マルカ先生
宜しくお願いします
12階層に着くとマルカがゴーから降りた
「ジーク君も降りて下さい。まずはゴー君の性能テストからですぅ。ここの階層は相性もいいので心配はしていませんがゴー君の邪魔をしないで下さい。」
「へい。頑張れよゴー。」
ゴーは頷くと俺を丁寧に下ろした
「ここ何日かでいくつかわかった事がありますぅ。ゴー君はすでに1個の生命体として確立しているみたいでしてぇ、成長もしますし普通に生きてますぅ。」
「成長すんの?こいつ何食うの?」
「基本的にはその辺の石ですねぇ。いくつか鉱石を購入して渡したら喜んでましたよぉ。ダンジョンの石は食べれますかぁ?」
ゴーは壁を軽く砕いて食べてみせた。
美味いのか結構食ってた。
「なのでぇ、ゴー君の魔力と私の魔力はリンクしないので自由に戦闘してもらえますぅ。今後はスキルやもしかしたら魔術も覚えるかもしれませんねぇ。」
「そいつは便利だな。でもそれじゃボスフロアに入れる人数に1人としてカウントされんじゃね?」
「いいえ、問題ないですよぉ。テイマーなんかが従魔を従えて攻略する際も問題ないようですのでぇ。」
「それ超有利じゃんか。それにゴーは確かシルバーゴーレム量産スキル持ってるよな?あれ使えんの?」
「勿論ですぅ。ダンジョンボスの時とは違い、魔力は有限ですのでぇそう多くは使えませんが最大で20体召喚できますよぉ。」
「20体でもすごくね?ここよか強い階層に行っても時間稼ぎにはもってこいじゃんか!」
「デメリットもありますぅ。ゴー君は限界まで魔力を消費するとその場で寝ちゃいますぅ。8時間は起きないので割と困った事になりますよぉ。」
「寝すぎだろうが!」
ダンジョン内で8時間とか
再発生も含めてピンチしかない
「そうですねぇ、それとゴー君が作成したゴーレムは生命体にはならず、時間にして30分程経つかコアを破壊すると消えますぅ。その際にゴー君はとても悲しがるのであまりむやみに作成もできないですよぉ。」
「なんてつっこんでいいのか困るな」
「そんなわけでぇゴー君には別の有用なスキルを修得して欲しいんですがぁ、種族的なスキルはレベルが上がれば勝手に覚えるのでいいんですがぁなにかいいスキルはありませんかぁ?」
「なに?レベルあがると勝手に覚えるの?」
「魔獣に限った事ではないですよぉ。獣人なら咆哮や威嚇、後は嗅覚上昇とかですねぇ。割とそういう種族も多いですよぉ。」
「人はないのか?」
「人はまちまちですぅ。エクストラスキルやユニークスキルといったスキルを修得しやすい種族らしいんですけどぉ覚えない人の方が多いですしぃ、そもそも覚えるレベルが高すぎてそうそう辿りつかないそうですよぉ。」
「ダメやん。人は外れ種族か。」
「全体で見ると弱い方の種族にはなりますねぇ。けれど絶対数が1番多いので結果的には強い、事になるんでしょうかねぇ。」
「個ではなく数の力ってか?」
「そうなりますねぇ。と、話しが脱線してますよぉ。なにかおススメのスキルはありませんかぁ?」
「俺スキル一個もないんだけど?」
「デュラン君に聞きますねぇ。大丈夫ですよぉ、期待してませんでしたからぁ。あ、違いますよぉ!ゴー君には期待しかしてませんからぁ!ジーク君の話しですよぉ!」
「ナイーブなゴーレムってどうなの?」
「とても可愛いと思いますぅ。」
マルカはいつかゴーと結婚するとか言い出すんじゃないだろうか
俺は応援しよう。
「いいですか?くれぐれも油断は禁物ですぅ。守りを最優先にしてコアはなにがなんでも守って下さいねぇ?」
「心配性だな。大丈夫だって、白金だぞ?この辺の魔獣にやられるわけがない。」
「万が一もありますしぃ、初戦闘ですからいくらしても心配のしすぎなんて事はないですよぉ。」
「ゴー、大丈夫だよな?ほら、過保護にし過ぎても成長しないぞ、ってなにそれ?」
「え?ゴー君用の防具ですよぉ?普段は邪魔になるかと思って背中に装着してるんですがぁ、胸につければ、ホラ!とっても似合いますよぉ!」
ゴーの背中からペリっと剥がして胸のコアを覆うようにプロテクター的ななにかが装着された。
「それもしかして、ゴーの身体を素材に?」
「はいぃ。ゴー君の身体はダンジョン外であれば消える事はないのでぇそれを自分で形を整えてもらいましたぁ。痛みはないそうなのでいくつか部屋にもゴー君の腕やら足やらがいくつかありますよぉ」
「凄いけどグロくないか?」
「そんな事言ってると今頼もうとしてる白金の剣やら防具やらはジーク君にはあげませんからねぇ?」
