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聖女って一体どんな物騒ジョブなの!?

そんなことを考えていたのがバレたらしく、イザベラはクスクスと笑っていた。



「聖女というのは、元々、カリスマ性があって剣や癒しの魔法が得意な女性が、行動の結果そう言われたことが始まりです。そして、始祖の時代や国が建って初期はともかくとして、近代に近づくにつれ別の側面を持つようになります」



確かにそれにプラスして神聖な……というかそういうイメージだ。別の側面といえば、何だろうか。カリスマ性あたりの暴走?



「聖女が生まれる時代というのは、災禍を被る時代だといいます」

「災が起こるから、それを防ぐために聖女が生まれるという事か」

「えぇ。聖女の祈りには瘴気を取り込んだ<災厄の獣>と呼ばれる存在の力を弱める作用があるのです。ですが、一方で聖女には異性を惹きつける力があるようなのです。おそらくは、災厄の獣を倒すための聖女を死なせないようにするためでしょうね」



だから、悪役令嬢はいくら生い立ちがアレでああなったとしても情状酌量の余地なかったのね……。死んだら新しい子が生まれるだけだしね。

そして、聖女は逆にその災いが起こる時代にいなければ意味がないから大切にする必要が……もっと善性の生き物にチェンジできない?無理?

それにしても異性を惹きつけるなんて悪役令嬢よりもよっぽど悪女っぽい気がする。



「当時の橙の魔法使いはそれに引っかかってしまい、当時婚約していた女性と婚約破棄の騒動を起こしました。そして、その女性は……蒼の魔法使いの妹だったのです」

「蒼の魔法使いは引っかからなかったのね」

「……蒼の魔法使いの能力的な物で、彼には精神魔法が掛からないのです。彼は、貶められた妹を守るためにあくまでも法的に戦いました。結果、聖女を得るために橙の魔法使いが裏の仕事にまで手を出していたことが表沙汰になり、その一族は滅びました」



聖女、超危険人物じゃないの……。



「後に、当時の聖女の信者も望んだため詳しく調べ直した結果、聖女と呼ばれる女は固有魔法として魅了の魔法を持っているということがわかり……現在ではそれがきちんと伝わっている家では魅了を防ぐための魔法が各々にかかっております」



乙女ゲームとかの裏側って大体こういう感じなのかもしれない。でも、それならあの物語はどうやって成立したんだろうか?やっぱり、ヒロインそれなりに魅力的だったのかもしれないけど、私が知ってる限りでは激ヤバ女だし。

……原作では悪役令嬢私が度を超してヤバかったから、原作ヒロイン綺麗に見えただけなのかもしれない。



「我が家も赤とはそれなりに争ったこともありますのよ?」

「黒もあるらしいよ。というか、赤は苛烈だって聞くから、全部の家と争ったことはあるんじゃないか?先先代も先代も大人しい人だったらしいし、レオノアは妙に型破りだし、どう判断していいか分からないけどね」



あー、私がアレなのは転生のせいだからー!!でも、先先代も先代も大人しかったって何かあったのかな?まぁ、もう関係ないからいいけども。



「聖女ってもしかして、ピンク色の髪と目?」

「いるのか!?」

「……一年のハーバー侯爵令嬢ね」



その通りである。真っピンクな彼女はゲームにおいてはヒロインだった。あんまりアレをヒロインだと思いたくないけど。だから、そうなのかなって。



「そうだ。聖女はアマランサスの髪にマゼンタの瞳を持つと言われる。まぁ……要するに真っピンクだ」

「年々、魅了の力は増すと言われています。知り合いの殿方には早いうちに破魔や防魔のアミュレットを渡すことをおすすめいたします」



身内以外は興味ないから、とりあえずルースとウィルとノア……それからサミュエルにはやっておくか。エイダン?アレをどうこうするのは私のお役目じゃないし、サミュエルにも言われてるから放っておくよ。

あとは、エヴァやこの碧の魔女とお揃いのアクセサリーを作ってもいいかもしれない。サミュエル鬼の夏季特訓のおかげで魔石はそれなりにあるのだ。



「何を考えているんだ?」

「いや、そのアミュレットを作ってみよっかなって。ほら、私も一応駆け出しとはいえ錬金術師な訳だし」



錬金スキル使うのが楽しみで仕方がない。だってせっかく良いお買い物をしたんだもん!

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