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りんごの怪談記録メモ~怪談話の謎を解け!~  作者: たかしろひと
第2章
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お化け屋敷の中で3

 不意に服の裾を引っ張られ、振り返る。


「どうした?」


 隣の梨郷が僕を見上げていた。


「尚、時間が」


 ん? 僕はスマホの画面をつけた。時刻はすでに十二時近い。そういえば、梨郷の出演時間は一時半だったか。


「何時に入れば良いんだ?」


「十二時って言われてる……」

 

えっ、これから長くなりそうっていうのにか?


「お前、早く言えよ。なんで黙ってるんだ」


「だって、目立ったらバレちゃうかもしれないし」


「そんなわけないだろ。褒めるわけじゃないけど、お前に変身具合は完璧だと思うぞ」


 メイクの藍沢さんの腕が凄いんだろうけど。


「知らないの? フェスのチケットは会場内では身分証明の代わりなのよ?」


「身分て、大袈裟だな。名前書いてあるわけじゃないだろ」


「私、チケット持ってないのよ。持ってるのは、出演者、サクラキリメとしての証明書。だから、チケット見せてって言われたら」


 ああ、それはバレるか……。不法侵入じゃない確認はするかもしれないな。


「うーん。そうか、チケットなしで無料なのは小学生未満だったもんな」


「失礼ねっ」


 僕は梨郷の頭を撫でた。


「わかったよ、なんとかしてやる」


「へ?」


 要は、このお巡りさんの前で解決してしまえば良いんだ。それで即解放される。

 じゃあ考えよう。

女の幽霊はともかく、一人の人間が狭いお化け屋敷内で消えた……なんてあるわけない。絶対に何かトリックがあるはずだ。まず、疑問に思うべきなのは市ヶ谷憲二という男性の存在だ。今のところ、彼女である大賀いづみの話の中にしか出て来ていない。本当に、そんな男性がいたのか? そして、この騒ぎを引き起こした動機はなんなのか。

ちなみに客かスタッフの中に共犯者がいるのは確定だ。


「あの」


 僕は恐る恐る挙手をした。多少戸惑ってる演技は必要だろう。


「何かな、少年」


 お巡りさんを含む、この場の全員が僕へ視線を向けた。


「市ヶ谷さんてどんな人なんですか? 消えたって話ですけど、さっき野上さんが言ったように自分で逃げたならまだ会場の中にいるかも……他の運営のスタッフさんに連絡して手分けしながら探してもらうのも手じゃないですか」

 その場がシンとなった。

 お巡りさんが顎に手を当てる。


「確かに」


 すかざず客やスタッフの顔色を見る。さあ、共犯者はどういう反応をする? 少なくとも、犯人は市ヶ谷憲二が女の幽霊にさらわれたということにしたいみたいだからな。現実的な提案をされるのは嫌だろう。

 しかし。

予想外なことに、彼ら七人の表情はそれぞれ二種類に分かれていた。

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