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りんごの怪談記録メモ~怪談話の謎を解け!~  作者: たかしろひと
第2章
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夜の廊下で足音が1

 夢は見ていなかったが、体が揺り動かされる感覚に、僕はふと目を開けた。

 ……ん?

 真っ暗な中、かろうじて自分の部屋の天井が見える。

 いや、凄く眠い。なんで僕は起きたんだ?

 寝ぼけているせいか、よく分からない思考になる。


「ちょっとっ」


 紛れもなく梨郷の声にはっとする。

 顔を横向きにすると、梨郷が僕の体を揺さぶっていた。


「……トイレか」


 やっぱり来たか。まったく、予想を裏切らないやつだな。


「そうだけど、そうじゃないのよ」


 僕はゆっくりと体を起こした。じんわりと汗をかいていることに気づく。タイマーをセットしてたから、冷房は切れてしまっているようだ。


「そうじゃないってなんだよ」


「廊下で足音がしたの」


「……誰の」


「知らないわよっ、ていうかこの家には私とあんたしかいないんでしょ? なのにさっきから廊下を歩き回る音がするのっ」


 歩き回る音……? いや、しないけど。


「夢でもみてたんじゃないか?」


「い、今はしないけど、私が寝るとするのよ! ていうか、トイレ付き合って」


 トイレ付き添いの言い訳か?

 まぁ、いいや。

 僕は梨郷を連れて、自室を出た。


「おい」


 腹周辺にべったりくっつかれると、動きづらいし歩きづらい。


「何よ、良いじゃない。ケチって電気をつけないから悪いんでしょ。知らない家の真っ暗な廊下を歩く身にもなりなさいよ」


 キレまくってるなぁ。


「どんな足音だったんだ? 動物か? ネズミならたまにいるぞ」


「ネズミ……。とん、とん、とんて感じの音。後、なんか他にもよく分からない音がしてたのよ」


 とん、とん、とん? じゃあ、歩き回ってるやつは靴を履いてるのか。ヒールとか革靴とか。


「あっ」


 唐突に声を上げた梨郷は足元を見ていた。


「どうした?」


「なんか砂みたいのを踏んだわ……」


 砂? 確かに廊下がざらざらするような。

 はらしゃがんで床を触ってみた。何か細かいものが散らばってる?

 今度こそ泥棒でも入ったか? 


「きゃっ」


「今度はどうした?」


「む、向こうに……」


 指を指す梨郷。


「赤い光が見えたわっ」


 尋常じゃないくらい、声が震えていた。

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