「ゴーは凄えな!最高かよ!これでいい?」
「はい。次はもう少し感情も込めて下さいねぇ?あっ、ようやく現れましたねぇ?」
剣と盾もった骨と大剣を持った鎧が現れた
「スケルトンナイトとアーマーウォリアーですね。12階層は数は中層で最も少ないですが難易度は高いですぅ。スケルトンナイトは剣技系スキルを多用しますしぃアーマーウォリアーに関してはそれに加えて状態異常の魔術も使用するのでぇ。」
相性いいって言ったのわかったわ
「ゴーレム系に状態異常は効果ありませんしぃここの魔獣の攻撃力ではゴー君の身体に傷をつける事はできませんのでぇ。」
「無敵やん!さっきから骨が何回か剣当ててるけどすげー可哀想になってきたよ!」
「敵に同情されてもぉ...ゴー君はまだまだ攻撃を躱したりとかって技術がないですからぁ今後の課題ですねぇ。」
骨も鎧も一撃で破壊されてた。
「なぁ、これ俺らって必要あった?」
「なに言ってるんですかぁ?ゴー君の初の戦闘なんですから応援しに行かなくてどうするんですかぁ?」
そんな運動会に行く親的な発言されてもね
「いや、結局ボスも一撃だし俺マジでなんもしてないよ?」
「サボり魔のジーク君とは思えない発言ですねぇ。」
「しまった!楽出来て良かった!次もこの調子で頼むよ!」
「残念ながら次は私達のコンビで突破する予定ですよぉ。ゴー君には私の護衛に回ってもらいますのでぇ。」
「自分だけずるいや!俺もゴー君に守ってほしい!」
「ジーク君の方が強いじゃないですかぁ。」
そんなわけで12階層はなんなくクリアした。
13階層に到着するとおかしな事になってた
魔獣がいないのだ。
いやおかしい。
「マルカどういうこと?」
「おそらくですがぁ、デュラン君達が攻略したあとじゃないかとぉ。」
「いやいや、デュラン達が攻略したって、俺達の方が深い階層スタートでボスフロアもクリアしたばっかだぜ?攻略時間も普段よりかかったにしろ1時間はかかってない。それに魔獣の復活まで最低でも30分はかかるだろ?」
「わかってますよぉ。恐らくは5-10分程で11階層を攻略して、その後同じペースで12階層をクリア。私達が12階層のボスに到着した際にはすでに倒された後、ということでしょうねぇ。」
「全然理解できない。俺らが一直線で雑魚無視しても10分じゃボスフロアにたどり着くのさえ厳しいぞ?」
「多分ですがぁデュラン君が2人を担いで進んだんでしょうねぇ。シンディさんはデュラン君に甘いですしぃペーター君は初めての攻略でなにも言えないでしょうからぁ。」
意味わからん
ボスフロア前に到着すると本当に3人がいた。
ペーターは青い顔
シンディは赤い顔をしてクネクネしてる
つまりはマルカの予想が当たっていた
「お前今日のトライの意味わかってんのか?これじゃ訓練にならんだろうが!!」
「え?凄い訓練になったよ?2人を担ぎながらの最短での攻略。結構意義はあったと思うけど?」
「デュラン君は帰ったら罰を...いえ、このあと2階層攻略しますがぁ、戦闘には参加させませんのでぇ」
「えぇ!?ちゃんとやったよ!ねぇ?」
「そうですわね!デュランさんはこれ以上ない戦果をあげましたし、かつボスフロア以外ではわざわざ別れる必要もないのでは?ならば急いで合流した方が効率が良いという判断からですわ!」
ね?というデュランにマルカはしかめっ面だ
「こんなデタラメとは思わなかったぜ...中層の冒険者ってすげーんだな...」
「それは違うぞペーター。中層の冒険者が凄いんじゃなくてデュランがデタラメなだけだ。一緒にしたら冒険者に悪い。」
「そんな事ないよ。中層冒険者は皆凄いんだよ。ね、マルカ。僕の判断は間違ってないでしょ?」
「あくまでパーティ全体の効率を考えてというklとですねぇ?」
「勿論だよ!」
ジークは満面の笑みで言っていた。
嘘ではないだろう
ジークが嘘なんてつかない
けど本音も言ってない
「わかりましたぁ。そういう事なら次からの階層はぁデュラン君は見学ですぅ。」
「え!?」
「私としてはシンディさんの強化が最優先だと思ってますしぃ、ペーター君もいるので指導して欲しかったんですよぉ?それがパーティ全体のためですぅ。パーティの為というならぁ、見学して皆さんの動きや癖をよく覚えておいて下さいねぇ?帰還したら確認しますからぁ。」
マルカは強い
あのデュランが絶望的な顔をしていた。
あんな顔見た事ない
スカッとしたぞマルカ!
