表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/54

2、こんにちは異世界さん

毎日投稿2日目です。

今日もよろしくお願いします。


 しばらく浮遊感に襲われる。意識ももうろうとして気持ち悪い。本当に今日は最悪の日だ。しばらくして周りを見渡すほどの余裕ができたところで現状の確認。空は青い。心なしか太陽もいつもより明るく感じ、青々とした木々がそよそよと風になびいている。イメージ通りと言ったらその通りなのだがその通り過ぎて面白くない気もする。

 自分の顔が変形していないかも一応確認。いつも通りのボサボサ頭にパッとしない顔だが、目が何考えてるかわからないとよく言われる輝きを失った黒色で、べつに髪色とかも変色しておらず黒色をしていた。

「そういえばあいつどこいった?」

 一緒に来たはずの青白い球体の精霊が見当たらない。

『ここです、マスター。』

「うおっ!急に出てくんなよびっくりするなぁ〜もう。」

『普段はマスターの影に同化していますので離れることはありません。』

 やっぱりこいつ俺の話聞かない傾向にあるのか、イマイチ話が食い合わない。

『わたしのことはバディと呼んでください。』

「そうか、ところでここから一番近い街までどのくらいあるんだよ。」

『道なりに約3キロといったところです』

「オッケー、だいたい五分で着けばいいかな。影の中入っとけよ、置いていかれるから。」

 少し準備運動をしてから氣をまとい疾走する。景色が前から後ろに流れては消え流れては消えいった。

「よっと、ついた。」

 少し肩で息をしながら検問の少し前で止まる。

「検問…もちろん金取られるよな。バディ。」

(『いえ、あそこでは怪しいものを侵入させない様にしているだけなので金を取られる心配はないかと』)

 こいつ直接脳内に。まぁそれなら普通に入れるかと思ったが、大きな問題があった。

「〜〜〜〜〜〜」

 そういえば言葉分からないんだったな。

(『この街に来た理由を尋ねられています。とりあえず次のように答えてください。〜〜〜〜〜〜』)

「〜〜〜〜〜〜」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

 次はなんだよ。

(『良き旅を的なことを言っています。』)

 じゃあもう入っていいのか…

 まぁこうしてなんとか入れたわけだが…金なし、土地勘なし、住居なしの三点セット。働こうにもしゃべれんし文字も書けん。一体どうしたものか。そう思いながらブラブラしてると細い路地で何か揉め事があったようで、少し見てみると男女四人が言い争っていて若干女子が押されている感じになっていた。

(大変そうだなこの世界で生きるのも。)

『助けに行かないんですか?』

「俺はそんなお人好しじゃないからああゆう面倒なのは見て見ぬ振りが一番だよ。」

 そう立ち去ろうとした時、誰かに呼ばれた気がするが無視。しかしその声は次第に近くなり、襟を掴まれる。

「〜〜〜〜〜!」

 そこにいたのはさっき揉め事に巻き込まれていた赤髪のショートカットの女子と銀髪のロングでメガネをかけている女子の2人だった。

「〜〜〜〜〜〜!」

 あーうん何いってっかわかんね。

 何食わぬ顔で立ち去ろうとすると回り込まれてしまう。

(『翻訳しなくていいんですか?』)

 お前いつの間に影に隠れたんだよというツッコミは無しにしてバディの意見を否定する。だってこれ確実にめんどくさいやつじゃん。

 何も言わずに黙っていたらいきなり殴りかかってきた。

(言葉が通じないからって拳で語ろうなんて無茶苦茶な女だな…)

 かわせないこともないのでかわしていくと急に相手の動きが良くなる。まぁかわせるから問題ではない。

(『力魔法ですね。魔法によって自身の力をさらに向上させる魔法で、速さや力が主に上昇します。』)

 やっぱバディのこの能力超便利。しかし魔法を使って自己強化とはなんかファンタジック。でも上昇してこれとは…あまり強いものではないかしれない。

 あいての突きを受け止めて手首に持ち替え噴水に向かって全力でぶん投げる。

「白…か…」

 その後大きな水しぶきが飛び散り何人かが心配して近寄っている

『マスター、変態です。』

「しゃあないしゃあない。男はみんなそうだ。」

 そんなこと言いながら街をぶらぶら歩いていく。

 ♦︎♢♦︎

 気づいたら噴水の池でぷかぷか浮いていた。こっち見たくせに助けなかった男に腹立てて一発ぶん殴ろうと思って殴りかかったはず。そしたらなぜか体は宙に舞ってそのまま噴水にダイブしていた。

「ほらやっぱりやめたほうがよかったじゃない。」

 銀髪の妹が呆れたように話しかける。

「うるさい。こうなるなんて誰が考えるわけよ。」

「私。」

「絶対後ずけ。あーもう!今日は最悪の日!苦労して取ってきたアイテムは売れないし、そのせいで変なのに絡まれるし、挙げ句の果てに噴水に投げられるし!」

「落ち着きなさいよ。まずは先にお風呂でも入ったら?」

「そうする…」

(姉のこの屈辱はいずれあの男に返さなけばならないわね…)

 銀髪少女は心にそう誓う。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