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クローバーチャーム続編

作者: 亜矢那

この話はクローバーチャームの続編です。

本編を読んでいない方は先に本編をお読みください。

これはいじめ小説です。

私は白鳥胡桃。

早風学園高校1年生。


私は中2のときいじめをうけた。

つらかったのを今でも覚えている。

誰もが見て見ぬふりをし…誰にも助けてもらえなかった。


そのとき助けてくれたのが…花岡薫だった。

薫とは別の中学校に通っていた。

薫と会ったのは偶然・・・いや、奇跡だったかもしれない。

薫もいじめられていた。自分もいじめられているのに…

私に優しくしてくれた。私の心の支えになってくれた。

私は薫のおかげでいじめを乗り越えたのだ。


私は今、薫と同じ高校に通っている。

奇跡的にクラスも一緒だった。

私と薫はいじめをのりこえたことによって

かけがえのない親友になった。


「胡桃~かえろう~」

薫がやってきた。

今は平和に過ごしている。

「いじめを絶対に起こさない」

2人の間で決めた大切な約束だった。


そんなある日その約束を守れなくなる日が来てしまう…


私はそのひいつものように学校へ行った。

そこで悲惨な光景を目にしてしまう…


「おっはよ~」

元気にあいさつをしながら教室へはいると…

なんだか暗い空気だ。

よく見るとクラスメートが何かやっている…

一人の女の子が座り込んで泣いている…

泣いているのはクラスメートの加藤咲子だった。

見ているだけのもの、やっているもの、やられているもの・・・


目の前で繰り広げられているもの・・・それは・・・


いじめ。。。。だった。


薫と私は愕然とした。

昨日まで仲良しだったクラスでいじめが行われている。

信じられなかった。

「止めよう・・・とめなくちゃ」

私の中で誰かがそう言った。


「やめなよ!」


言葉が出てきた。

いじめていた子の一人が立ち上がる。

春川友香だ。

「あら?白鳥さん。この子が何をしたか分かっているの?」

突然聞かれた。


「え?」


「加藤さんはね、うちが貸したお金を返してくれないの。」

友香が言う。


「加藤さん・・・本当なの?」

聞いてみる。


驚いたことに彼女は首を横に振った。


「加藤さんが違うって言ってるけど?」

友香にいってみる。

薫が心配そうな顔でなりゆきを見ている。


「本当よ。ね~加藤さん^^」


ごふっ


加藤さんが蹴られる・・・


「やめてっていってるじゃん!」


私は大声を出してしまった・・・


「はーい席について~」

担任が入ってきたのでとりあえず終わった。

友香がものすごい目でにらんできた。

なんだか嫌な予感…

そう思った。


次の日、待ち合わせした時間に薫が来なかった。

「なんか用事があったのかも」

そう思いながら学校へ向かった。

「おはよっ」

いつも通り教室に入ると一瞬教室が静かになった。

「えっ?」

でもまたみんながざわざわとはなしだした。

薫はもう来ていたので薫のところに行こうとした。

でも・・・

「白鳥さん」

春川友香に行く手を阻まれた。

教室が静かになる。


「今日からあんたいじめるから」


突然言われたこの言葉が私は理解できなかった。

「えっ?」


「だーかーらぁあんたムカつくの。だから消えてよ!」


友香の取り巻きが私を動けないように押さえつけた。


ごふっ


蹴られる。


「薫…助けて…」

薫に助けを求める。


「薫なら助けないよ。」

友香がいった。

「なん・・・で・・・?」

痛みの中言葉を絞り出す。


「薫はあんたのことなんか嫌いなんだから。」


私は目の前が真っ暗になった。


そんなわけない。

薫は親友だ

友達だ。

裏切るわけなんて…


「そうよね?かーおーるっ!」


「うん・・・・」

薫は・・・「うん」といった・・・

もう何も考えられない


薫に裏切られた

薫に…

「いじめは起こさない」

そういったじゃない・・・


「そうだっ薫!なんか白鳥さんと同じキーホルダーつけてるけど

とっちゃいなよっ。だってもう友達じゃないんだから」

友香が言う。

「うん・・・そうだね・・・」

薫がうつろな顔で言う。

そして・・・・


薫はキーホルダーをとってしまった。

だいじなクローバーチャーム…


「薫?うそでしょ?ねぇ・・・薫!!」

必死で薫に問いかけた。でも・・・

「ごめん。胡桃。」

そう言って薫は教室を出て行ってしまった…。


「薫…」

ショックでもう声が出なかった。


次の日から私へのいじめが始まった。

加藤さんへのいじめは止まったけど…。


私は悪くないのになんで??

