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殺し屋たち 2
「あ、終わった?」
顔を上げて、少し目を細める。
彼がこの名前を持たない組織の「ボス」と言うべき存在である。
華奢で背が高く、一見優しげな見た目からは想像もつかないが、彼ーー曽根がこの家の五人の中で最も強い、そして最も美しい殺し方をするスナイパーだ。
彼の部屋には大きな窓があり、いつもその光に背を向けて座っている。立ち上がると後ろで一つに束ねた髪が揺れた。
終わったのくらい、この窓から見えるのにと、真紀は扉を背に目を逸らす。
「また派手に壊したんでしょ?」
「私じゃないけどね……」
指先が触れる。
「また曽根と仕事したいな」
「え?」曽根は額につけた唇を離した。「そう」
「いいかもね」
そのまま身を翻して机に戻ると、1枚の紙を取った。
「これなんていいんじゃない?皆で行けそうだし」
「これなら曽根一人でもーー」
「別にいいよ、何人でも結果は同じでしょ?」
曽根は微笑むと、文面を読み上げたーー。