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公爵子息が路端で倒れていたのは、マリアを発端とする不祥事からの親子喧嘩からきてたってことを本人不経由で聞いてしまった。聞かせなくてもいいのに。

どうやら、アミュレットを装着してから少し時間が経たないとかかっていた魅了が解けるまで状態はそのままであったらしく、丁度喧嘩して放り出した後に体の負担から熱が出て元に戻った……みたいな?いやよく知らないけど。


というか、異常を抱えた子供を馬車から追い出すんじゃない。面倒を見ろ。高熱出してたぞ。やっぱ貴族は考え方が合わん。



「貴族一纏めにするのもやめてあげなさい」

「だってルース、ちょっと明らかにヤバい息子を置いて走り去る父親どうかと思うの!」

「貴族だからってそんなやつばかりではないよ」



まぁ、ルースやウィルも貴族っぽいけど嫌なやつじゃないもんね。

ただ、私の場合は今までの経緯がアレですので……。



「貴族がそんなやつばかりではない、か……」



情報元のローガンはどこか遠くを見る目をしながらそう呟いた。彼も家族と仲が悪い男なので、ちょっと考えることがあるのかもしれない。

少し目線があって互いに頷いた。割と貴族ってそういうとこあるよな。



「それはともかく、なんで俺の部屋に集まるんだ?」

「集まりやすいと思ったんだ」



ニコニコと笑うルースをサミュエルは憎々しげに見ている。何というか、相性が悪い?のかな?



「レオノア、君も別にどうにかしようって思うんじゃないだろう?」

「え、うん。何もしないよ!そもそも何もできないし」



私がどうにかする問題じゃないし。

私が公爵家と関わる問題とかそうないと思うんだわ。イザベラとお喋りするのとか、ローガンと多少の関わりがあるっていう方がイレギュラーなことなので!



「そういや、レオノアは何で貴族を悪いように思ってるんだ?」



ウィルにそう問われて、ちょっと説明に困る。生い立ちを語るわけにもいかないし。



「昔、ちょっと嫌な目にあったの」



そうとしか言えない。

嫌な目にあったのは本当だしな!なんでハーバーなんのお咎めもなく日々をのうのうと生きてやがるんだろう。我が父はぽっくりいけばいいのにと思わなくもない。人を呪えば穴二つっていうしあんまり考えないようにはしてるけど。



「ちょっとって顔じゃねぇけど」

「だいぶかもしれないけど思い出したくないから突っ込まないでほしい」



私だって人並みに……いや、人並みに愛情受けてバッチリ育ったわ。やっぱり追い出されてラッキーだったな。

まともに育つためには善性の家族とのびのびと育つ環境が必要だってことだな!



「レノン、いつか君の口から色々話してくれる日が来るといいな」

「いや、なんとなくだけどルースに色々話す時が来たらそれこそ厄介事ど真ん中にいそうだから一生来て欲しくない」

「そんな事ないと思うけど」



首を傾げるルースに、サミュエルは「そんな事あると思うしお前らはさっさと帰れ」と呆れたように言った。

サミュエルが言うってことは、ルース達にもやっぱりなんかあるのかもしれない。


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