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りんごの怪談記録メモ~怪談話の謎を解け!~  作者: たかしろひと
第2章
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お化け屋敷の中で4

石井、野上、天川の男三人組と男性スタッフ(首から提げているネームカードは『赤城』となっている)、カップルの久野さん、計四人は焦りの表情。

 永友さんと女性スタッフ(首から下げているネームカードは『相野』となっている)の二人が困惑したように僕を見ていた。

 僕、おかしなこと言ってないよな? さりげなく幽霊の存在を否定しつつ、現実的な提案をしたのだ。

 ……まさか全員グルか? 何らかの理由で大賀いづみに対し、幽霊騒動を仕掛けた?

 いや、この反応の違いはもう少し考慮すべきか。壁時計を見上げると、十二時まで後十二、三分と言ったところだった。


「お巡りさん」


 ドアが開いて、白衣姿の男性が顔を出した。医療スタッフだろうか。


「大賀さん、大分落ち着きました。どうします?」


「ふむ。では先にお話を聞きましょう。皆さんは引き続き待機でお願いしますよ」


 お巡りさんはそう言って医療スタッフと共に出て行った。

 本当に長くなりそうだ。

 そして梨郷がそわそわし始めたので、僕は彼らへ視線を向けた。


「なんだか、大変なことになりましたね。皆さんは……大学生ですか?」


 社会人もいると思うんだけど。

 バイト中のノリで愛想よく聞いてみると、この場の雰囲気が少し和らいだ。


「俺らは大学二年。天川だけ一年。お前らは?」


 野上さん、初対面でお前扱いかよ、と思ったけどまあ、良い。


「僕は高校生でこっちは小学生です」


「妹さん? かわいー」


 破顔した永友さんの問いに曖昧に笑って返す。梨郷も会釈をした。

ほんと、スイッチが入ってない時は人見知りだな。服の裾を掴まないでほしい。


「俺達は社会人一年目です。俺が二十三で彼女が一つ下ですね」


 久野さん達は予想通りだったな。


「スタッフさんは?」


 僕が問うと、二人は目を瞬かせた。


「わたし達もですか?」

 

 困惑した様子の相野さんに僕は頷く。


「はい」


 二人は顔を見合わせた。


「えーと、この公園の管理会社に所属しています。今回は大きなイベントだったので駆り出されてしまって」


 赤城さんがそう答えてくれた。


「なんなんでしょうね、幽霊って。僕はあんまり信じてないんですけど」


 皆の顔色を伺う。


「俺はいると思うが」


 そう口にしたのは石井さんだった。


「俺もっす」


 と、天川さん。

頷きつつ同調する男子三人組みで、久野さんも頷いていたのでまあ、そういうことなんだろう。

こいつらは幽霊の存在肯定派のようだ。


「んーあたしも信じないけどね? 幽霊見たことないし」


 永友さんの発言。そして何度も頷く相野さん。

 女子は否定派だな。

 つまり、市ヶ谷憲二を幽霊が連れ去ったということにしたいのは男勢で、幽霊の仕業じゃないということにしたいのは女子ってわけだな。

 さて次の質問だ。

 お巡りさんさんが戻るまでに、なんとかヒントを見つけたものだ。

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