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ソロプレイ

よろしくお願いします!

次の日からギルドマスターは遠征で暫く留守にすると発表があった。


多分買い戻しするためだろうな。


因みにギルドマスターの名前はハッサンだそうだ。


頑張れハッサン


昨日の報酬は情報料も上乗せされ金貨7枚と銀貨86枚だった。


もうお小遣いの領域を越えている。


んで今日は学院の授業がフルにあるので久々の休日だ。


俺にとってはな。


今は街でブラブラしている


屋上にいれば必ずデュランが来るし


金もある。


さて、なにするかな。







金も時間もある


しかしする事がない。


食べ歩きしてたんだが、この身体ではそこまで食えないし。


もう眠いから帰りたいが学院の近くに行けばデュランセンサーにかかる


どうしたもんか。


娼館もカジノもこの身体じゃ行けないしな。


無意識でダンジョン近くまで来てしまっていた。


これはイカンな


病気だ。


ダンジョン病だ。


休みでも仕事しないと落ち着かない社畜になってしまったというのか...


ん?


俺よりちょっと大きい位の子供がボロを着てダンジョン前をウロウロしていた。


孤児か?


女の子なら話しかけもしたかもしれんが男の子だ。


興味があるのか、冒険者を見たいとかかな。


スルーして帰ろうとした時にその子はダンジョンに入っていった


馬鹿か!


あんなボロで1人でなんて自殺以外のなんでもないぞ!


あぁ!くそっ!


ガラでもなくダンジョンに駆け込む









すると案の定魔獣に襲われていた


ちっ!


今日は休日だってのに。


すぐさま魔獣を刻むとボロを叱りつける


「お前は馬鹿か!死にたいのか!装備もなく1人で来れる場所じゃないぞ!」


「お、俺だって来たくなんかなかったさ!必要だから入ったんだ!」


「実際死ぬとこだったじゃんか!ガキの癖に生意気言うな!」


「お前の方がガキだろうが!どう見ても俺よりちっこいぞ!」


あ。


それはそうだな。


「俺は中級の冒険者だ。学院にも通ってるエリートだ。お前と一緒にするな。」


「ぼ、冒険者!?なら頼みがあるんだ!聞いてくれよ!」


「断る。今日は休日なんだ。わかったらさっさと帰れ。」


「話し位聞けよ!それに今は帰れない。シスターが死んじゃうかもしれないんだ。」


あぁ、だと思ったよ


どうせ重い話しなんだろ?


面倒事は困るんだよ。


デュランにでも頼んでくれよ


「時間がないんだ!あと2時間以内に11階層のボスフロアに行って戻らないとシスターが死んじゃうんだ!頼むよ、俺を11階層まで連れて行ってくれ!」


「聞くなんて言ってないのに勝手に話し出すな!」










足下に縋り付くので聞いてみたらとんだ無理ゲーだった。


孤児院のシスターが急性の病に陥った


治すには回復薬が必要だがギルドに行くと売り切れていた


なら冒険者に頼もうとしたが何故か朝からどの冒険者も出払ってるらしい


緊急クエストを発注したが来る気配はない


治癒や解毒を扱える魔術士を探そうにも王城の魔術士達は王の外交に出払っており数日戻らないらしい


他の孤児院の連中は回復薬や魔術士を手分けして探してるそうだ。


タイミングがゲロ悪いが8割俺たちのせいだ。


昨日ギルド前であんな話しをしたもんだから早朝から皆7階層まで行ったんだろう。


これは非常にまずい。


関係が無ければ断るところだが、関係がある。


断れば罪悪感がやばい


とはいえ11階層は俺も未だ入った事も無ければ詳しくも知らない。


それに今はレイピアしかない。


防具も予備の武器もないのだ。


「なんでお前も連れてく必要があるんだよ。入口で待ってればいいだろうが。足手まといだ。」


「わかってるけど、ここで待っててお前が来なかったらシスターは死ぬ。なら俺も連れてけ!シスターが死んだ時に俺はただダンジョンの入口で待ちぼうけてたなんて事になったら...自分を許せない。」


いや、だとしても邪魔なんだが?


