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修羅場ってみた~テンション高め?バージョン~

作者: ピヨ子

以前書いたものを少し修正したものです。

 私の名前は相田京子。隣のクラスの橋本と付き合ってるんだけど、その彼氏が浮気してるという噂が最近出回っている。

 友達が今日も二人でいるのを見かけたとかイチャイチャ手を繋いで帰っていったのを見たとか教えてくれたり、早く別れたほうが良いとか言ってくれるけど正直言ってめんどくさい。浮気なんだからこそこそやれよ、とか思いつつ放置していたら、今日彼氏が浮気相手の女の子とともに私の教室にやってきた。



「きょ、京子ちゃん今時間ある?」

 私の席が廊下側の一番前であることを今ほど呪いたくなった瞬間はないかもしれない。もっと奥の方だったら橋本はチキって話しかけてこないのに。あー、教室のみんなの視線が痛い。こそこそ話してるの丸聞こえだよ。なんでこんな目に遭わないといけないのか。やっぱりめんどくさくて放置したのが悪かったのか。いや、でも橋本よりも重要なことが沢山あったから仕方ないじゃん。本読んだり、ドラマ見たり、ベッドでゴロゴロしたりとか。


「時間はあるといえばあるけど「じゃあちょっとおはなしきいてくれる??」……ないっちゃない」

 橋本達に割いてる時間はないんだけどなー。ってか突然浮気相手が会話に入ってきたことに驚いて声が小さくなってしまったため、橋本達には後半が聞こえてなかったようだ。もう許可がもらえたと思ったらしく、二人で手を繋いで歩いていってしまった。仮にもまだ彼女である私の前なんだからもうちょっと隠す努力をしてくれ。



「これついてかなきゃダメなパターン?」

「明らかそうでしょ」

「早く行きなよ」

「後で感想教えてね~、あっ録音してきてくれてもいいよ!」

 誰も私を助けてくれる人はいないらしい。薄情な奴らである。バッグに物を詰め終え、ついていこうとした時誰かにとんとんと肩を叩かれた。振り替えると隣の席の中村だった。普段は無口な彼がもしかして私を慰めてくれてるのだろうか。

「な、なかむら!!」

 感動で泣きそうになった瞬間、中村は親指を立てていい笑顔をくれた。お前がそんな笑顔を浮かべているのは初めてみたぞ。後で覚えとけよ。教室を出るときに少し扉を閉めるのに力が入って変な音を立てていたが仕方のないことだと思う。



 さてと溜まった鬱憤をあいつらで晴らすとしますか。私の舌が火を吹くぜ。顔が少し険しくなってるせいか廊下にいる生徒達は私を見たあとすぐに顔を反らす。人の顔を見て悲鳴をあげるのは失礼だと思わないのか。そんな人達のなかには恐る恐る橋本達が向かった方向を教えてくれる人達がいたため、迷わずにすんだ。私を見ただけで誰を探してるかみんな知ってるなんて、橋本達のせいで有名になってしまったものだ。まじあいつら許せん。



 心優しい生徒達の誘導にしたがって歩いていくと、たどり着いたのは告白の定番、体育館裏だった。

「もう! おそいよー! 何分も待たせるなんて最低だよー!」

 彼女の前に浮気相手と噂になってる女の子を連れてくる橋本とそれについてくる貴女の頭のほうが大丈夫ですか。溜め息しか出てこない。


「で? わざわざ何?」

「えっと……」

 どもってないではやく言ってくれないかな。色々と言いたいのを我慢して待ってるんだから。告白された時も何度もどもって時間がかかってたなー。優しそうな人はタイプだったからOKだしたけどヘタレはノーサンキューです。もっと調べてからOKだせばよかったな。


「あのさ橋本、私も暇じゃないからはやく言ってくんない?」

「将君ふぁいとっ!」

「うんっ!」

 お前らは私をイライラさせる天才か。隣の子のことはよく友達が教えてくれるけど私にどう説明するのだろうか。まさか浮気相手です、なんて馬鹿正直に言うほどではないと信じたい。あー、パフェとか甘いものやけ食いしたい。いや、やっぱこいつら思い出しそうだからお煎餅とかしょっぱいの食べたい。



「というかこの子誰?」

「えっと、俺らって付き合ってるじゃん?でも最近夕ちゃんと一緒にいて俺気づいたんだ」 

 相変わらずタイミング計るの下手というか、話そうとするのに必死で聞こえてなかったんだろうけどさ。連れてきた時点で夕ちゃんとやらの説明をしてほしかったな。

「何に?」

「俺実はお前じゃなくて夕ちゃんみたいな子がタイプだったんだって!」


 思わず冷めた目で見てしまった。いやいや告白してきたのはお前のほうじゃん。しかも覚えてないかもだけどここでしたからね。別に別れても問題はないんだけどさ。

「で、私はどうすればいいのよ」

「将君と別れてほしいの!」

 ここでお前かよ。隣で代わりに言ってもらえてよかったみたいな顔をしているやつがいるが、橋本がここまでヘタレだとは思ってなかった。


「分かった」

「えっ」

「何に不満があるのさ。でも最後に少しだけ言わせてくんない? 何で別れの時にそこの夕ちゃんとやらが必要なの。「えっと、」まだ話は終わってないから発言しないで。あんたバカ?わざわざ浮気相手連れてくるなんて本当にバカでしょ。前々から少し思ってたけどまさかここまでだとは思ってなかった。「ちょっと、将君のこといじめないであげてよ!!」夕ちゃんだったっけ?さっきからうるさいからちょっと黙っててくんない?「ひどい、将君を助けようと……」今この状況においては迷惑だから。これは本来一対一で話すはずのものでしょ。第一誰が助けを求めたの?「そ、それは……」分かってんなら余計なこと言わないでくんない?「うっ、」泣けばいいってもんじゃないから。「京子ちゃんさすがに言い過ぎじゃ」誰が発言していいっていった?学習しなよ、学習。「えっ、あっ、はい」まあ兎に角、ここまで馬鹿だとは思ってなかったから別れることに関してはこちらとしても大歓迎だよ。言いたいことは言えたからここで終わりにしとく。じゃあさよなら。別れたんだからこれから話しかけないでね」



 噂がでる前からヘタレ具合に少し嫌気がさしてきてたからちょうどよかった。はやく家に帰って本の続き読まないと。あの作者さんは描写がうまいから他の作品も買ってみようかな。


 あ、いい忘れが。後ろを振り返り一言。

「あとその女評判悪いらしいから気をつけたほうがいいらしいよ」

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