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名もなき世界の片隅で  作者: コイナギ
2/2

プロローグ 2

とりあえずプロローグはここまで

「こいつは…一体なんだ?」

扉の奥に存在していた施設を進んだアレイの目に映ったのは


謎の液体に満たされたガラスの筒の中にてたゆたう、少女の姿であった。


「いくらなんでもコイツは…」

アレイはその少女に、手を伸ばした。ほぼ無意識に伸びたのであろう。

咄嗟に意識を伸ばした手に向けた。

「まさか…コイツを持って行こうとしてたのか?」

探索者は余計な収集をしない、それを忠実に守ってきたはずの自分からは考えられない行動に驚きを隠せない。

そしてまた、その隙を見逃してくれるほど、この世界は優しくはない。

「…っ!」

微かに感じた熱さ、それを頼りに射線から身を隠す。

人ならざる物の出す異音を耳にしながら、アレイは状況への対応を始めた。

(数は3…こっちの武装は…旧式の拳銃と予備マガジンが二つか)

彼我の戦力差を確認したあと、軽く絶望しながら切り抜ける方法を考える。

(アイツらの装甲はこんな銃じゃ抜くのはまず無理だ、カメラをぶち壊せるかどうかが分け目ってとこだな。あのカメラに通用するのが前提だが…賭けてみるか)

アレイを追跡してきたのは、機械の体躯を持つ獣であった。

その背中には、彼の手の中にある銃とは比べものにならない大きさの筒がついていた。アレに撃たれてしまえば、痛みを感じる暇もなく絶命するであろう。

狙うは獣の顔、そこに存在するカメラのレンズ、外せば間違いなく危機的な状況になる。

そうして彼は、狙いを定め、引き金を


(撃たないで)


引けなかった。

引こうとした指が、まるで凍ったかのように動かない。

その表情を驚愕に染める前に、彼は体を物陰に隠す。

そして彼は、いらだちと共に視線を向けた。自分を制止した声に。

(なぜ、止めたんだ)

(その銃じゃ、奴らのカメラは壊せないよ。そもそも命中するコースでもなかったし)

返答があった事に対しての驚きは、もはやなかった。

(とりあえず、私をここから出してくれる?狭くてしょうがないの)

(あんたをそこから出すメリットは?)

(私たちの無傷での脱出)

(良いだろう…で、どうやったら出てこれるんだ?)

(ケースにつながってる端末に触ってくれれば良い。ただし3秒の間、手を離さない事)

(オーケー、とんでもなくハードだがやってやる。)

(合図はする、それと同時にまっすぐ一直線に来て)

そして彼は、脳裏に響いた合図と共に疾走する。

異音とともに動きだす獣たち

その追跡を振り切って、彼は端末へと手を伸ばした。

(一番近いやつ、足を狙ってとにかく撃って。じゃないと間に合わない)

「分かったよ、撃ちゃぁ良いんだろっ!」

弾を撃ち尽くすつもりで、言われたとおりに撃った。

そうして、気の遠くなるような、しかし、一瞬であった3秒が過ぎた。


機械の獣は、止まっていた。3機すべてが、まるで力を失ったかのように崩れ落ちていた。


「危なかったね、指示に従ってよかったでしょ?」

「なんで撃たせた、アイツらに傷ひとつついてやしねぇじゃねぇか」

「ほんの一瞬の足止めのためよ。じゃなきゃあなた、今頃は人の形を保ってないわ」

「ちっ…あんたに従ったのは正解だったってわけか、カメラにも傷一つついてやしねぇ」


こうしてアレイは、自分の運命との出会いを果たした。


「で、この後はどこ行くの?教えてよ」

「あんたをこの場に置いてってから考えるさ」

「何ソレ、ひどいなぁ」

「そう言えば、あんたの事はなんて呼べば良いんだ?」

「カリン、そういうあなたは?」

「アレイだ。じゃぁなカリン、頑張れよ」

「名前まで聞いておいて自分の命の恩人への態度がそれなの?」

「あんたは面倒ごとを呼び込みそうだからな」


自分の運命とは、まだ知らない


ひとまとめにする気はないです

続きはまだ考えてません

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