「それに俺は村人のクラスで最弱でスキルも魔術も使えないけど、俺が強くさえなれば今後こういった事態があった時になんでもできるだろ?俺は孤児院でも年長なんだ。頼むよ!」


「いや、俺1人でこの装備だ。お前死ぬぞ?」


「ここで何もしなくてシスターが死んだら俺も死ぬ!変わらないさ!」


変わるだろ。


ったくなんでこんな目に俺が...


そうして11階層に2人で潜ったのだった。












「一応仮だがパーティ登録しとくぞ。言っとくが俺は前衛だから遠距離攻撃手段も少ないし、お前が遠くで襲われたら一瞬で死ぬ。だから絶対に前に出るな。俺の後方20m位を歩き魔獣が現れたらさらに20mは下がれ。いいな?」


「俺の方が年上なんだ。いつまでもお前お前言うなよ。俺にはペーターって名前があるんだ。」


「はいよペーター。俺はジークだ。約束は守れよ?破ったら即帰還するからな。」


「わかったよジーク。約束は守るさ。だから頼むぞ!」


はぁ。


11階層の敵ってどんなだっけ?


聞いたはずなんだけどな。


ん?あれか...そうだ!


スライムだった!


「あれが11階層の魔獣か...?思ったより弱そうだな。」


「ああ見えて中級の魔獣だ。1階層のとは比べ物にならない位強い。あいつ確か体液全てが消化液、酸性なんだよ。触れたら溶けるし、切ってもコアを破壊しないと秒で再生する。雑魚じゃないぞ。」


思い出した。


スライムはそこそこに強いんだった。


マルカが色々言ってたが他は思い出せん


「下がれ、今日は他の冒険者もこのフロアには来ない、恐らくは大量のスライムがいる。後ろに居ればいいから大人しく隠れてろ。」


そういうと俺はスライムに向かって駆け出した。


戦闘が始まれば魔獣は押し寄せる。


スタート位置だから囲まれる事はないにせよここで出来るだけ倒しておきたい。


酸を飛ばしてきたが躱してコアを突く


うん、相性は悪くないな。


予備の武器なら数回使えば溶けてるかもしれんがこいつはその心配もない。



索敵にかかった魔獣の数が...異常だ!


なんだこれ、ボスフロアでもないのに70-80体近い数押し寄せてくるぞ。


「なんだー楽勝じゃんかジーク!」


「下がれ!スタート位置の扉近くまで下がって隠れてろ!大量に押し寄せてくるぞ!」


この数は...出し惜しみはしてられないな


「アースランサー!!」


アースランサーで洞窟を塞ぐように展開するも間からドンドン押し寄せる


それにアースランサーが少しずつ溶けている


土も溶かせるのか。


「デュランがいれば楽勝なんだけど、帰ったら文句言ってやろう。」


八つ当たりでも文句を言わずにはいられない


ちくしょー!












「ジーク、お前ほんとうに5歳か?強すぎないか?」


「あぁ?見た通り5歳だよ。それと結構しんどかったからあのレベルでもう1回ボスフロア前に来たらたどり着けないぞ。」


アースランサーは計7回使用した。


結構やばい、ソロはキツイな。


「中級冒険者ってのは凄いんだな。一撃も食らわないなんてな!」


「お前は馬鹿だな。1撃食らったら致命傷なんだよ。ここにはヒーラーもいないしいつもより慎重に戦ってるに決まってるだろ。」


実際には1度コアを蹴り飛ばしたから片方の靴は消滅した。


勢いでやったが足溶けなくて良かった...


足痛いよ


靴を恵んでおくれ


あ、そのばっちいのはいらんぞ?








なんとかボスフロアまではきた。


10数体程度を3回撃破した。


キツかった。


魔石は毎回ペーターがボロの袋に拾って入れてくれるから助かるが


アースランサーも追加で2度使用した。


結構身体がしんどくなってきてるからそう多くは使えないな。


「凄いな!ボスフロアまでこれたしまだ時間もあるぞ!シスター助かるよ!!」


「いや、むしろキツイのはこっからだ。安心すんのは早い。気を引きしめろよ。」


ボスフロアの扉をあけた。













ボスフロアには想定以上のスライムがいた


その数300以上。


いや無理だろ、これで11階層?


難易度上がりすぎだろ...


そう思っているとスライムが集まっていく


くっついて大きくなっていく


これはあれだな


キングスライム的な奴だな。


こんなでかいんだ...


