猿のペンダント
宜しくお願いします!
とんでもない痛みに耐え終わり朝を迎え
現在4人はダンジョン前に集合している。
「勝ち逃げはダメだよぉ!ね?ね?このトライ終わったら1回だけやろう!」
「しつこすぎる!やらんつったらやらん!」
こいつ本当負けず嫌いな。
村でもたまにこういう条件付きでやった事があって何回か勝った事がある
勝ってからまた勝つまではほぼ永久的に言い続ける
普段はそこそこ大人ぶってるが、中身はまだまだ5歳児だな。
「どうしたんですかぁジーク君。なんだかデュラン君がくっついてますけどぉ。」
「聞いてくれるかマルカ。こいつ昨日勝負しようって言ってしつこくて1回だけやったんだけど勝ったら1日中このありさまだ。なんとかしてくれ。」
「ジークがデュランさんに勝った...!?どんなイカサマをしたんですの?」
「イカサマ前提で聞くのやめて貰っていいか?割と俺に有利な条件だったんだよ。デュランの攻撃を10秒間耐えきる、それだけ。」
「うーん。普通なら納得できるんですけどぉデュラン君から10秒はクラス全員でやっても勝てる気がしないんですけどぉ。」
まあ99%デュランが勝つだろうな
「全力で逃げに徹した。それだけ。」
「凄かったよ!2人にも見せたかったよ、ジークは本気になったら僕でも捉えられないよ。次は負けないけどね!だからさぁ1回だけ!ね?」
「やらん。」
「2人からも言ってよー!ジークが戦ってくれないんだよ。」
マルカは困った顔をしていた。
逆にシンディは平然としていた。
「全力のお前と何度もやってたらそのうち死ぬ。だからやらん。」
「んー、これはジーク君の言葉の方が正しい気がしますねぇ。デュラン君が夢中になって本気でやってたらそのうち捌けないかもしれないですしぃ。」
「ジークは死んでも構わないのでデュランさんと戦えばいいんですわ。今からでもいいですわよ?」
こいつ...やっぱ好かん!
マルカはええ子やな。
常識のあるええ子や。
「そうは言っても納得もしないでしょうし、期限を決めればいいのでは?今の時期に大怪我されても困るのでお休みの前日でダンジョントライしない日にするとか、日が決まってたらデュラン君もそこまでにはならないと思いますよぉ。」
「今日終わったら!終わったらどうかなジーク?」
「却下だ。期限か...休日はダンジョンに徹したいしな。今の時期に怪我は絶対ダメだ。なら、このダンジョンのコアを破壊したら1回模擬戦してやるよ!」
うん。
俺はダンジョン攻略に燃えているのだ。
今怪我をしては困る。
これなら筋が通るだろう?
「わかった!1週間以内にクリアしよう!毎日3、4層づつクリアしたら、いや今日休日なんだから10層位はいけるよね?ようし!張り切っちゃうぞ!」
「いや、無理だから。俺らがついていけないから。深夜の俺の泣き声聞いたろ?泣く程痛いんだぞ?」
「いや、レベルアップの痛みの問題ではなくてぇ普通に無理ですよぉ。」
「ダメ!やる前から無理とか禁止!全力で頑張ってダメだったら対策考えよう。じゃないとジークといつまで経ってもできない!」
「デュランさんの印象が少し変わりましたわ。勿論良い意味で。ワタクシも微力ながらお手伝いさせて頂きますわ。」
今の場面見て良い意味で印象とか変わらんだろ。
コイツはやっぱアホだな。
無理して日の出直後に集合した甲斐があり
7層はガラガラだった。
魔獣の数は多かったけど気合いの入りすぎたデュランが無双してダンジョンフロアまですぐだった。
「では打ち合わせ通りに。僕は2人の守りに徹する。シンディは牽制と状況を見てジークの周辺にフォローを。マルカは牽制とジークと離れた敵を狙うこと。ジークは好きなように敵を殲滅。以上!」
「俺だけ緩くない?1番危ないポジションなのに。」
「1番危ないポジションだからですわ。動きを縛るようなルールがあれば不測の事態に対応できないでしょう?少しは考えてから発言してくださいまし。」
「シンディと俺のポジション交換しよう。俺がシンディを打つ。」
「まあまあ。ボスフロアは目の前なんだ。気合い入れてこう!」
ボスフロアに突入すると聞いてた通りではあった。
今回のボスは猿だ。
てか実際に見るとすげー数だな。
牽制の矢が早速飛ぶ
うーん。
右辺りが薄そうだな、そっちから攻めるか。
うおっ!
