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死んだかと思ったら新世界の幕開けだった  作者: 田村 毅
第一章
5/7

新生活の下準備

短めです。


あの後、今日はもう遅いので組織活動に必要な書類は明日渡すとのことだったので一晩榊原さんの部屋に寝させてもらった。部屋には二人掛け用のソファーが二台とテーブル、テレビが置かれていたので二人ともソファーで寝た。残りの人たちもみんな自分たちの個室で寝たようだ。


「おう起きたか、朝飯にしよう」

「あ、はい。分かりました」

現在時刻は8時、朝ご飯はサンドイッチのようだ。一枚一枚がとてもでかく、テーブルの二枚の皿の上に置かれている。見ているだけで食欲がそそられる。


「これリーダーが作ったんですか?」

「いや、有光が作った。今、飲み物を運んできてもらってる」

どうやら俺が寝ている間にこのサンドイッチを有光さんが作ってくれたらしい。具のハムとシャキシャキとしたレタスがとてもよく合っている。


「来たみたいだな」

俺がちょうど一つ目を食べ終わったあたりで榊原さんが言う。ちなみにこの人はもう四つ目を食べ始めている。


「おじさん!コーヒー持ってきたよ!」

大きな声とともにドアがバン!と開かれる。中に入ってきたのは中学生くらいの背丈をした、綺麗な金色の髪を長く伸ばした女の子だ。学生服を着ている。


 そして榊原さんにコーヒーを手渡す。

「おお、ドア壊れちゃうから優しくな・・・」

「コーヒー持ってきたよ!」

「お、おう、ありがとな」

「えへへー」

忠告と俺を完全に無視して頭を撫でられながらとても嬉しそうにしている。すごく可愛い。どうやらこの子が朝ご飯を作ってくれたようだ。


「あ、そうそう。こいつ起きたぞ」

榊原さんに言われてその子がこちらを振り向く。こちらに気付くとはっとした様子で急に慌てだす。そして、

「あ、あの、これは、その、おじさんが褒めたいって言うから仕方なく頭を撫でさせてあげただけで、えっと」

顔を真っ赤にしながら喋りだす。ツンデレってやつか?いや、ツンが無いからただ単に恥ずかしいだけかもしれない。


「そんなこと俺は頼んでないぞ」

「ちょ、ちょっと!」

顔をさらに赤くしながら今度は涙目になる。なんかかわいそうになってきたな。フォローしとくか。


「分かってますから大丈夫ですよ、リーダーのために撫でられていたんでしょう?」

俺がそう言うとごまかすことに成功したと思ったのか途端に上機嫌になる有光ちゃん。


「そう!そうなのよ!本当におじさんったら困った人でしょう?」

「そうですね・・・」

どう返したらいいのかわからなかったから曖昧な返事しか返せなかった。

「あ、まだ名前言ってなかったわね。私は有光ありみつ智聖ちさと、これからよろしくね!」

「神永真保です。こっちこそ、よろしくお願いします」

おとなしそうな見た目に反して結構はきはきしてる、最近だとこういう子って珍しいよな。なんてことを思っていると、

「挨拶は済んだか?ほれ」

そう言って榊原さんがいつの間にか持っていたファイルと携帯を手渡してくる。ファイルは青色と赤色の物が一つずつだ、赤のほうが分厚い。


「これが昨日言ってたものですか?」

「そうだ、青が今のお前の異能力や健康状態、赤がこの組織についてと今いる施設の見取り図だ。携帯は今までの使ってたら簡単に正体がばれるからこれからはこっち使ってくれ、設定はすでにしてある」

「分かりました、ありがとうございます」

とてもありがたい。そういやここに来てから一回も魔法使ってなかったな、後で試してみるか。


「あ、後で11時になったら羽切のところへ行ってくれ、有光、案内頼んだぞ」

「まかせておいて!」

有光ちゃんが笑みを浮かべて元気よく返事する。こういう姿を見てると癒されるなあ。

「何するんですか?」

「お前の採寸だ。制服が無いと格好がつかないからな。すでに話はしてある」

制服、というのはあの軍服みたいな奴だろうか。昨日は最初に会った二人以外普通の服だったし、今着てるものとして俺はパジャマ(体の大きさが変わっているためもともと着ていた服が着れなかった)、榊原さんはスーツだし、有光ちゃんは学制服のためどんな物なのかはわからないが。


「じゃ、後でな。俺は仕事があるから水無月とかに暴走の使い方を教えてもらえ」

「分かりました。あの、これからお世話になります!」

改めて感謝の意を伝えるため、俺は頭を下げた。

「おう、こっちこそよろしくな。これからの活躍、期待してるぞ」


笑いながらそう言って俺たちのリーダーは部屋を出て行った


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