アパートクラスだ。


3階建30世帯って感じの横っちょだな。


「ペーターはそこから動くな。アースランサー!」


ペーターを隠すようにアースランサーを展開させる


キンスラと戦ってる時に他に考え事はしたくない。


ふむ。


でかいのにコアは普通のスライムと一緒


勿論レイピアでは届かないし、コアもさっきから内部で動きまくってる


んで即再生か、詰んでね?


「とはいえ諦めも出来ないし、時間もそんなに余裕があるわけでもないからな。試してみるか。アースランサー!」


中心を分断するようにアースランサーを展開しようとするもアースランサーが伸びる前にみるみる溶けていく


無理だな。


あっやばい。


一気にフラフラする。


「って、そんな時に酸弾飛ばすなよ!フェアプレー精神でいこうぜ!」


先に奇襲を仕掛けたのは俺だけどツッコミは不在だ。


アースランサーはダメ、レイピアも無理。


「ならこれだろ!ウインドストーム、からのウインドスラッシュ!インビジブルエアロ!」


こいつはすぐに再生する。


なら時間との勝負だ。


ウインドストームを収束させて中心から真っ二つに抉る


ウインドスラッシュでさらに半分、1/4だ。


恐らくこれを逃したら撤退することになる。


インビジブルエアロで片手全体を覆う形にして


「トドメだぁーー!」


コアを直接砕く。


「あっあぁああああああっ!!い、いてぇ。いでぇえええええ!」


い、痛すぎる!


やばい、死ぬんじゃねえか。


あぁ、そういやこんな痛いのあの時以来だな...


あの時?


なにかが一瞬頭を過ぎるが痛みでなにもかんがえられない。


「ジーク!!大丈夫か!」


ペーターか...


ペーターが俺の服を脱がして身体の表面を自身のボロで拭う。


持ってた水筒で全身を濡らす


「あああああああっっっ!!痛い痛い痛い!」


「ごめんジーク、でも水で残った酸を流さないと。もうちょっとだから、耐えてくれ。」


ーーーそこで俺の意識は途絶える。











ーーー「...ぃ、ぉろ、起きろ!」


ハッ!


「ん、悪い。起きたぞ、どうなったんだ?」


「どうなったかはこっちが聞きたいけど。目の前の土が崩れたと思ったらジークが大声あげてのたうち回ってた。」


あん?


ぁあ。


頭が動いてきた。


つまりはあれだな。


失敗したんだ。


思ったよりインビジブルエアロが腕をカバーしきれなくて右手を軽く溶かされた。


右手のくすり指なんかは骨がうっすら見えてる位だ。


今も死ぬほど痛い。


んでしかも最後にインビジブルエアロが霧散する時に全身に酸が跳ねた。


すぐにペーターが拭って流さなければ死んでたかもな。


コアさえ砕けば酸も全部消えると思ってたんだが...なんでこいつだけ消えないんだ?


失敗した。


「ボスは倒したみたいだけど、大丈夫...じゃないな。簡単にしか手当てもできてない。それにそんなに時間もないから悪いけど早く帰還しよう。」


あぁ、そうだった。


「目当ての回復薬は手に入ったか?」


「勿論あった。ジークに使ってやりたいんだけど...やっぱり一個しかなかったから...もう少しだけ我慢してくれ。多分夜になればギルドでも購入できるはずだから。」


そうだな。


11階層は出口付近に必ずドロップアイテムとは別に回復薬が置かれてる珍しい階層だ。


因みにスライムのドロップアイテムは霊薬


ありとあらゆる病も傷も癒すと言われる上位互換だ。


下位とはいえ回復薬でも十分機能する。


よし、帰るか。


「時間とらせて悪かったな。すぐに帰還しよう。」


「そんなに寝てないよ。魔石集めて回復薬探して拾ってきたら起こしたから10分も経ってない。時間は余裕があるけど、ごめん。急ごう。」











帰還してすぐに孤児院に向かう。


魔石とかの換金は当然後回しだ。


孤児院に到着すると


「シスター!回復薬を持ってきたんだ!これで助かるよ!!...あれ?」


シスターは普通の立っていた。


「ペーター、遅いじゃないか。ダメでも1度戻ってこいと言ったろう?シスターは30分程前に教会からの治癒士さんが間に合ってね、命をとりとめたよ。」


お爺さんがペーターに話しかける


ペーターは床に座り込んだ。


あれ?


