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殺し屋たち 3
今回の依頼
ある犯罪組織に、娘を殺されました。
成果次第で、報酬はいくらでもお支払いします。
最低でも組織のボスは殺してください。
その組織の名はーー
「Loup」
五人が洋風の重厚なリビングに集まったところで、曽根が紙を爪で弾いて言った。「狼ーー陳腐な名前だよねえ」
「最低でいくらっすか」
先に口を開いたのは井上だった。
「さあ?成果次第だって、さ」
「でも全員集める必要ない気がするけど」黒瀬が煙を吐き出す。「二人ぐらいで済みそうなもんでしょ」
するとユキも、無言で曽根の方をじっと見る。自分の爆弾があれば、組織のビル一つくらいすぐに壊せるとでも言いたげだ。真紀はそのまま黙っていた。
「まあね、それでもいいんだけど」
曽根が立ち上がり微笑む。
「どうせやるなら根絶やしにしないと」
全員の動きが、曽根の強すぎる殺気で一瞬止まった。
「そうじゃなきゃ楽しくないでしょ、こんな組織潰しなんて、ね」
後は考えといて。そう言うと、曽根は去っていった。
その時既に、残された四人の意思は決まっていた。