「では前衛をジーク君とゴー君に、シンディさんは中衛で私とペーター君が後衛で行きますよぉ?なにか意見はありますかぁ?」
「い、いえなにもないですわ!ワタクシ全力で戦います!」
「はい。期待してますよぉ?次の階層ではシンディさんとジーク君の位置を入れ替えますからぁお二人の動きよぉーく見てて下さいねぇ?」
「ええ、完璧にこなしますわ!」
あのシンディすらビビっている
マルカの笑顔が相当怖いらしい
「なぁジーク。このパーティで1番強いのってマルカなのか?」
「そうだよ。マルカが最強だ。だから決して怒らせるな。」
「女ってあんな顔して怖えんだな...」
マルカの意見に口を挟む者はいなかった。
13階層の魔獣はガスの集合体的なのと1つ目の巨人だった。
ボスは1つの巨人
「道中にいたサイクロプスよりも遥かにでかいですわね。」
「しらんがな。お前らが一匹も残さないんだから。弱点は?」
「コアは胸にありますが、目を攻撃すると見えなくなりますので目から狙うのが定石ですわね。もっともデュランさんは一撃でコアを破壊し続けてましたが。」
「デュラン君と同じ戦法ではできないのでこちらは定石通りでいきますよぉ。石剣とはいえあれだけ巨大だと掠っただけで致命傷ですから防ぐのではなく必ず回避して下さいねぇ。ゴーストは実体がないように見えますが中心部にコアがありますぅ。例によってデバフ系の魔術を使用するので先に倒しましょうかぁ。」
「んじゃ俺はどっちを?」
「ジーク君はゴーストを出来るだけ最短で。ゴー君はサイクロプスを。シンディさんは劣勢の方のフォローを。私は防壁を張ってペーター君と後方にいますのでゴーストの魔術かダメージを負ったら後方へ避難して下さいねぇ?」
「俺まだダンジョンにきてなんにもしてねえ...」
「それはペーター君のせいじゃないですよぉ」
「ほんじゃいくか!」
「いや、近づいた瞬間に黒霧で隠れるにはどうかと思う」
ゴーストはコア以外実体がない。
通常攻撃でもコアを砕けば瞬殺だ。
けれど肝心のテニスボール程度の大きさしかないコアが見えなければとても当てられない
ゴーストは自身の周辺にそれぞれ黒霧を撒いている
もうあっち側は真っ黒だ。
とはいえここにいてもなにもならんな。
ゴーの方に行けば視界が塞がれてサイクロプスは上空からやりたい放題だ。
「試すか。インビジブルエアロ!」
レイピアに風を巻く
これで...ダメか
やっぱこの範囲の広さにこれじゃ効かないな。
出し惜しみしてても仕方ないし、上級使うか
ん?
「ジークは少し後ろに下がりなさい。今から霧を晴らしますわ!晴れたらすぐさま突入してなんとかしなさいな!」
2歩下がる
すると矢が霧の中に入っていき...爆発する!