完全に俺無駄骨じゃねーか!


骨剥き出しにするくらい頑張ったんですけど?


人生で間違いなく1番頑張ったんですけど?


「ペーター、ありがとう。大変だったでしょう?後から他の子がギルドに確認しに行ったら回復薬は売り切れていたって言ってたから...探し回ったんでしょう?本当にありがとう。私、皆のお陰で死なずに今もこうして生きてるわ。ペーターと皆のおかげよ。」


シスターは座り混んでるペーターの頭を撫でる


「し、しすたぁー!!いぎ、生きててよがったよぉおおお!!」


ペーターはずっと我慢してたんだろう。


多分時間に余裕はあるとか言ってたが、それでも不測の事態はありうる


もしかしたら間に合わないかもとも思ってたはずだ。


「本当に優しい子。貴方みたいな子がいるからまだまだ死ねないわ。それで...そちらの子はどなたかしら?ここに来たって事は回復薬を譲ってくれたのかしら。貴方もありがとうございます。おかげさまで生き長らえる事が出来ました。」


シスターはこちらに歩いてきて頭を下げた。


「いえ、実際は間に合わなかったんで。お役に立てずすいませんでした。」


非常に綺麗な女性だ。


ついでに胸もでかい。


「ジークって言うんだ!俺より小さいけどめちゃくちゃ強くて、俺を11階層まで連れてってくれたんだ!1人で無茶して回復薬を譲ってくれた良い奴だよ!」


「あら!冒険者さんだったのね。それも11階層を単独で...無理をしたんでしょう?だからペーターの服を身体に巻いて...こっちにいらっしゃい。回復薬と治癒魔術で癒します。お礼にもならないけど今も痛いでしょう?」


およ?


「シスターはうちの孤児院で唯一の治癒士なんだ!教会でも腕利きなんだけど、病気で魔術のコントロールが出来なくなって...」


なるほど


いくら王の遠征とはいえ王都に治癒士の1人も残さないのはおかしいと思った。


治癒士自体の数が少ないのもあるけど、腕利きを残したらその人自身が病にかかった...と。


絶望的に運がないな。


「布をとるわよ...これは酷いわね。重度の火傷状態に、右腕は1部壊死もしてるわ。これでは設備のないここでは治しきれないわね...回避薬を使ってもいいかしら?」


「どうぞ。本来は差し上げるつもりだったのに恥ずかしいですが。」


「名誉の負傷に恥ずかしい事なんてありません!回復薬だけでは跡が残りそうなので治癒も同時に行います。少し痒くなるかもしれないけどじっとしててね。」


そういうと魔術で俺の全身がうっすら輝く


あったかい。


回復薬がふりかけられ少し痒さを感じるが耐えられなくはない。


「ふぅ。これで元通りのはずよ。指動かせる?」


「動く。大丈夫だ、ありがとう。」


「少し残ったからついでに飲んでしまって。魔力も消耗したでしょう?少しはラクになるわ。」


ほえー。


それはいい事を聞いた。


ちょろっと残った回復薬を飲み干す


「まっず!!なにこれ?めちゃ苦いじゃんか!」


「良薬は苦い物よ。良く頑張りました。ホラ、お水をどうぞ。」


やべえ、シスターめっちゃ良い人じゃん。


惚れちゃう。


「ジーク顔がデレてるぞぉ?シスターは綺麗だろ?でも怒ると怖いんだぜぇ?」


「ペーター。命の恩人になんて事を言うの?それと、貴方も11階層まで行ったと言ってたわね?どういうこと?」


「うっ!...それは...」


「ペーターがダンジョンに1人で入ってくのを見た俺が止めに行ったら11階層まで連れてけって言ったんだ。何も出来なくてもただ待っててそのうちにシスターが死んだら後悔するからって。許してやってよ。こいつも命掛けでついてきたんだ。」


「ジーク!なんで言うんだよ!」


「嘘ついたら失礼だろうが。お前はちゃんと俺の言いつけを守った。なら普段はきっとシスターの言う事も守るんだろ?だったら緊急事態って事で大丈夫さ。ね?シスター?」


シスターがペーターの頭をゲンコツした。


うわっ!


痛そう...


ペーターがこっちを睨む。


い、いや。


だってさ。


流れ的にも許してくれそうだったじゃん?


