序章
いつも遊んでるあまり大きくない公園、あるのはシーソーとブランコと大小のすべり台そして中央の大きな木、木の種類はわからないがとにかく大きくて、よく友達と木登りをして遊んでいる。
今いるのは木登りをしている僕と下で両手を組んで祈っている幼なじみの二人・・・そして僕の目の前に体が震えている小さな三毛猫が一匹。
漫画とかでよくある猫が木に登ってしまい降りられず幼なじみに助けてくれと頼まれた状況である。
多分僕がいる高さは今までに登った中でも三本の指に入るぐらいの高い記録だと思う。
普段感じない強さの風が強風に感じられる位枝を揺らす。
手を伸ばせば子猫に届きそうなところまで来たのだが、ここで鈍い音と共に木が折れる。
ものすごい速さで僕と猫、そして折れた細長い枝が落ちる。
僕は目をつぶる。
ありえない高さから落ちているのだ助かるわけがない。
『地面に引き寄せられる』そう感じられる。
‘ふわっ’
体が一瞬浮いたように感じて思わず目を空ける。
そこには、女の子座りで泣いている幼なじみと血まみれで首が変な方向に曲がっているさっきの子猫が見える。
僕はその光景を見て呆然と立ち尽くしている・・・