「火の魔術なんか使えたの?」
「正確に言うと風と火の混合魔術ですわ。どちらも初級ですが魔力の消費が大きいんですの。そんな事より早くしないとまた霧がでますわよ!」
おっと
7割位霧が晴れてる
こいつら動き遅いな。
霧がなきゃただの的だ。
「シンディも凄いな、混合魔術って簡単にはできないだろ?」
「そうですねぇ。センスがないと出来ないっていいますねぇ。残念なのがその保有魔力量ですねぇ。彼女の魔力量は本当に一般的なレベルなのでレベルアップを繰り返した今でもそこまで何回も使えはしないですねぇ。」
「ここぞと言う時の必殺技ってやつだな!カッケェ!」
「上手くやりくりはしてますねぇ。弓術がメインになるので魔力消費すればその分だけ集中力も落ちてしまうのでそこら辺の見極め大事ですねぇ。」
「それにジークはやっぱ上手いな!あんなほっそい剣でキレイに突いてくぞ!」
「ジーク君こそセンスの塊ですからねぇ。デュラン君は割と力任せな部分は多いんですが、ジーク君は対称的ですぅ。性格とはそれぞれ正反対ですねぇ。」
「デュランがあんなに強引な男とは思わなかったぞ...」
「戦闘時に人が変わる方は案外多いらしいですよぉ?あそこまでは少数でしょうが。」
マルカとペーターの平和な会話が終わる頃
ボスフロアの制圧も完了していた。
「今回のボスフロア撃破について反省会をしますよぉ。」
マルカが報酬を集める前に全員を集めた。
シンディが落ち込んだ様子でこっちに向かってきていた。
「まずはペーター君にお尋ねしますねぇ?今回のMVPは誰でしょうか?」
「そりゃゴー君じゃないのか?結局1対でボス撃破したんだし。」
「ぶぶぅ!不正解ですぅ。確かにボス撃破はしましたし、そこまでの時間も短時間でしたぁ。ではその状況を作ったのは誰ですかぁ?」
「それはジークだな!ジークがゴーストを引きつけたからゴー君は一騎打ちができた。んじゃジークがMVPか!」
「不正解ですぅ。正解はシンディさんですよぉ」
「ワタクシですの?ワタクシ結局一体も倒してませんわよ?」
俺にはマルカの言いたい事はわかった。
「今回のバトルメイクをしていたのはシンディさんですぅ。サイクロプスの目に複数回矢を当ててましたね?ジーク君のゴーストにもフォロー入れましたねぇ?おかげで2人は有利に戦えていましたぁ。」
「サイクロプスは目を貫いても、数秒で再生してましたし、ジークに関しては1度しかフォローできてませんわ。」
「ジーク君には1度のフォローで全滅させるだけの敵との力量差があったので十分ですぅ。相性も良かったですねぇ。逆にゴー君は相手の攻撃はダメージがないものの決定打がなくフォローが無ければもう少し時間がかかりましたぁ。」
「時間はかかったでしょうがどちらも放置してても倒せたかと思いますわよ?」
「恐らくその通りですぅ。ですがぁ、これが格上の敵だったら?互角なら?味方に必要な事を感じてそこにフォローが出来る役は必ず必要ですぅ。」
「ですが...ワタクシは現状最も弱いですわ。正直ワタクシ1人ではゴーストもサイクロプスも倒せませんわ。」
「それは私も一緒ですよぉ?パーティですから役割は重要ですぅ。勿論自身で突破出来れば言う事はないですがぁ、それぞれが役目を果たせば格上でも倒す、それが一流のパーティでしょう?今日のシンディさんはそれが出来ていた、他の2人も立派にこなしていました。それではダメですかぁ?」
「ワタクシでも、役に立てますの?」
「学院のトップのAクラス、模擬戦第3位が役に立てないわけないじゃないですかぁ。私をみてくださいよぉ。戦闘に関しては今後も考えますが、恐らくは伸び代は最もないと自負していますよぉ?」
「そう、でしたわね。マルカにはマルカの、ワタクシにはワタクシの戦い方はあるという事ですわね!」
「そうですぅ。全員が同じタイプのパーティって弱点も同じになると思いませんかぁ?私達はなんでもこなす万能型を目指しましょう。」
「質問いいか?それだと俺は戦闘では今後役に立てないのか?」
「それは今後次第ですねぇ。まず治癒士は戦闘には不向きなクラスですぅ。けれどパーティには1人いると安定します、何故ですかぁ?」
「パーティの傷を癒せるからだろ?道中で怪我をしてそのままボスなんかとやればその傷の分だけ不利になる」
「正解ですぅ。傷を癒し、強化を施し、時には結界などで味方を守る。それが冒険者としての治癒士です。まぁ私達はまだ見習いクラスなのでそこまで多くもできないんですけどぉ。」
「役割はわかる。けど、それでも一緒に戦えたらって思うのはダメか?」
「いいえ、とっても大事な事ですよぉ。自分の出来る事が増えればパーティも出来る事増えますからねぇ。それとペーター君はまだかかりますが、私達はもう少しでクラスアップすると思いますからぁ、その時に戦闘系のクラスになるかもしれませんしねぇ?」
ん?