投石の数がパネエな。
痛いで済めばいいけど...いや、壁が軽く抉れてる。
「アースランサー!アースランサー!」
それぞれ8個の土の槍が発生する。
狙いは猿がメインだ。
狐は直接狩る。
左から攻めてきた狐を切っていると右から出てきた狐に矢が刺さる。
致命傷ではないが動きが鈍った所を即座に切り捨てる。
好かんが、弓の腕だけはそこそこだな。
認めてやるよ。
弓の腕だけはそこそこだな!
ん?
「危ねえな!なんだこの大きさは!」
投石がでけえ!
投石を躱すと投げて来たのはボスだった。
こいつ邪魔だな、先にボスやっちまうか。
レイピアの魔術使ってもいいけど、ここは
投擲だ!
「そいっ!」
ビンゴ!
レイピアは猿の頭を貫いた。
周辺の奴らは予備の剣でサクサク片付けていく。
大した奴が魔石に変わるのは地味に助かるな。
どんどんフロアが広く感じる。
マルカの牽制のボーガンでこっちに狐が一気に来ないのもあってやりやすい。
およ?
もう最後か。
「これで終わりだ!」
「いつから魔術使えたんですの?それも中級を...まだ習ってないですし、ワタクシでも中級は使えませんのに。」
「才能かな。天才だから。」
「自惚れと言いたいですけどぉ残念ながら上級クラスの力を見せられたばかりでは言えないですねぇ。魔力量も学院で2番目ですしぃ」
「ジークは天才だからね。僕も鼻が高いよ。」
「お前にだけは言われたくねえな。ん?俺2番目なの?」
「え?言いませんでしたか?魔力量はデュラン君が1番多くて次にジーク君、僅差で学院長が3番ですよぉ」
聞いてないな。
それにデュランって魔術の才能がないって落ち込んでたのに魔力だけあっても。
「あ、因みにわかってるとは思いますけどぉスキルや闘気なんかも必要なのは魔力ですからねぇ。」
し、知ってたし!
「あれぇ?なにか変なのが落ちてますよぉ?」
変なの?
マルカが指差す方を見ると...ドロップアイテムだ!
「これは受付の人が言ってた首飾りだね。」
「実際見るとそこそこだせえな。」
「けれど効果は期待できますわよ?[ラッキーペンダント]装着者の運の値を上げるアイテムですわ。」
「猿の奴の投石が妙に狙いから外れないのも、微妙に当たったら致命傷になるような場所ばっかに投げてくるのもこれが原因ってことか?」
「流石にそこまで高い補正値はないでしょうが、そうですねぇ。売るのは勿体ない気もしますねぇ。」
「じゃあシンディがつければいいんじゃないかな?」
「ワタクシが着けていいんですの?」
「いんじゃね?良く似合うと思う。猿のペンダント。」
「運良くジークの頭に矢が刺さらないといいですわね?」
初のドロップアイテムはシンディが着ける事になった。
俺はいらん。
ダサいし。
8階層は蛇とトカゲだった。
似た者同士のコンビはどちらも毒使いでそこそこ厄介だった。
蛇は毒霧と毒の牙を
トカゲは尻尾に棘が複数ありそれを毒矢として飛ばしてきたりする。
ここは想定済みだったので毒消しの薬は多めに買ってきたのだが大抵デュランが瞬殺してた。
俺が1回食らったけど、毒って感じよりは全身が少し痺れるって感じだったな。
薬をのんでもすぐには回復せず、全快まで1時間近くかかった。
ボスも呆気ないもんで、デュランの飛斬で纏めて7割近くを切り倒して残ったのも瞬殺してた。
7階層もお前で問題なかったんじゃね?
