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13、ダチのための一発

13話です。

この話を公開して後悔しています。

航海はしていません。

今日はよろしくお願いしなくていいです。


「でよ、あいつの家ってまじでやばいらしくて、父親とかアル中らしくて。」

「まじかよ!やっぱガキがアレなら父親もやばいやつだな。」

 よくもまぁ俺のダチを襲っておいて呑気に残れるものだと思う。これから自分たちがどうなるかも知らずに。

「じゃあテメェらの親はどうなんだよクソガキどもよ。」

「あ?誰だよお前。」

「こいつ、黄月生徒会長を倒したってやつじゃね?絶対そうだ。」

「あ、あの初日から生徒会のツートップに喧嘩売って二人ともボコボコにしたって言うあいつか。てことはこいつ倒しゃ俺がこの学園でトップじゃん?」

「いや、やめとこうぜ、こいつはあいつと違ってまじでやばいって。魔法の類が一切効かないって話だぞ。」

「魔法の類が一切効かないっていうことはよ、殴れば別に問題なくねぇ!」

 そう言って素人丸出しのクソみたいなパンチを当てようと殴りかかってくるが当然当たる道理などない。

「テメェらが、グロンをボコしたのか?」

「あ?ボコしてなんてないさ、生徒会から直々に矯正してやっただけだよ!クッソなんであたらねぇ!」

 矯正?あれが?どうやら生徒会もイジメに加担しているという情報はあいつ自身のことを指していた。しかしあれが許されているから恐ろしい。本当にここの教師は無能しかいないのかと本当に呆れる。それともここにいる大人全員がこんな奴らなのか。疑問にすら思う。聞きたいことも聞けたのでそろそろその矯正とやらをこいつらにしてやらなければいけない。手始めにジョルトカウンターを相手の顔にかましてやる。

「ぎゃぁぁぁぁ!いてぇ!いてぇよちくしょう!」

 カウンターの衝撃で床に叩きつけられそのまま床を転げ回る。普通のパンチ一発でこのざまのクソガキが人を殴る資格なんてない。この際もう二度とこんなふざけたことができないよう半殺しにしておく必要があるかもしれない。

「こいつ生徒会に逆らいやがった、もうお前の学園での生活は終わりだな!」

「別に終わったっていい。テメェらが苦しんでくれるならな。」

 あぁ、今ならやめてやろうと思ったが半殺し決定だな。腰巾着にも一発かましてやる。

「ぐぁ!こいつ、本当に退学になりたいのかよ!」

 本当に話にならないくらい弱い。弱すぎる。今のパンチ一発くらいで喚くヤンキーなど向こうで一人もあったことはない。なのにここの奴らときたら殴られる覚悟もないのにグロンをボコしていたとは。ゴミ以下としか言えない。

「とっとと起きろよこのゴミが!」

 腹を蹴るが叫び声が出てくるだけで立ち上がろうとも何もしない。襟を掴み無理やり立たせ顔面に一発食らわせる。また床に倒れ振り出しに戻ってしまう。

「おいおい、いつまで這いつくばってんだよ?こっちはテメェらを半殺しにするまでやめる気は無いんだ。さっさと立ちやがれ。」

 もう返事すらもないので腰巾着の方に狙いを変える。

「お前はちゃんと俺の相手してくれるよなぁ?」

「ひっ…ぐぁぁ!」

 右、左、アッパーカット、左回し蹴り。たったの4発で相手は地面に這い蹲り許しを請うような態度。そんなものはいらない。それよりお前らが苦しんでいる姿が見たい。もっと、もっと苦しんで、ここからいなくなれ。

