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新学期が始まる前にルースやウィル、ノアにエヴァと再会したので作ったアミュレットをプレゼントした。聖女関連の事は話してないけど、まぁ本当にそんな力があるんならそのうち効果が目に見えてわかるようになるんじゃないかな。

エヴァに関してはおそろの物持ちたかっただけなので防御の力を持つものだ。


一番敵に回したくない男代表サミュエルにはまっっっ先に渡したよ!あとイザベラも欲しがったのであげた。


そして、新学期を迎えたのだが、マリアが一つ微笑むだけで大半の男は頬を染め、言うことをほとんどなんでも聞いてしまうのである。そんなに経ってないのに明らかに悪化していた。というか、十二、三の子どもが色気付くんじゃない。

……あ、あくまでその……十八禁的な意味合いの色気付くなですからね!?



「何故、殿方は自分の立場も理解せずに……!」



デイビス公爵令嬢オリビア様は扇をミシミシといわせながらマリアの取り巻きを睨んでいらっしゃった。いやー!せっかくの美少女がー!!

マリア自身にも注意はしているようなのだけど、彼女が注意されても周りの男が不思議理論で追い払ってしまうのだ。醜い嫉妬だとか、羨ましいのかとか何言ってるのか。どこをどう見たってオリビア様の方が可愛いし美しいだろうが!?目ぇ腐ってんのか!!


でも、幸いというか第一王子ルーカス・ロンゴディア殿下とその御学友で騎士団長の息子であるウィリアム・アスール伯爵令息様、あと意外にもエイダン・ガルシア伯爵令息は引っかかっていない。

なお、エイダンが伯爵令息なのは、彼の父親……伯父がこの国で成果を出した優秀な人材であり、祖父の悪事を暴いた人間であるとはいえ、赤の魔女を把握できないようにしてしまった事や家自体で責任を取らないわけにはいかなかったため、降格という形になったらしい。

ハーバーも悪質だったのになんか全然罰受けてない。おかしくない!?


マリアが目立つので、平民の私や侯爵家を追い出されたノアが目立たない……と思ったけどそうでもなかった。

ノアはまだやり返してるけど、女子側はなんかマリアに対する鬱憤まで晴らそうとしてるのか当たりがキツい。避けてはいるけど。


避けてはいたんだけど、魔法の授業で結構多くの人が「平民にならある程度何しても許される」と思ってるのか一斉攻撃を受けた。リンチじゃないの。

下位貴族ほど、マリアに何も言えず婚約者はマリアの味方というヤバめの状況に思考が曇っていたところもあるだろう。

こうして私は保健室に担ぎ込まれることになったのである。


気を失っていて気がついたのが夕方。一日分の稼ぎがパァである。悲しみ。

起き上がるとすっごい身体が痛くて、ポーションがぶ飲みが決定した。自分で作れるとはいえ、嬉しくない活用方法である。


痛みに耐えながらポーションを飲み込んでいると、「やめろ、来るなァ……!」という大きな声と共に大きな音がした。何か割れた音もする。

保健室は薬剤を置いている都合で記録鏡という鏡型の魔道具が置いてあるので、誰がやったとかは記録されている。私がやったとかは思われません。ほっ。

なお、過去に何かあったらしくベッドがある側にも一応付いている。なんだろう。襲撃かな?


助けなきゃいけないかなぁ?と悩んでいたところ、あまりにも悲壮な声を出すので、とりあえずかかっていたカーテンをガラッと開くと、高等部の制服を着てマリアにのしかかられたオレンジ頭がいた。



「あら、起きちゃったのね。ざぁんねん」



くすくすと笑って、彼女は保健室を出て行った。何があったの?

私も出ていこうと思ってドアに向かうと、ガチャリと鍵のかかる音がした。


あれ。



「なんで、死んだはずの貴様がここに居る……。愚かな橙の魔法使い()を笑いにでもきたのか」

「待って待って、私もちょっと混乱してるから落ち着こう。待って……えっ……瞳も……えっ……本当だ。橙だ!?」



同類最後の一人を見つけてしまって、ちょっと黒のアイツが脳裏に過った。


拝啓、我が友よ。

同類ってどの程度遭遇率があるものなの?

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