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義務と自己満足
「待ってて、」
と、言葉を残し部屋へ帰るとお子様でも着れるような服を探す。
実家なら兎も角、と頭を悩ます。
まあ、Tシャッでも良いっていえば良いんだけど‥‥サイズが違うから肩が出て風邪を引くかもしれない。
この季節なら大丈夫だと思うけど朝方は意外と冷えるから‥‥部屋を見回す。
浴衣にしてもサイズが―――タンスを漁っていると甚平があったが、当たり前にサイズが違う。
ど~しょ、かな、困りながら見ていると友達からのお土産があったじゃないか!
アメリカ土産でなぜか子供サイズのモノを貰って放置してあるものが!
下はあきらめて、きっとこれだとワンピースで可愛いかもしれない。でも、男の子みたいだったから嫌がるか、いや、それは妥協して貰って‥‥
どちらにしろ里香自身のパジャマもワンピースみたいなものだから、大丈夫、O.K
朝食の下準備をしてから里香は、戻った。
戻ってすぐに子供と目が合う。
「ハイ、寝巻きに着替えて」
と、云ってTシャッを渡すとなにも云わずにじっと渡された物を見る。
その間、手早く布団を敷いて―――戻っても、子供は里香を見ている。