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アビス

宜しくお願いします!

4層に到着すると早速マリオネットは現れた。


見た目はまんまマネキンなんだが


両手が刃物になってて結構怖い。


「とりあえずさくっと倒してくるけど、なにかあったら言ってね。」


「スモークにはお気を付けて。」


そんな心配はいらん。


多分倒してくるって言ってるのは目の前の3体だけを指してるのではないしな。


突風のように消え去るデュラン


一瞬にして魔石になるマリオネット


それでもデュランは帰ってこなかった。









ーーー帰ってきたのは30分程してから


「思ったよりこのフロア広いね。魔石集めにちょっと時間かかっちゃったよ。」


「30分でフロアモンスター全部片付けたにしては早すぎるだろ。」


「本当にデュラン君は規格外だよねぇ。全部やっちゃうなんて。」


「素晴らしい手際ですわ。ボスフロアまでの道を案内して頂けます?」


「あー...それなんだけど。」


もうわかった


この顔はやり過ぎたのを自覚してる顔だ。


「ボスフロア攻略したろ?んで扉開けっ放しにしてるとかそんなんだろ?急いでいくか。」


「それは...いいんですの?」


「一応問題はありませんね。フロアによって魔獣の再出現時間は異なるそうですけど、ボス撃破時は再出現までボスフロアは素通りできます。」


ほーん


時間短縮でいいんじゃない?









5階層に辿り着くと黒い兎がいた。


可愛い。


頭に角さえなければ。


「ダークラビットですわね。素早く、角での攻撃がメインですの。刺されれば状態異常で動きが鈍りますわ。」


「そんなんばっかだな。ほんじゃ今回はデュランお休みで。」


「えぇ!?それは酷いよ!」


「お前が強いのは知ってるけどお前だけが活躍してたら後半にはお荷物3人がいるだけになる。上層のうちに経験を積ませとけ。」


「言ってる事は最もなんですけどぉ、ジーク君の発言とは思えませんねぇ。」


うるせえ。


単純にこいつの「楽しい!もっとしたい!」って顔がムカついただけだ。


「危なくなったらフォローに入れよ。」


「わかったよ...早く6層に行こう。僕がナビする。」


ーーーデュランのナビは的確だった。


ボスフロアまで最速のルートだったんだろう。


思ったより早くついた。


「ジーク君も十分強いですねぇ、1回も攻撃を受けずに捌いて。デュラン君がいるとついつい忘れてしまいがちですが上級クラスは伊達ではないですねぇ。」


「褒める時はもっとストレートに言ってもらった方が嬉しいよ。」


「普段の怠けさえなければこのような言われ方しませんの。才能はあるのですから精進なさいな」


「お前は褒める気ねえだろ?」


といっても俺だけでここまで来たわけじゃない


シンディの牽制の弓に数が多い時は槍にて参戦もする


こいつは元々Aクラスのトップだったんだ。


そこそこには強い。


同時に二体までは任せていいだろう


「ボス攻略といこうか。ここも僕はお休みなのかな?」


「まあボスだし、いいんじゃないか?1人で全部やらなけりゃ。」









やっぱりボスはちょっと大きな兎だった


基本は一緒なんだな。


問題なく突破出来た。


「一応今回も聞きますけどぉどうします?帰還しますか、進みますか?」


「進もう!僕はまだもうちょっと戦いたい!」


「よっぽど見てるだけがキツかったんだな。」


満場一致で進む事になった。


まだ余裕もある。


魔術は誰も使用してない


問題はないな。


「1つだけお伝えしますわね。次の階層から複数の魔獣が現れますわ。6層はスケルトンとグール。ジークがゾンビと言うあのグールですわ...」


「ゾンビの感覚早くない?あれが今後頻繁に出るようなら攻略できないんだけど。」


「一応対策として鼻に詰物とぉ、マスク、手袋は用意しました。流石にここで魔術を乱発するわけにもいかないので普通に攻略しますよぉ。」


ですよねぇ。







スケルトンはグールより早いけど特に魔術も使わないし攻撃も軽い


楽勝だった。


ボスフロアまで辿り着くと他の冒険者とかち合った。


「ガキがこんな所までこれんのか、最近の学生さんは強いな。悪いがボスは先に攻略させて貰うぜ?」


4人組の20代前半の男達


そういやダンジョンに潜ってるのに他の冒険者と会うのは初めてだな。


「どうぞ。こういうのは早い者勝ちでしょう。」


「お?ちっこい癖に理解があんな坊主。んじゃさくっとやっちまうから待ってろ。」


ーーー5分程で騒音は止んだ


扉を開けると魔石を回収中だった。


「よぉ、待ちくたびれたか?ここのボスから稀に落ちるドロップアイテム狙いだったんだがようやく手に入ったぜ。見ろよこれ!」


ドロップアイテム狙い?


「これは...ドクロの指輪?」


「そうさ。グールキングの指輪さ。装着者には対腐食の効果がある。18階層以降で役に立つのさ。」


「それは凄いね!いいのかい?僕らにそんな事を教えてしまっても。」


「別に構やしねえさ。今どき1層からここまで律儀に下ってきた奴らさ、少しくれえ情報を与えてもいいだろうよ。」


「ん?どゆこと?なんか裏技みたいのあったの?」


「まさか知らねえのか?5層までは実入りも少ねえし、敵も弱い。ドロップアイテムは落ちねえってんで大抵の奴は10層、初めての奴らでも7層からトライすんだよ。既に攻略してるパーティに金渡してな。掲示板に貼ってあんだろうが。」


はぁん


そうゆう事か


7層からってのはつまり


「グールは6層までしか出ないって事ですわね?」


「そういうこったお嬢ちゃん。俺らみたいなドロップアイテム狙い以外はまずこねえな。」


マジかよ...


「そう気を落とすなって。別に無駄になるわけじゃねえだろ?お陰でこうして会えたんだ。俺はザック、パーティ名は[アビス]だ。宜しくな。」


「ありがとうザック。僕はデュラン、こっちはジーク。シンディにマルカだ。パーティ名はまだ決めてないんだ。まだダンジョントライ2日目でね。良い事を聞けたよ。」


ザックは犬耳の獣人


後ろにいるメンバーも全員獣人だな。


気のいい奴らみたいで握手してくれた。


「今最強と話題の勇者様とお近づきになれて光栄だよ。またな!」


あ、気付いてたんだ。


そうして彼らは転移石で帰還していった。


あぁ、グールと会わなくていい方法があったなんて...


あの受付嬢教えろよ!!


異世界のギルドは優しくはなかった。

ブックマークが増えてる!


めちゃくちゃ嬉しいです。

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