どうして私が?

つらいよ・・・

助けて…薫…


薫は最初みているだけだった。

それはいけないことっていったのは薫なのに…

でも最近薫はいじめに加わりだした。

友香に言われたから…。

薫に何かされるのはとてもつらかった。

かけがえのない友達だったのに…


今日も机がない。

私はこのクラスではいらない存在なんだろうか…

そう考えてしまう。

もう何日も笑っていない。

前と一緒だった。

もう誰も助けてくれなかった。


「白鳥?」

誰かに名前を呼ばれてびくっとする。

振り返ると同じクラスの高山隼人がいた。

高山隼人はいままでわたしになにかしたことはなかった。

男子は特に手を出していなかったせいもある。

男子にもいじめられるのだろうか…

悲しかった。


「一緒に帰ろう」


高山が突然言った。

「えっ?」

聞き返す。


「一緒に帰ろう。こいっ」

えっというまもなく高山隼人は私をつれて学校から出た。


「危なかったな」


突然そう言われた。

「なにが?」

聞いてみる。


「いまおれが連れ出してなかったらお前ひどい目にあってたぞ。

さっき女子が言ってたんだ。花岡もいた。

いまから白鳥を遊びに誘ってお金ふんだくろうよ

いじめてやろう

そう言ってた。だから早く学校から帰ったほうがいいと思ったんだ。

待ち伏せするとか言ってたから…。」

高山の心使いに感謝した。

嬉しかった。

「ありがとう。」

そう返した。


「おまえと花岡って仲よかったのにな」

いわれて言葉に詰まる。

「あいつ、春川に脅されてたぞ。あの日の放課後

春川と花岡があってるのを俺見たんだ。

春川がこう言ってた。

 いっしょに白鳥いじめようよ

って。そうしたら花岡はこう言った。

 いやだ。

そうしたら・・・

 一緒に白鳥いじめないとあんたいじめるよ。

 クラス中の敵にするよ。

 お前の変な噂とか流すよ。

 それでもいいわけ?

って春川が言ったんだ。

そうしたらあいつの取り巻きがきて…

強制的に花岡の秘密をしゃべらせたんだ。

それで・・・ 

 白鳥いじめなかったらこれ公開するからなって…。」


「そうだったんだ・・・」

薫は脅されてたのか…。


「もしよければ…俺・・・お前がされてて嫌で誰にも言えないようなこと・・・聞くよ?」

突然高山が言った。

突然の言葉に驚いてしまう。

「なんで私のことを気にしてくれるの?」

間抜けな質問をしてしまう。


「なんとなくだよ。」

高山はそう言った。


「ありがとう。でもまだ大丈夫。今日は本当にありがとう。

感謝してるから…。」

といい私は走ってその場から逃げてしまった。


せっかくの救いの手だった。

でもそのことによって高山まで傷つけられるかもしれない。

無関係な人まで傷つけたくなかった。


「ごめんね・・・高山…。ありがとう・・・。

とてもうれしかったよ…」



でもなんだか薫を許せなかった。

脅されてたとはいえ、ひどい。

いじめはいけないって言ってたじゃん…

逆に真実を知りつらくなった。

私は勇気を出して加藤さんを助けたのに…

なんで薫は何もしないの?