「いつも言ってるでしょう?無理はしない。急いでても裏道は使わない。命は大事にって。私が助かっても貴方が死んだらどうするの!2度としちゃダメよ。どんな時にだって希望はあるの、自分だけでどうしようもない時は周りを頼りにしなさい。良いわね?」


「...はい。」


「よろしい。やっちゃいけない事だから罰を与えます。1週間トイレ掃除よ!」


「え、ええっ!そりゃないよシスター!」


「罰は罰。だけどねペーター、貴方の優しさはとっても嬉しい。その優しさは大事にしてね。ありがとう!」


これはずるいな。


そんな笑顔見せられたら罰なんていくらでも受けちゃうな。


「改めてありがとうジークさん。おかげでペーターも無事帰ってこれました。けれど...その大変申し訳ないのですが、今回の私の病気のせいでお金をとても使ったみたいでして...見ての通り貧乏な孤児院なのでお礼は待って頂きたいのです。」


「ああ、いらないよ。それとペーター魔石持ってるよな?それギルドに換金しに行って孤児院の皆で使ってくれ。」


多分ここの孤児院は金がない。


見ればわかる。


従業員は最初の爺さんとこのシスターだけっぽいし


あとは沢山の子供


それも小さな子供ばかりで、全員ボロを着ている


腕利きの治癒士、と聞いたが1人の稼ぎでは賄いきれないんだろう。


「そんな!この上頂く事なんてできませんよ!」


「いや、頂いたものは沢山ありますよ?まず俺はソロでのダンジョントライは初でした。自分を見直すいいキッカケになりました。それにペーターが俺を治療しなければ俺はボスフロアで今頃死んでますよ。だからそのお礼です。ですから感謝ならペーターに。」


ガラじゃないのはわかってる


けど今日いいもん見して貰ったからな。


金なら困ってないしな。


「そんな...私はどうすれば...」


「じゃあ早速皆で換金しに行って、そのあと皆の服を買いに行こう。そのあとには皆でご飯を食べませんか?シスターの復帰祝い、それに参加させて下さいよ。」


「ええ。ええ!勿論ですとも...腕をふるって最高美味しい料理を作りますからね!楽しみにしてて下さいね!」


「ジーク、カッコつけちゃって。でも本当にいいの?」


「いいさ、金は困ってない。それに1番カッコつけてたのペーター、お前だろう?あぁ、実にカッコよかったぞ。[ここで何もしなくてシスターが死んだら俺も死ぬ!]だっけ?いやぁシビれた。あの言葉に撃たれて俺は11階層に潜ったんだったなぁ。」


「お前っ!!...覚えてろよ?」


「あぁ、覚えてるさ。けど今日の夜は覚悟しろよ?酸弾程じゃないにしろとんでもなく痛いからな?」


「「え?」」


「あぁ、シスターには言ってませんでしたか。仮ですがペーターとパーティ登録して入ったんですよ。途中で見失った時なんかに登録してると感覚でどっちの方向にいるかとかわかりますから。けど恩恵はそれだけではなくて経験値を等分に与える効果がありましてね、たった2人で11階層のボスを含む全ての魔獣の経験値を得たんですから。それはもうとんでもなくレベルアップすると思いますよ?」


「ペーター...今日の夜は一緒に寝てあげるわね?大丈夫、治癒をかけながらならきっと耐えられるわ」


「おい!ジーク聞いてないぞ!このシスターの感じはとんでもない痛みの時だ!絶対死ぬ!」


「大丈夫、本当に死ぬほど痛いけど死なないから。」


「それは大丈夫って言わないだろうが!!」












その後楽しく皆で服を買って


皆で飯を食った。


終わってみれば最高の1日だったな!


「ジークお帰り。どこ行ってたの?それとそんな服持ってたっけ?」


「あぁ、さっき買ったんだ」


「いいね。ジークが選ぶ服は地味な物ばかりだけど、今日のはとっても良いよ。」


「さよけ。」


俺が選んでないからな


「それで今日朝着てた制服はどうしたの?」


「あっ!」


「え?」


「ああああああああっ!!」


「えっ?え?」


「どうしよう!!」


制服を失った俺は寮長さんにこっ酷く叱られてトイレ掃除1週間を命じられた。


ぐすん。


怒られるならキレイなシスターがいいなぁ。

めっちゃ時間かかった...


2話に分ければ良かったやもしれぬ...

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