乱。阿鼻叫喚の惨劇となった、そんな村人たちを落ち着かせようと親父と一緒に声を上げるも焼け石に水、むしろ更に混乱が悪化していった。
数刻後、夜が明けようやく祭壇の炎が鎮火した。俺たちは一晩中水をかけ、消火しようとしたがいくら水をかけても炎は弱める気配がなく、諦めかけていたが夜明けが訪れると今まで散々に燃え盛っていたのが嘘だったように鎮火したのだ。炎が消え、祭壇に目をやるとそこには全くもって焼けていない祭壇と美羽さんと沙羅が着ていた千早が有ったが、二人の姿はやはり失くなっていた……
中間から先日書いた部分。それ以前は半年前に書いていた部分。
読みにくいかもしれませんがここまでありがとうございました!!