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おやすみ
お腹を冷やさないように、タオルケットを子供と自分のお腹にかけ、更に薄い夏がけをかけた。
「おやすみ」
そう云って里香は目を閉じた。
里香の隣で子供がゴソゴソとしていたようだが、その内、静かになかった。
きっと寝たんだろうと里香は深く気にしないようにした。
まあ、自分も寝れば子供も寝るだろうし‥‥と云うことと、面倒なことは先に延ばしてしまおうという気もあったのかもしれない‥‥。
目が覚めると里香よりも先に起きていたらしい子供が里香の顔をじつと見ていた。
視線が合うと、慌てたように目をずらした。
伸びをして、時間を確認すると普段よりも随分早く起きたみたいだ。
‥‥まあ、里香自身知らない子供と一緒に寝たから知らずに緊張していたようだ。
子供の方が余計に緊張しただろうが‥‥。
里香が起き、布団を片付けている間も子供はじっと里香を見ている。
うん、監視されているようだ。と考えて苦笑した。
「顔を洗ってきてね‥‥」
と、云ってタオルを子供に渡す。
里香は、欠伸をしながら朝食の用意をしに部屋に戻った。