何故にヒヤリはっとか。
頑張ってる男の子が書きたくて書いてみました。
真っ直ぐに育って欲しいものです。
・・・歪んでもおもしろいか?
なんやかんやで、カサハリ妄想劇場、始まり、始まり~☆
ドーガ・アームストングは、幼少期より周囲の人からその容姿故に恐れられていた。
会う人会う人気絶、腰抜かす、泣き出す、逃げ出す、何かにお祈りを始める等々、片っ端から恐れられていた。
確かに、ギョロリとした真っ黒な三白眼はつり目で切れ長。眉毛は細く、つり上がっている。鼻はわし鼻。口は大きく、笑うと鬼の歯みたいな糸切歯が覗く。しゅっと尖った顎のライン。黒々とした髪は針金みたいに固く、妙にまとまりにくいためボサボサだ。髪の間からのぞく耳は大きく、上の方が少し尖っている。成長途中の体はひょろりとしている。
・・・ぱっと見、悪魔か死神か。
・・・話しかけたり目が合ったら挨拶代わりに呪われそう。
都市伝説で、通った後にはぺんぺん草も生えないとか、訪れた地の子供が石投げたんだか罵ったんだかしたら疫病で町がひとつ消えかけたとか。
まぁ、道がたまたま悪路で舗装したから草生えなくなっただけだったり、行った町でたまたま麻疹が蔓延しただけだったりするのだが、尾ヒレ背ヒレは付くものだ。
噂は、アームストング家が辺境伯爵で、領地が東の国境付近でド田舎であることから、暇をもて余した人々の格好の娯楽となる。
その娯楽が近隣の領地や隣接する大国に知られることになると、領地からは腫れ物に扱うような対応をされ、大国からは「悪魔の化身を匿うとは!我らが神に(なんちゃらかんちゃら)」で因縁つけられて攻め込まれたりする。
辺境伯爵領の人々は長年他国からの侵略に対抗してきたため、皆さま武闘派で、極めて好戦的。特に、「売られた喧嘩は買いますが、何か?」を合言葉に、「殺さずとも二度と反抗しないまで叩きのめす」をポリシーに討って出る。
やや矛盾してるかもしれないが、「お化けはダメです。悪魔、死神?それって武器効きますか?」で冒頭の反応になる。
ドーガは伯爵家の長男で、今年で7歳になる。5歳年下に妹が1人いる。妹はドーガの顔面ヒヤリはっと要素は全くなく、栗色の柔らかで艶がある髪と、新緑のような緑の大きな瞳が可愛らしい女の子だ。
うすうす気がついているかと思うが、ドーガの血族は強面の者が多い。
ドーガの父方の祖父は、激怒顔が標準装備で、寝ているときすら眉間に深いシワがあるそうだ。射殺さんばかりの眼光の鋭さ。常に口はへの字。眉間と顎に深い縦ジワ。辺境伯で、戦ばかりで生傷が絶えないことや、鍛え上げられた肉体美、圧倒的な威圧感が人々を震え上がらせた。
ちなみに祖母は可愛い系のタレ目ほんわか美人であったが、辺境伯に嫁いだためかなりの武闘派で、並みいる敵を祖母仕様の特別製三節昆で笑いながらなぎ倒して行った逸話を持つ。
父は祖母の見た目を受け継いだためかタレ目で、なよっちく見える。物腰も柔らかく、女性に優しいため女ったらしと思われやすい。実際は女性との付き合いは誠実で、遊ぶことはない。武闘派の血は見事に受け継がれており、特技は体術と暗器使いだったりする。
母方の祖父は、騎士団副団長で斧を使わせたら右に出るものがいないと言われるほどの使い手だった。剛毛で、眉毛やら髭やらで顔が覆われており、そこから覗く目が三白眼でギラギラしていた。輪郭はわからないが、幼少期に顔を触らせてもらったときゴツゴツしていたのを覚えている。
母方の祖母は母が生まれて半年で他界しており、姿絵など祖父が隠してしまったため見たことはない。
母は祖父の遺伝が強いようで、つり目で全体的に気が強そうな印象を受ける。実際はおっとりしていて、母親がいないせいか家庭的で趣味は料理と掃除だったりする。祖父が護身術として斧を教えたため、細腕にバトルアクスを振り回す強者である。勿論バトルアクスは母用の特別製で、限界を越えた軽量化と、研磨技術により、軽いのに威力は抜群に良い。20人くらい相手にしても刃こぼれは一筋もない。
ちなみに祖母、母の武器を作ったのは加治屋13代目オーキッドさんだ。60代にして未だに現役で武器を鍛えたり、開発したりしている。
とまぁ、父母のやや目立つところを余すことなく受け継いだ結果、ドーガは冒頭の見た目となったわけだ。
さわりなので説明ばっかでしたね。
・・・さわりだけに。
短く刻みつつ、さくさく進められればと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。
ではまた、土曜日に。