因みにドロップはしなかった。
残念。
9階層までくると蝙蝠とカエルだった。
蝙蝠はスキルも使用してきた。
スキルは超音波的ななにかを発生させて近距離の相手の動きを鈍らせる
カエルは舌が異常に伸びてきてかなり気持ち悪かった。
8階層で暴れすぎたデュランが反省してしまったため結構時間のかかる攻略だったが、クリアできた。
今はボス攻略した直後だ。
「一応確認しますけどぉ帰還しますか?進みますかぁ?」
「進もう!1日も早くダンジョンを攻略する必要があるからね!」
「いやそれお前だけ。でもまあもう1層位はいいんじゃないか?確か10層まで行くと中級冒険者扱いされるんだったろ?」
「えぇ、その通りですわ。こんなに早く10層まで来れるとは思いませんでしたが。」
「規格外の化け物がいるからな。」
「友達に向かって化け物は言い過ぎだと思うけど?」
「え?なんて呼べば良かった?怪物?」
「話しが逸れてますよぉ。満場一致で次に行くって事でいいですねぇ?」
10層に向かう事になった。
10層までは傾向も確認したし良いだろ。
確か次の魔獣は...
目の前に5m級のゴーレムがわんさかいる。
「10層は魔獣が1種のみでしたわね。しかし数も大きさも凄いですわね、聞いてたよりも厳しそうですわ。」
ふむ。
固そうだ。
胸にコアがあってそこを突けば破壊できるのだが奴らはそこを守るように動く
マルカは勿論、シンディもキツそうだな。
矢では相性が悪い。
「とりあえず1回様子見で行ってくるね!」
笑顔で飛び出すデュラン
なんの心配もしてないが
バトルジャンキーのその性格だけは心配だ。
将来傭兵とかになって戦争とか自ら起こして「ところがギッチョン!」とか言わないで頂きたいものだ。
剣で軽く腕を切ってる。
石の断面が綺麗に見えるがゴーレムは止まらない。
コアをすぐさま砕くと魔石になっていた。
1体倒して要領を得たのか瞬殺していく。
何故か剣をしまって腕と蹴りで破壊しまくっていた。
「闘気で剣をカバーしないと剣が折れちゃいそうで。」
「知ってる?普通は剣の方が腕より硬いんだよ?なんのために剣持ってんのお前」
「それは私も言いたい事でしたので遠慮無く言って下さいぃ。」
「魔力の節約したのに酷いよ!」
「これはフォローできませんわ。」
マルカは完全に傍観していて、シンディの矢はたまにコアを貫く。
ほぼほぼ俺とデュランで倒した。
攻撃はそこまで早くないので躱して胸を刺すだけだ。
レイピアではリーチ的にガードしてもダメージ食らいそうだ。
因みにデュランの聖剣はダンジョンに入ってから1度も使ってない。
デュラン曰く「強い相手じゃないと戦いたくないみたい。」
くそワガママ。
アニメとかラノベとかで良くある設定だけど、使えない剣持ってるのって無意味じゃね?
それで主人が素手で戦うとか...
重いだけじゃんか。
捨てちまえそんな聖剣!
ボスフロアに入るとボスはすぐにわかった。
サイズは一緒なのだが見た目が違う。
正確に言うと材質が違う。
銀、ではないな。
なにあれ。
「あれは!白金ゴーレムですよぉ!レアボスですぅ!このダンジョンが出来て一度しか出現した事がないって話しだったのに。それも負けたらしくて倒した者はいないそうですよぉ!」
「ほーん。なんでそんな興奮してんの?綺麗だから?」
「本当にジークは馬鹿ですわね。まずレアボスは本来のフロアボスよりも遥かに強いのですわ。ここのボスは本来シルバーゴーレム、白金は15階層クラス、下手したらそれ以上ですわね。」
「それだけじゃないですよぉ!このレアボスはどうかはまだ前例がないので不明ですが、基本的にレアボス出現時は倒すとドロップアイテムが出るんですよぉ!レアボスのドロップアイテムはボスフロアでレアボスが出現した時にしか手には入らないので通常のドロップアイテムよりさらにレアなんですよぉ!」
「ほーん。それは高値で売れるの?」
「間違いなく売れますぅ!」
「やるか!」
「現金な男ですわね。」
「強いんだよね?僕がやってもいいかな?」
「任せた。他のゴーレムは俺が...ってあれ?」
さっきまで石のゴーレムがなんだか銀色に...
