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休暇が終わって学園がはじまると、魔法実技の実習メンバー発表が行われていた。これは魔力総量によって決まる。

……私は殿下とアスール様と一緒だったよ。原作通りである。


原作上では、この国の第一王子であるルーカス殿下は金の魔法使い、騎士団長の息子で魔法騎士のウィリアム・アスールは蒼の魔法使いなわけだけど、他の同類にバレた時みたいに、彼らは私を「アマーリア」だと思っているのだろうか?それとも、ただのレオノアだと思ってくれているものだろうか?


それも不安だけど、周囲の「平民が殿下とアスール様の御手を煩わせるんじゃねぇよ」みたいな眼差しとってもキツイです。

昔どこかのゲームや小説、漫画などの創作で見た前向きなヒロインは実はめちゃくちゃ精神力強いってことを今再認識している。こんなの、「ふっ……おもしれーやつ」される前に胃が死ぬわ。



「私はルーカス・ロンゴディア。よろしく頼む」

「俺はウィリアム・アスールだ。よろしく」

「私はレオノアと申します。よろしくお願いいたします」



殿下達はとってもフレンドリーに挨拶してくれるんだけどね!

くそぅ、血筋だけは良いせいで……そう、血筋だけは良いせいで魔力が多い!


とは言っても、この殿下とアスール様コンビは嫌な人達みたいに授業関連で私を除け者にしたりはしないので授業内容的には大当たり引いてるんだよね。

なので、敵意向けられるのがキツすぎて姿を隠す魔法の熟練度が増していく。私、暗部になりたいわけじゃないんだけど、冒険者的にもそれなりにお役立ち魔法なので良しとしよう。人生ある程度は前向きでいないとね。

それはともかく、机に落書きとかノートぐちゃぐちゃにするとかの行為、この世界にもあるのね……。勿体無い。


先生は割と普通に全員平等に怒るし怒るし超怒るから、そこはまぁ……。


それ以外の座学でも頑張って三位とかに食い込むようになってきて、私は中等部一年生を終えた。


春季休暇を終えた次の春、殿下の弟……第二王子が入学してきて流れは変わる。

原作ゲームではちょい役だった第二王子だったけど、彼の母親は第一王子の母親が亡くなった後に正妃となった侯爵家の方。元王妃の息子より現王妃の息子である第二王子の方を王位につけたいと考えている人は多くて、結構な騒ぎ兼苛烈な花嫁レースが行われている。


第一王子こと金色さんが王位にと決定していないのは、理由があるようだ。ここ二代程の王の考え方としては「今こそ女神の加護や過去の英雄を頼る時代を終わらせ、真に人が治める世にすべき」という考え方が主流なんだって。

原作との一番の差異はここじゃないの?後、これ私以外にも転生者いそうな気がするわ。


……これ、危険があるようなら国出ても良いかもしれない。

選択肢の一つに加えておこう。


錬金術師としてならどこでだって生きていける気もするしね。

錬金術師は少ないけど希少薬にアミュレット製作、アクセサリーや武器への魔法付与なんかができるので需要は高いのだ。その分囲い込みがあるらしいけど。

私は薬学スキルも持ってるから薬師として諸国巡っても良い。



そんなある日、授業で転移陣という魔法陣を用いた魔法によって場所を移動する授業があった。


二年生になっても魔力総量の順位は変わらず、私たちのグループはそのままである。マリアが地味に比較的上位になっていた。殿下達狙いかもしれない。


そして、なんというか恐らく巻き込まれたのだと思う。


用意された転移陣の起動と転移先からの帰還がこの授業での必要なことだったけれど、私達は勝手に起動した転移陣で飛ばされて、帰還用の転移陣が壊れていたので、自分たちで作らなくては帰れない。



「ラファエル派か……」

「恐らくは……」



第二王子の名前が出てきたことに対して頭を抱えたい。不敬だからしないけど!


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