デリタの想い人
「お、ゴリラオカマじゃん!」
背後から投げつけられた声に振り返ると、サッカー部の三人組がいた。
キャプテンの大西が片手を振り上げ、もう一方を腰に当てる──いつものオカマのポーズだ。
「おー、今日も化粧濃いな!」
「昨日より眉毛太くね? 先生剛毛?」
「ねえねえ、『今日のブラの色』教えてよ〜」
ゲラゲラと爆笑する三人。
デリタの眉間に深い皺が刻まれる。
「……クソガキ共」
低く響く声。握りしめたポーチが、今にも潰れそうに軋んだ。
「アンタたち! 朝っぱらから何てこと言うの!!」
怒声が校舎に反響する。
スカートがめくれることも忘れ、大股で歩み寄ると──
「ひえっ! ゴリラ激おこ!」
「逃げろ〜!」
三人は悲鳴を上げ、廊下をバタバタと駆けていった。
デリタは肩で息をしながら、その背を見送り、ため息を落とす。踵を返しかけたとき──タイトスカートが太ももまで捲れているのに気づいた。
「やだっ……!」
小さく悲鳴をあげ、慌てて裾を直した。
背後から投げつけられた声に振り返ると、サッカー部の三人組がいた。
キャプテンの大西が片手を振り上げ、もう一方を腰に当てる──いつものオカマのポーズだ。
「おー、今日も化粧濃いな!」
「昨日より眉毛太くね? 先生剛毛?」
「ねえねえ、『今日のブラの色』教えてよ〜」
ゲラゲラと爆笑する三人。
デリタの眉間に深い皺が刻まれる。
「……クソガキ共」
低く響く声。握りしめたポーチが、今にも潰れそうに軋んだ。
「アンタたち! 朝っぱらから何てこと言うの!!」
怒声が校舎に反響する。
スカートがめくれることも忘れ、大股で歩み寄ると──
「ひえっ! ゴリラ激おこ!」
「逃げろ〜!」
三人は悲鳴を上げ、廊下をバタバタと駆けていった。
デリタは肩で息をしながら、その背を見送り、ため息を落とす。踵を返しかけたとき──タイトスカートが太ももまで捲れているのに気づいた。
「やだっ……!」
小さく悲鳴をあげ、慌てて裾を直した。