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FLAME  作者: 越
第一の依頼
4/15

千人殺し 4

人殺しに抵抗はなかった。

仕事っすから、と言っていつも片付けてきた。自分と同じところで働いている人間は皆同じようにそう言った。仕事だからと。



警察のところにいて三日過ぎた。

取調べはまだ、あの女刑事がやっている。

三日目にやっと聞き覚えのある足音を、どこか遠くの廊下に聞いた。

ほんの少し、右足に偏った重心のかけ方。


来たな。


そう感じ取った瞬間、取調室のドアが自分に向かって吹き飛んだので、流石に身じろぐ。が、すぐに袖に隠した小型のナイフで拘束を素早く解くと、そのまま駆け出した。

刑事はしばらく呆然としていたが、また殺気を纏わせて動き出す。


血が床を染めた。声を上げる間もなく、右腕を抑えてうずくまる。


長髪の女が井上の手を引いた。


「真紀さぁん」


白水真紀ーー正確かつ最速の仕事を得意とするナイフ使い。「氷」と称される冷酷さで恐れられる女だ。


「早く」


細く、弱そうな彼女の指は、とても殺し屋とは思えなかった。二年前と何ら変わらない白い腕が、井上の少し骨ばってきた手を強く引っ張る。


仕事道具を握りしめて、井上はただただ脚を動かした。


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