「ひっひぃぃぃ!たっ…たすけてぇぇぇ!誰かぁ!誰でもいいです!お願いです!助けてください!誰ぐぁ!」

 煩いので喉仏を潰す。それでも相手はかすれた声をあげ、助けを請う。

「そんなもんこねぇよ。」

 髪を掴み何度も床に叩きつけると徐々に床が赤くなっていく。白いものがカツンと音を立て落ちていった。それきり相手はピクピクと痙攣するだけで何の反応も示さなくなる。

「ちっ…反応がなきゃ半殺しにする意味がねぇよ。」

 今の叫び声に気づいたのか、体育教師並みのガタイのいい教師が入ってくる。

「何をしている!」

「あぁ…先生…た、たすけてください…せ、せんせぇ…」

 何が助けてくださいだ。そっちからやってきたくせに。

「ひどい怪我じゃないか、誰にやられた。」

「くっ…ははははははは!あはぁあっはっはっはっはっ!!この状況で誰にやられたか?なぜそんなものを聞く!全くわからないねぇ。茶番だとしても酷すぎる!」

「お前か!トカゲ!」

「だから下手な茶番はやめろっつてんだろ!」

「なんだと?教師に逆らうとは何事だ!」

「無能が偉そうにピーピーピーピー喚いてんじゃねぇ!」

 そう聞くと教師の顔はより一層険しくなる。

「どうやら口で言ってわからないようだな。学園の規則により貴様は1週間の出席停止だ!」

「たったの1週間かよ?どうやら本当に無能ばっかりのようだな、ここの学園の教師は!」

「貴様〜!さらに重い罪を課さなければ気が済まないのか!」

「どちらかというとお前にすがってるその芋虫の方がそれを望んでいると思うがな。」

 鼻水やら涙やらよだれやらで大変なことになっている男を指差す。

「そうです!もっと重い罪を貸してください、先生!」

 ここまで来て他力本願とはどんな冗談だとおもう。

「ちょっと待ってください!先生!」

 と、そこに飛び込んできたのはさっきまで肩で息しながら地面に突っ伏していたはずの黄月であった。

「トカゲ君は彼ら二人に怪我を負わせましたが彼ら二人はそうなるべくのことをしています!だからそれ以上のことはどうかご勘弁を!」

 また一人で美味しいとこ全部持ってこうとしてるし。本当にちゃっかりしてるなあいつ。

「生徒会長が、なぜあいつの肩を持つのかわからんが、被害者2人がこうなるべきだったというのはどういうことだ?」

「あの二人は一人の生徒を矯正と言いながら、ボコボコにしています。それが彼の逆鱗にふれてそうなりました。」

「それはそうなるような態度をとる生徒の方が悪いのではないか?」

 耳を疑った。そうなるような態度をとるグロンの方が悪い?何言ってんだ?どう見たってあいつのはやりすぎだ。

「それはそうですが、それにしてもやりすぎです。矯正の域を超えています。」

「だとしても、それは生徒会を仕切る生徒会長にその責任があるんじゃないのか?」

 ふざけてる。無能どころかこれじゃ無脳だ。そんなことしたらあいつらの思う壺じゃないか。

「それは、そうかもしれませんが…」

「もういい黄月。帰る。」

「お前、簡単に帰れると思っ…」

「手刀一発食らわせれば簡単に帰れる。」

 男性教師は地面に倒れこみ気絶する。

「こいつ、先生にまで手を出してただで終わると…」

 殺気を込めてゴミ虫を睨みつけると泡を吹いて男性教師の隣に仲良く倒れ込む。

「じゃ、後のことよろしくー。」

「後のことって、君のことじゃないか!」

「生徒会長にも責任があるって言われたのにそれかい?」

「ぐっ…」

「じゃあな。俺は帰るぜ。」

 もう日はだいぶ沈んでいた。あの後俺のところに来た書類には二週間の出席停止だということが書かれていた。黄月はこのことに関しての反省文を書かされ、あの二人は被害者として大切の扱われたそう。やっぱ殺しておけばよかったと今更だが思う。それはそうと出席停止中は班での活動に必要な資料をまとめておこう。