「白金ゴーレムのスキルですかねぇ。他のゴーレム全てシルバーゴーレムなりましたねぇ。それも数も増えてます。100体は越えてますねぇ。」
「これキツくね?」
「下手したら20階層クラスですねぇ...私とシンディさんは相性も悪いですから戦力になるとは言えませんが...ここで魔力の出し惜しみをしていたらダメですね!」
「そうですわね。ワタクシも使いますわよ!」
マルカが俺とデュランに初級の強化魔術と防壁魔術を展開した。
「強化魔術は魔力を多めに使ったので数分は保ちますぅ。防壁は維持している間は魔力を消費し続けるので出来るだけ早めにお願いしますねぇ。」
そう話してる間にシンディが矢に魔術を付与して放っていた。
「ウインドアロー!」
速度も貫通力も上がるがレベル上がった今でもそんなには使えないらしい。
見事にシルバーゴーレムの腕の守りを貫通してコアを破壊したが...
「破壊したゴーレム分後ろで新たにゴーレム作成されてますねぇ。遠距離攻撃がないのが救いですが持久戦に持ち込まれると厄介ですぅ。白金ゴーレムは1番後ろにいますしぃ。」
「いくらレアでも危険ですわ。2人が前にでたら自衛手段も取れませんし撤退を!」
「えぇ!?そうかぁ...あいつとやりたかったなぁ。」
「うーん。デュラン、ちょっと危険な作戦があるんだけどやるか?」
「やる!」
「聞いてからにしろよ、ってあいつらとはまだ距離があるにせよ時間はそこまでないから簡単にいうぞ。アースランサーを伸ばしてレアゴーレムまで伸ばすから先頭に乗ってぶっ壊してこい。こっちは俺が守るから。んで倒したら他のゴーレムも倒してこい。こっちは俺が守るから。」
「酷すぎる作戦ですわね...」
「正直あの群れに1人でいくのは危険過ぎますぅ」
「行く!早くやっちゃって!」
「おしきた。いくぞぉ、アースランサー!」
「え?ちょ、あぁ!!2人で勝手にぃ!!」
「マルカ、俺の防壁は解除していいからデュランの防壁は維持し続けて。」
「あぁ!もぉわかりましたよぉ!」
「とんでもないですわね...覚悟は決めましたわ。ワタクシも残りの魔力で援護を」
「いやしなくていい。まだわからんが倒したゴーレム再生をこっちの近くでやられる可能性もある。俺では2人を守りつつじゃあ5体が限界だ。」
「大丈夫!白金ゴーレム倒すまではシルバーゴーレムを倒さ無ければ増えないって事だろー!?」
「そうゆうことー!」
「変に息ピッタリですわね、今窮地だってわかってますの?」
「え?窮地じゃないよ。多分白金倒してこっちにゴーレム全滅させつつ戻るまで3分かかんないんじゃないか?俺の予想だとそれまでにこっちに辿り着くゴーレムは多くて3、4体。楽勝だよ。」
ホラ
デュランが闘気解放した。
あれを見てなきゃ俺も提案しなかったけどね。
「結局こっちに来たゴーレムは1体だけだったな。」
「無茶苦茶ですわ...」
「楽しかったよ!あの白金ゴーレム動きも早いし、コア周辺に防壁展開するし、腕切ってもすぐ再生するしで強かったよ!」
「そうですかぁ...そんな相手に魔力が半分も残ってるってどういう事なんでしょう」
「マルカ、考えるな。こいつは化け物。それだけわかればそれでいい。」
「酷いよ!頑張ったのに!」
「それでドロップアイテムはこの白金の杖?だけですわね。」
「杖っていうには先端が尖ってるけどな。竹槍みたいだ。」
「持ち手にある魔石は凄く大きいですねぇ。特殊な能力があると見て間違いないですが。」
「じゃあマルカ一度使ってみてよ!」
「いいんですかぁ?」
「使ってみないと売るか使うか選べないじゃないか。」
それもそうだな。
「ではいきますよぉ。念のため少し離れて下さいねぇ。」
マルカが杖に魔力を込めると地面に召喚陣的なのが浮いてくる
これさっきシルバーゴーレムを作成してた時の陣とそっくりだ!