「マルカ先生!クラスアップってタイミングわかるもんなの?」
「普通はわかりませんねぇ。けれど私の魔眼で見ると魔力に色がついてるように見えるんですがぁ、最近私とシンディさんの色が変わりつつありますぅ、そしてそれは現在も進んでますのでクラスアップの兆候ではないかと思ってますぅ。」
「やっぱ俺はまだか...」
「上級クラスがポンポンクラスアップしたら今頃この国にもデュラン君以外の超級クラスが何名もいるでしょうねぇ?」
「だよね。」
「そ、それで!ワタクシの色は!?どんな色ですの?どのクラスになりそうかおわかりなんでしょう?」
「秘密ですぅ。実はここをクリアしてももう一層行く流れにしたのはそれが原因だったりもしますねぇ。推測ですが今日の夜にでもクラスアップしてもおかしくないですよぉ。」
「あぁ!意地悪はおやめなさいな!教えて下さいまし。ワタクシ気になると夜も眠れないたちですの。」
「大丈夫ですぅ。どうせ激痛で眠れませんからぁ。」
あぁ
げんなりする
「ですからぁ、今出来る事をやっていればいつかクラスアップして出来る事が増えるかもしれませんよぉ?今は自分を信じて進みましょう!」
「このパーティ結成して間もないよな?なんでもうクラスアップなんて話に...てかジークは上級クラスなのか!?」
「え?今更?」
「聞いてねえよ!」
「はいはーい。まずは回収してから話しましょうねぇ、ん?」
「どうしたんですのマルカ?それは?」
「ドロップアイテムですねぇ...やはりペンダントの効果でしょうかぁ。」
「流石に落ちすぎだな。周回すらしてないのに。」
「これは、石剣ですわね。」
「石剣ってサイクロプスの?あれはデカかったぜ?」
「ゴー君、この剣持って魔力を少しだけ流して下さいぃ。」
ゴーが石剣を拾い魔力を流すと石剣は大きくなった。
「サイクロプスが持ってた剣だな。ゴーを切りつけて何度も破損して、再生してたのはこれが理由か。」
「材質が石なのが残念ですがぁ、ゴー君にはピッタリかもしれませんねぇ。」
サイクロプスの剣が手に入った。
「いいなぁ。僕も戦いたかったなぁ。ゴーストの群れに巨大なサイクロプスか」
「これに懲りたらマルカ先生の言う事を良く聞くんだな?」
「もう懲り懲りだよ。はぁ、あと一層も戦えないのか。残念だよ。」
「こんな戦闘狂が勇者だってんだから世も末だな。そう思うだろペーター?」
「勇者様がいる...これから伝説になるかもしれないパーティに参加してたなんて...」
今は一層下ってデュランと合流したとこだ
合流前に俺が騎士でデュランが勇者と伝えると良いリアクションをくれた
「戦闘狂は酷いんじゃないかな?僕がまるで戦闘の事しか考えてない野蛮な人に聞こえるじゃないか!」
「いやまんまその通りだと思うぞ?」
「酷いや!」
「どうしてだろ、全然勇者と騎士の会話に聞こえないし実感が湧かねえのは。」
「そうですねぇ。どっちも子供だからって事で今後に期待しましょう」
コイツと一緒は酷いと思う
「んで、14層はどんなのが出てくんの?」
「説明してもいいけど、もう接近してきてるよ?」
「んじゃ戦闘準備しますかね。マルカ指示を頼むぞぉ。」
「ジーク君はいい加減説明を覚えるスキルでも身につけて下さいねぇ?」
行くか!
ーーーいつも通りに挑むつもりだった地下14階層
ここでかつてない程の脅威が待っている事をまだ誰も知らない。
休みが欲しい...