садиться:乗車
今話もよろしくお願いします!
【朝 東京】
凛とソフィアは、朝ごはんをチャチャッと済ませ、
昨日買えなかったソフィアの生活必需品を買い揃えるべく、デパートへ向かうためバス停でバスを待っていた。
外に出るのに軍服だと不自然なのでソフィアは凛の服を借りた。
私は今、凛とバスを待っている…
さて、どんなのが来るか…祖国ソビエトのバスは丸っこい車体と薄暗く、狭い車内、そしてだいたいガソリン臭くてうるさくて揺れる。
あと、私が乗る時だけかもしれないけど、運転手のおじちゃんがよくむせる。
〔プシューっ〕
「あ、来たよ。」
「何っ!?」
四角い。そして、ドアが2つある…なにより、時間通りに来た!!
奇跡だ、途中でバス停に止まったり信号で止まったりするはずなのに、なぜ時間通りに?まさか、信号で止まらない!?乗って大丈夫なのか?このバス…
それはそうと、これはどっちのドアから乗ればいいのだ?
まあ、普通に考えたら前のドアか?
「っちょ、ソフィアどこ行くの!?」
「?」
「後ろのドアから乗るんだよ。」
「そ、そうなのか、」
失敗した、間違えたドアから乗ろうとしてしまった、こりゃあ、バスに乗っている監視の者に怪しまれたにちがいない、なんてことだ、ここは粛清されないためにも、いや、凛を守るためにも、日本人のフリをしなくては!!
「い、いやぁ~、やっぱり肉じゃがは輝くコメの上に乗せて、すすって食べるよね~!!ね、凛ちゃん!!」
「!?」
「合わせて凛ちゃん、監視に粛清されちゃう(小声)」
「いや、粛清されないし、ソ連のバスは知らないけど日本のバスに監視はいないから、"日本人のフリ"はしなくていいよ。」
「監視はいないのか!!」
~日本のバスにソフィア初乗車!!
広い!!
椅子が大きい、そして、柔らかい、椅子と椅子のあいだの通路も広い広い、
なんか上から面白いもの(つり革)がぶら下がっている、なんだあれ、
…ああ、あれで懸垂するのか、素晴らしい、移動時間を無駄にしない工夫か、
そういえばバスの前のほうは椅子が一人用なんだな、我々は二人だから二人席に座ったが、一人席に座っているものは皆ご老人ばかりだな(優先席)ずっと見ていると若者が乗ってきても座ろうとしないぞ、さてはあの椅子は長いこと国のために戦い祖国と愛するものを守り抜いた歴戦の勇者のみが座ることを許される玉座なのでは?これは軍人としてバスを降りるときはあのご老人たちに会釈をしなくては…
それはそうと、さっきから見ていれば若者は皆立ったまま懸垂ドーナツ(つり革)を片手で握り、あるものはボケーっと、またあるものは片手サイズの板を持っている…怠惰だな、実にだ、あんな板切れを片手で持ち上げただけで鍛えられるはずがなかろう、
「凛、懸垂してくる!」
「ダメ、座ってなさい。」
「…はい。〔ショボーン〕」
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