「うぅ、魔力がごっそり...すいません足りなさそうなんでジークさん背中に手をあててくださいぃ。」
「こうか?俺魔力の渡し方とかわからんぞ?」
「私が勝手に吸いますからそのままでぇ。あーなんとかなりそうですねぇ。」
手からどんどん力が吸い取られていく感じがする。
あれ?
ちょっと?
フラフラしてきたんですが?
そろそろきついと伝えようとしたら陣が光った!
「シルバーではなくて白金ゴーレムが召喚されましたねぇ。魔力をあんなに使うわけですぅ。」
マルカはゴーレムの手に乗ってはしゃいでいた。
お前なんでそんな元気なの?
俺もう立ち上がれないんだけど。
絶対多めに吸って自分の魔力にしたろ?
「これはマルカが持ってた方がいいね。凄いマジックアイテムだね。」
「あれほどの強さを持つゴーレムを作成できるなんて...これ実は国宝級だったりしませんこと?」
「10層で手に入るアイテムじゃない事は間違いないと思うな。」
「凄いですぅ!このゴーレムお手もできるし、言う事なんでも聞きますよぉ!」
ゴーレムにお手させんな。
そのサイズ感だとマルカの方がペットみたいだ。
「んじゃ今日はここまでって事でいいな?全員魔力もないし。」
「だね。今日は大満足だったよ!」
「ワタクシは死を覚悟しましたわ。できればこういうハプニングは避けたいですの。」
マルカは話しを聞いてないでゴーレムに夢中だ。
「マルカ、そろそろ帰るからゴーレム一旦消してくれ。」
「え?...これ、どうやって消すんですか?」
「え?」
「え?」
え?
ゴーレムに聞いても頭を振っていた。
消せないらしい。
ついでにちょっとショックだったみたいでしょげてた。
こいつ意思あんのかよ!
マルカは愛着が湧いたらしくゴーレムに[ゴー]と名付けていた。
ゴー君、ゴー君と呼びまくっていた。
そんなに可愛いならもうちょいマシな名前つけてやれよ。
そんなゴー君に俺は担がれて帰還した。
歩けないのだから仕方ない。
元々はお前のせいだしな!
「マルカも寮住まいだったよな?絶対ゴーは寮入れないぞ?」
5m級なのだ。
入れるわけない。
「学院長に相談しますぅ。ゴー君と一緒に暮らしたいですぅ。」
絶対無理だから。
そんなこんなでギルドに到着した。
ギルドまでの道中すんごい見られた。
昼間のせいか、人も結構多い。
結構はずいな、けど歩けないのだ。
仕方ない。
「ギルドに報告してきてくれ。俺はゴーと一緒に待ってるから。」
「いいですけどぉ、目立ちますよ?」
「いやいい。なんかひんやりして気持ちいいし。」
「少しは人目を気にしなさいな。戦闘時と普段で別人みたいですわ。」
「うっさい。はよいけ。」
「じゃあ行ってくるから大人しくしててよ?」
「動けんっつうに」
ギルド前で待ってると前から歩いてくる人影に見覚えが
あぁ確か
「よぉ!坊主、元気してるか?してなさそうだな?つうかこのゴーレムはなんだ?シルバー...じゃねえな。白金か?なんでこんなもんに乗ってんだよ?」
「よぉザック。説明すんのめんどいから察してくれ。」
アビスの連中だ。
「察せるかよ!つうか久しぶりにみたなぁ白金ゴーレム。何年ぶりだぁ?作り物にしちゃぁよくできてんな。」
「作り物つうか本物だからね。ザック見た事あったんだ?あぁそういや1度発見された事あるって言ってたなぁ。あれアビスだったんだ。」
「は?本物?召喚...錬成?わからんが白金ゴーレムのマジモンなのか?」
「マジモンだよ。10層のボスがたまたまこいつで倒したら杖がドロップした。んで使ったらこいつが出てきた。魔力持ってかれすぎて俺死亡。おわかり?」
「わかるか!もっと詳しく説明しろよ!」
いや、かなり丁寧に説明したろ...
