この人たちはどこに向かうのだろう。
主人公は女子高生。
ある朝の出来事です。
変わらない日常に安堵するか、倦怠するか。
あくびをかみ殺し、思いも飲み込んでしまう毎日の朝に、
嫌気がさしている人にはお勧めできません。
ふと、私は思う。
プラットホームに人が押し返す時間帯。
私は通学に電車を使う。
環状にまわるこの電車は人間をすしづめする棺桶だ。
並んでいる人間も、ただの肉の塊。
それか、まるで葬列のソレだ。
意思などもたない、ルーティンが体を無理やり動かす。
定位置に止まる電車。鉄に変わったただの棺桶。
外から見た窓の中も死体が見えるだけ。
朝の低血圧が思考をマイナスに動かす。
いやな学校、いやな会社に向かう皆の顔は死んでいる。
死んではいないが、顔に色がない。
マスクの向こう側、
笑顔ですか。
耐え忍んでいるんですか。
よぎる不謹慎な言葉を噛みしめるタイミングでいつも電車が来る。
今日は列の先頭から2番目に並ぶ私。
先頭は怖いから嫌だ。昔から思う。
電車は空気圧の関係で回りの空気を引っ張りながら走る。
気持ちも相まって、いつ飛び込んでしまうか不安である。
死ぬのは怖い。あたりまえだ。
定位置につかない電車に違和感を感じた。
どうやら線路に何か飛んだらしい。
緊急停車で開かないドアに安堵した。
今日は学校に行かなくていいんだ。
目の前の電車の窓に反射する自分の顔は、
綺麗な赤に染まり美しく感じた。
どうやら私は血の気が通ってるらしい。
学校は休みだな、家に帰ろう。
振り返り、葬列を逆走する私。
周りの死体は青白かった。
皆も今日はお休みしようよ。
皆も家に帰って、二度寝しよ。
私はまだ死にたくないよ、棺桶に入りたくない。
でもみんな棺桶に入りたいんだね。
順番に。
私は明日、また並びに来ます。
学校には行かないといけないからね。
行ってきます。
ただのポエムです。
活気を付けて生きようという作者の意図を含めています。
たまに見てもいいと思いますよ、海外とかの電車で合唱したりする楽しい動画。
ソーシャルをディスタンスなタイミングでいうのもなんですが、
人のつながりは大事です。