薫にそう言いたかった。


ピロピロリーン♪

携帯が鳴る。

なんと・・・薫だった。

「今から土手に来れる?きて。」

一方的なメールだ。


「無視しちゃおうかな…」


そんな思いが頭をよぎる。

薫は私を裏切ったんだし…。

それにほかの人に待ち伏せされてるかも…。


でも・・・


数分後私は土手に向かって歩いていた。

何が起こるか分からないのに…


土手にはだれもいなかった。

薫がまだ来ていないのか

嘘なのか

何かの計画なのか…


「白鳥さん^^」

聞き覚えのある声。


友香だった。


「なに?私,人を待ってるんだけど…。」

強気で言い返す。

「薫待ってるの?」


図星…


「やっぱそうなんだぁ~薫はこないよ。

あんたバカだね~まんまと引っ掛かって。」


薫…だました…


「あと薫はもう用なしなの。」


へ??


「薫はただの道具。もう使い終わったからいらない。

あんたと同じようにしてあげる。

さっきメールを送ったのは私。

薫の携帯は今私が持ってるの。ほら。」

友香が出した携帯は確かに薫のものだった。


「あんたにチャンスをあげるわ。」


「チャンス?」


「そう。あんた一緒に薫をいじめない?」


「薫を?」


「そう。薫はあんたを裏切ったのよ。

復讐したくないの?憎くないの?」


「それは・・・」


「もしあんたが薫をいじめないって言うんなら

あんたへのいじめは続行。

まぁ薫へのいじめはやらないことにしてあげる。

あんたがつらい思いをするか

薫がつらい思いをするか。

いっとくけど今よりひどいいじめになるわよ?」


「・・・・」


「どうするの?まぁ答えは明日でもいいわよ?明日の朝。これがタイムリミット。

もし今日中に決まったら薫の携帯にメールしなさい。それじゃあ。」


友香はいってしまった。


友香がいなくなってから私の中で怒りがこみ上げてくる。


どうして友香のいうこと聞かなきゃいけないの?

友香はそんなに偉いの?

むかつく・・・。


でもそんなに心の中で思ったって状況は変わらない…


考えているうちになぜか私は以前薫といった。

「クローバー」という喫茶店へ行っていた。


「いらっしゃ~い^^

あれ?胡桃cかな?」


以前会った店員さんがいた。

「こんにちは・・・。」


「今日は薫cいっしょじゃないの?」

聞かれて言葉に詰まる。

「まぁ・・・そうです。」

そう答えた。


「このあいだ薫c一人でここに来たわ。

あなたと同じように。」


「えっ?」


「なんだかなやんでた。だから私こういったの。

やりたいようにやりなさい。

誰かの意見なんて気にしないで。

胡桃cにもこう言いたいな。」

そう店員さんは言ってくれた。


私はお礼を言って店を出た。

その時薫はいったい何を悩んでいたんだろうか…



もう胡桃のなかで答えは決まっていた。

友香の前であえて言わなかった。

明日言う。

そう決めた。


教室に入る。

真っ先に友香のところへ行った。

薫もいる。おびえている。


「白鳥さん、決まった?」


「うん」


「私は薫をいじめない。」

薫が息をのむ。


「じゅあいいのね。あなたへのいじめは続行よ?」


「いいよ。私はあんたの思い通りにはならない。

私はあなたの道具じゃない!!」


「そう。じゃあみんな・・・胡桃を抑えて。」


誰も動かない。


「どうしたの?いじめられたいわけ?」

友香が動揺したように言う。


「ごめん友香。もう協力できない。」

取り巻きの一人が言う。


「私も~ 私もっ 私も・・・」

口々にみんなが言う。


「みんな?」

私はびっくりしてしまった。

いったいなんで?