「マジかよぉ、あの時倒せてればなぁ。でも話し聞くと今でもキツそうだ。100体のシルバーゴーレム相手にしながら白金は難易度高すぎるだろぉよ。」
「うちにエースが頑張って1人でぶっ飛ばしてた。ぶっちゃけ俺らなんもしてない。」
「マジかよ!勇者ってのは強いってもんじゃねえな。」
「あれを同じ人と思っちゃイカン。だから落ち込まなくていいぞ。」
「人じゃなかったらなんなのさ。大人しく待っててって言ったのに。」
デュラン達は割とすぐに帰ってきた。
スキンヘッドのおっさんを連れて。
「おぉ、丁度いいな。アビスの連中もいるじゃねえか。どうだ?以前見た白金と同じか?」
「よぉギルドマスター。同じだな。強いて言うなら以前見たやつよか強そうに見える。ついでに言えば前に見た時はコブ付きじゃあなかったな。」
誰がゴーレムのコブじゃ。
「やはりか...ならこいつは白金のゴーレムで決まりじゃな。1日でドロップアイテムを手に入れて、さらにレアボスまで引き当てるとはなぁ。勇者のパーティは運も強運だな」
勇者補正とかあんのかな。
強運かぁ...
強運!?
「ギルドマスター?でいいんだよな。1つ聞きたいんだが今迄に猿のペンダントがドロップした事は何回ある?」
「ん?そうだ、俺がギルドマスターだ。これで2回目だな。あの階層はボスが2種類いる事もあってもう1つのダークフォクシーのドロップは違う物が落ちるのもあってな。」
なるほどな。
「因みにその時のペンダントはどうした?誰が使ってる?」
「ん?販売したぞ?大商会が購入していった。結構な高値で売れたな。」
「おっさんそれめっちゃ勿体無かったよ。多分。」
「ん?高値で売れたぞ?どう言う事だ?」
「確証はないけどね。あのペンダント運を上昇させるもんだろ?んで普段の効力がそこまであるかはわかんないけど、あのダンジョンではかなり強い運の上昇が見込めるんじゃないか?それこそ...レアボスが出現するような強運を。」
「まさか!そこまでの効果が...無ければたまたまにしては有り得ないな。まさか!まさか!!」
「多分このダンジョンの裏ステージを知るキーアイテムなんじゃないか?他の階層でボスが2種類あるフロアはあるか?」
「確かに...今の階層までだとないな!あぁ!俺はなんてことを!」
「購入した金額の3倍でも買い戻す事をオススメするよ。」
「ぁああああああ!なんてことを!俺はなんてことを...」
おっさんは項垂れていた。
まあ売った先がわかってるだけでも良かったじゃないか。
「おい!その話しマジかよ?7階層だろ?」
「まあ確証はないけどね。欲しいなら早めの周回をオススメするよ。多分ギルドはすぐには発表しないけどね。」
「ん?なんでだ?」
おっさんはまだ項垂れてこっちの会話に気付いていない
「だって今発表したら買い戻せないだろ?どうせ1/100のさらに1/2。すぐにはでないさ。てか1/2じゃ多分無くて、ダークフォクシーのパターンの方が多いんじゃないか?そこまで重要視されてなかっただけで、どうせきちんと調べてないだろ。じゃなきゃ今迄で2回しかドロップしてないは有り得ない。」
「確かにな...俺らが以前クリアした時もダークフォクシーだ。」
「もしくは出現条件...かな。」
「出現条件だと?」
「例えばボスフロアに辿り着く前のザコ何体倒したかとか、狐を10回倒すと次のボスは猿とか、あるいは時間帯とかかな?狐って夜行性だっけ?」
「まさか...因みにお前らのクリアした内容は?」
「ボスフロア前のザコは殲滅。時間帯は他の冒険者を避けるため早朝。」
「有りうるな!よっしゃ、野郎ども!明日は朝イチで7層周回すんぞ!」
確証はないけどね。
その後おっさんは俺らが帰るまでずっとうなだれていた。
ドンマイ。
突然の体調不良で休日どこにも行けませんでした。
おかゆ久々食べたらうますぎてめっちゃおかわりしました。
そんでめっちゃ吐きました。