「ただいまー。」

「おかえりリン。」

 主席停止から数日後、リンが帰ってくると後ろには二人の客がいた。

「お邪魔します、トカゲ君。」

「お邪魔しまーす。」

「なんで黄月と赤夏が来てんだよ…」

「だってトカゲが居ないと特訓してあげられないでしょ?」

「まぁ、そうなんだけど。他にもあるはずだよな。」

 そういうと黄月が話し始めた。

「まず、あの二人についてですが、私の方からは何もできませんでした。生徒会の職を下ろすことも、グロン君に謝罪させることも。」

「んなこたぁわかってる。それよりもっと頭にくることがあったんじゃないか?」

「はい、生徒会の規則に目を通してみたのですがどれも生徒会がいいように作られているんです。なので今回のようなケースは少なくなかったのではないかと。」

「まぁ、そんな気はしていた。そもそもこの国の法律がそんな感じだからな。」

「そのことについて詳しく聞きたいのですが。」

「まぁまずは上がりたまえ。俺の部屋でゆっくり話そう。」

「トカゲの部屋…」

 なんか一名俺の部屋っていう単語に反応したやつがいるが無視。

「ここがトカゲの部屋かぁ〜。」

 入って早速嬉しそうに我が物顔で赤夏が俺のベットに座る。

「うーん、この布団固くない?寝てて苦しくないの?」

「そんなこと話にここに来たのかよ?」

「あはは…ごめんなさい。調子乗りました。」

「まぁ本題に入るがこの国では魔法というものは理不尽な規制がなされている。まず最初に魔法禁止令がわかりやすいか。これは貴族よりも身分が下の者又は、貴族以上の者の許可を得ずに魔法を使用、研究したものは罰せられる、という条例だ。こいつのせいで貴族たちは農民たちに重い税をかけても反撃されないし、されても返り討ちに出来ると色々悪用されている。」

「なにそれ、それじゃ農民の人たちが不憫だよ。しかもこの世界じゃ魔法がなきゃ不便だし理不尽すぎるよ。」

「まぁそこで出てくるのが魔力結晶を使った魔道具なんだがこいつは攻撃に転移できるほどの力はない。だから使用が許可されてる。」

「しかし魔力結晶って一個だと相当な値段がすると聞きましたが…そんなものを庶民が買えるのですか?」

「あぁ。だいぶ小さいものだから値段も安くなってる。それでも大きな買い物だがな。」

「でもギルドとか学園だと普通に魔法使えるよね?それってなんで?」

「国から許可されてるからに決まってんだろ。だからギルドの試験は国家試験と同じぐらい重要なものになってる。」

 話を続ける。

「それ以外にも貴族よりも身分が下の奴らに理不尽な規制がなされていたりするがそれは自分で調べてみてくれよ。」

「あとは丸投げなのね…」

「と言ってもほとんど学園のものと似たようなものだけどね。」

「なんだ、黄月も気づいたのか。」

「はい、あの後生徒会の規則を見直して見たのですがどれも国の法律をもとにして作られている節が見られたので学園での行動で罰せられることは大抵国でも厳しく罰せられるようです。」

「と、ゆうことは学園の規則も理不尽に作られてるってこと?それってあんまりだよ…」

「いや、そこまで理不尽というわけではないよ。まぁ上下間の差が激しいといった意味では理不尽な部分もなくはないけど…」

「なにそれ!変えるべきだよそんなもの!」

「無理だな。みんなそれが常識としてやってきたわけだから誰も賛成しない。だからと言ってお前ら二人だけで動かせることでもないがな。」

「詰みって奴ね…」

「まぁギルドにでも入れば楽できるんじゃないか?あそこは庶民でも魔法が使えるようになるとこだから、ちゃんと勉強して入れるよう頑張れよ。」

「気にくわないですが結論としてはそうなりますね…現に所属していますが。」

「んじゃ、話は終わり。これをサナンに渡しといてくれ。班の活動に必要な資料だ。」

「わかりました。これをサナンに渡せばいいんですね。」

「ああ。頼んだよ。それじゃやることもやったし特訓でもしますかね。」

「えっ、学園以外でもやるの?」

「当然だ。その方が時間に縛られない分思う存分できる。早速前回の続きだ。」

 黄月はそんなでもなかったが赤夏はすごく嫌そうな顔をしていた。


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