「胡桃…」

薫が私を呼んだ。

久しぶりの会話…

「ごめんね。許してくれないかもしれないけどごめんね

本当に…」

薫は泣き出した。

「薫?」


「花岡さんは一生懸命悩んでたんだよ。」

突然クラスメートの山田有希が言った。

「花岡さんはね、友香に協力…というか

脅されていじめを受け入れてしまったことを後悔していたの。

最終的に友香に裏切られて…。

花岡さんは昨日、私たち全員にメールしてくれたの。

 みんなで協力していじめをとめませんか

って。それで私たち全員でいじめを止めようってことになったんだよ。

私たちはずるい奴らだった。許してほしい。

花岡さんをおこらないであげて…」


これで真相が明らかになった。

そういうことだったのか・・・。


「薫?薫…そういってくれれば・・・」


「私は胡桃をいじめてしまった。

もう友達失格だよね。本当にごめん。」


「でも薫は自分がしたことを後悔していたし

最終的には私を助けてくれた。

これで十分だと思う。」


「胡桃…」


私はにこっと笑った。


「あのさぁ・・・なんかドラマっぽい友情ごっこしないでほしいんだけど。」

友香が言う。

「そんなことどうでもいいの。っていうか

あんたらは私に協力してくれればそれでいいんだけど。

どうせ道具なんだし。」

言ってしまってから友香はしまった。。。という顔をした。

道具っていっちゃった…

そういう顔だ。


「うちらが道具?

なにそれ・・・

なんか言ってることひどくない?」

一人が言う。

「うん・・・ひどいよ。」

誰かが言う。


「もう友香なんかに協力しない。」


うちも~ うちも。


みんながそういう。


「つぎのターゲットはあんただよ。友香。」

有希がいった。

「そうだそうだっ」

みんながいう。

友香は怯えていた。


「それは違うと思う。」

薫が言う。

「私もそう思う。」

私も言った。


「白鳥さん、花岡さんこいつは2人をいじめたんだよ?

憎くないの?」

有希がいう。


「確かに友香は憎い。憎いに決まってる。

友香のしたことは許されないことだと思う。

でもここでうちらが友香をいじめたら

友香と同罪だよ。そんなの私は嫌だ。」

薫が言った。

「うちらが今やらなきゃいけないことは

いじめを止めることだと思う。

みんなはそう思わないの?」

聞いてみる。


「確かに…友香と同罪は嫌だなぁ。」

誰かが言う。


「友香にはこれから改心してもらうしかない。

するかしないかは友香にかかっているけれど。」

薫が言った。

友香は居づらくなったのか走って出て行ってしまった。



その日の帰り道

私は久々に薫と帰った。

「胡桃」「薫」

言葉がかぶる。

「先にいいよ。」

薫がゆずる。

「いいよ。薫こそ先にいって。」

私も譲る。

「ふふっ」

二人で笑った。

昔と同じ顔…。

「薫…。ごめんね。」

薫はきょとんとする。

「どうして胡桃が謝るの?

胡桃は悪いことしてない。

許されない行為をしたのはうちだから…。」薫が言った。

「これからも仲良くしてくれるよね?」

薫に聞いてみる。

「もちろん!!」

薫がうなずいた。

そしてクローバーチャームを取り出す。

「これ・・・とっちゃってごめん。」

薫が言う。

「それを薫がとった時はものすごいかなしかったな~」

言ってみる。

薫が申し訳なさそうな顔になったのを見て

「うそだよ。いいよ。またつけてくれる?」

笑って聞いてみる。

「当然ッ」

そういって薫はキーホルダーをカバンに付けた。


私たちの仲は元通り・・・

いやそれ以上になったと思う。


薫と別れた後、高山に出会った。

「あっ・・・」


「白鳥…」


「高山・・・・」


「今日の白鳥、すげーカッコよかったよ。

春川に堂々と言いたいこと言えて…

花岡とも仲直りしたんだろ?

よかったな。」

そういってくれた。


「この間はごめんね。突然逃げて。何かお詫びする。」


「いいよ別に。気にしないで…。

あっ・・・でも一つだけお願い聞いてほしい。」


「えっ?」


「俺と付き合ってください。」

突然言われたこの言葉にびっくりする。


「えっうそっ」


「俺、白鳥のこと好きだ。あこがれる。

いじめに立ち向かう白鳥かっこよかった。」


「高山…」


「俺と付き合ってくれますか?」


・・・・


「よろこんで^^」





私は高山の彼女になった。

そしていじめを止めることもできた。

薫とはいろいろあったけど…。


私たちはこれからもいじめに立ち向かっていきたいと思う。


これを読んだ人もいじめに立ち向かってくれることを願います…




終わり


続編を読んでくださった方。ありがとうございます。

まだまだ未熟者ですが

これからもよろしくお願いします。

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