03 事の発端2
連投です。
「零...お前に許婚ができた。」
「...............は?」
一瞬何を言われたのか分からなかった。許婚?許婚ってあの許婚?ほかに許婚って知らないしな、というか何があってこうなった?あ、まず爺ちゃんに確認を
「まじ...?」
「本気じゃ...!」
夢なのか現実なのか。必死に落ち着こうとしたが難しい。
「というかどうしてこうなった?」
俺は思った通りに質問した。というかいきなりすぎて考えて質問する頭がなかった。
「いや、そのな...わしは孫の顔が見てみたいんじゃ。そして零...お前にはわしが生きているうちに家族と呼べる人に出会ってほしいんじゃ...」
その言葉に俺の心臓はドクンとはねた。
そう、俺は爺ちゃんと血がつながっていない。そして、両親のことも知らない。俺は孤児院のようなところに預けられていて、そんな俺を養子として迎え入れてくれたのがこの小鳥遊家である。小鳥遊家の祖父母には子供ができず、跡取りのような形で俺がこの家に来たのだ。
これは...断れないな。
「...わかった、その話受けるよ。爺ちゃんにそんなこと言われちゃ俺だって無碍にすることはできない。」
「...そうか!そうか!ありがとう!!わしは、わしはうれしいぞ!!」
爺ちゃんは少し泣きそうな顔をしていた。
俺は爺ちゃんと婆ちゃんに本当に感謝している。自分を本当の子供(孫)のように育ててくれて、学費だって出してくれている。そんな俺の親とも言える人々にここまで心配されたんだ。それだけでこの話を受けてみようという気になった。
「でもさ、相手の人ってどんな人?それにその人も俺と許婚になることを良しとしてるのか?」
さっきまでは事がいきなりすぎて自分のことしか考えられていなかったが、少し時間がたち落ち着いてくると相手のことを考えてしまう。相手も自分のように急に話が決まってしまったのか、許婚についてどう思っているのかなど気になることは多かった。
「あぁ!その点については問題ない!お相手はお前もよく知る人だ!それに相手の方からも了承は得ている!」
「え?俺がよく知っている人?誰だそれ」
正直誰も浮かばない......そこ、悲しいやつとか言うな。
そのとき家の外で車の音がした。
「お、さっそく来たようじゃぞ」
「え?嘘でしょ、俺さっき話受けるって答えたばっかなのに」
「お前が受けるといったときに向こうの方々には連絡しておいたのじゃ!」
............はえぇよ...
そして玄関のチャイムが鳴った。
そこにはーー来栖風音。学校一の美少女がいた。