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りんごの怪談記録メモ~怪談話の謎を解け!~  作者: たかしろひと
第3章
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雨の日の置き傘11

通されたのは普通の教室の半分くらいの広さの部屋だった。真ん中に大きさの机が置かれ、その周りに椅子が何脚か。

面談用の部屋か? 塾にそういう場所があるのか知らないけど。


「座って」


 現れた大賀さんに促されて、僕と梨郷は並んで座る。

 彼女はクーラーの電源を入れて、僕達の目の前に座った。


「それで? 何か聞きたいことがあるのよね?」


 とか言っておいて、僕が聞きたいことが大体わかってるんだろうな。


「この噂を広めたのって大賀さんなんですか?」


 単刀直入に。


「田中さんに聞いたの?」


「そうです」


 露ちゃんが怒られるなんてことはないと思う。

 大賀さんは腕を組んで、背もたれに背を預けた。


「まあ、そうよね」


 ため息を一つ。


「茅部君、残念だけど今回、君の出番はないわよ」


 梨郷は首を傾げた。この言い方、彼女には真相がわかってるんじゃないだろうか。でも犯人ではないのだろう。

 この謎の噂を広めた目的は何か? 多分、色んな人に認知させるためだ。授業で話をすれば広まるしな。

子ども達が騒げば、講師もおのずと巻き込まれ、話が大きくなっていく。


「出番はない、ですか。……真相が全部わかってるとしたら、なんで解決に動かないんですか」


「え!? 尚わかってるの?」


「僕じゃなくて、この人だ」


 余裕の表情だし、言い切って良いだろう。


「ええ、もちろん全部わかってるわよ。気になる?」


「わかってるんですか!?」


「事情から状況から、誰がなんの目的で何をしているのか、全部わかってるわ」


 僕は思わず脱力した。


「一体何が目的なんですか?」


「潰そうと思ってるの」


「つぶ……?」


 梨郷が不思議そうにする。

 理解させようとしてないのは明らかなんだけど、なんか不穏だ。


「真相が知りたいなら、見てみる? 少なくとも田中さんと梨郷ちゃんは知りたいんでしょ?」


 僕と梨郷は顔を見合わせた。



 大賀さんはそれ以上何か話すこともなく、次の講義へと向かった。

 自販機のある休憩スペースが空いていたのでそこのベンチで露ちゃんが出てくるのを待つことに。テーブル席も空いてたけど、塾生の勉強の邪魔はさすがにまずい。


「ねえ、どういうことなの? 全然わからなかったんだけど」


「んー」


 傘の件、夜中に塾内で行われている何かを生徒に広めて粛清しようとしてるってところだろ。十中八九良くないことなんだろうけど。


「まあ、あの人が見せてくれるっていうんだから」


 こいつと露ちゃんを連れて行って大丈夫かな。でも大賀さんが言うんだからいいのか。腐っても塾講師だからな。

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