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死んだかと思ったら新世界の幕開けだった  作者: 田村 毅
第一章
3/7

異世界は行くものではなく作るものだ

説明回です。

この世界では一般常識として異能者が作り上げた組織がありますが、会社のように思っていただければ結構です。


「嘘、だろ?」

どうやら俺は女の子になってしまったらしい。待てよ、俺の意識だけが女の子の体に転移したということは無いだろうか?


「それはありえないよ」

確認が終わったことに気付いたらしい悟さんが俺に向けて喋りだす。


「俺たちは君が事故にあった電車の乗員の顔が載っているリストを持っているし、君を運ぶ前に全員を確認している。唯一電車内にいなかったのが神薙優斗。」

「そしていないはずなのに電車にいたのがあなたよ。女の見た目してるのに男だといった時はちょっと引いたわ、ごめんなさい」

続けて愛香さんが言葉をつなぐ。誤解は解けたみたいだ。


 どうやら俺は女になったことを認めざるを得ないようだ。だがここで俺は気になることがあった。

「どうして病院じゃなくてここに運び込まれてるんですか?」


「それはあなたが魔暴操者だからよ」

愛香さんが答えるが全く意味が分からない。魔暴操者とは魔法も暴走も扱うことのできる者で、約一億人に一人いるかいないかと言われてる希少な存在だ。俺はただの水魔法を使えるだけの魔操者だったはずだ。


「自分が魔暴操者はありえないって顔をしているね。実は魔暴操者には見分け方があるんだ。」

悟さんが説明しだす。いくつか聞いたこともない単語が出てくる。


 悟さんから聞いた話を俺はノートに書き留めた。

・魔暴操者は【独創世界】という自分がルールとなる空間を作り出すことができる。

・自分の【独創世界】と相手の【独創世界】が触れ合うと両方の空間のルールが無くなる。

・魔暴操者だけは他人の【独創世界】のルールの影響を受けない。

・必ず体に何らかの障害が発見されている。(俺の場合は女体化のようだ)

・世界で発見されている人数で割合を出しているため正式な割合はわかっていない。

・国に魔暴操者であることがばれると良くて一家ともども国外追放、最悪の場合全員殺される。


 ちなみにルールは何でもありで、この空間では死なないだとか、一度入ったら出られなくなるなどの反則じみたルールから空間内の下着が無くなるなどのくだらないルールまで自由自在らしい。

悟さんはこの特性を利用して空間内の自分の視界に入ったものは意識を失い、一度四肢がちぎれた後、完全に体が元通りになる世界を作ったようだ。普通にグロイ。ちなみに死者は出なかったらしい。


 そして傷を治して回っていたところに手足がちぎれない上に身元不明の女の子がいたということで組織に連れてきたらしい。どうやら俺は魔暴操者になりかけだったらしく、意識だけ落とされたそうだ。サラッと流したけどこれって悟さんも魔暴操者ってことだよな?


 ていうかまとめたものの中で最後のが一番まずいな、これって家族を人質に取ってるようなものだ。俺の知らないところでそんな恐ろしい事が起こってたのかよ!と思ったが実際に殺されたことは今まで無いそうだ。


「君のご家族に連絡するくらいなら私たちが何とかしよう」

愛香さんが発言する。現在、俺は組織の偽装工作によって死んだ扱いになっているらしい。あれ、これってもう俺の居場所が無いんじゃね?


「安心してほしい、俺たちも君と同じように一度は死んだ扱いになっている。それでも普通に暮らしていけているからきっと大丈夫さ」

悟さんが言う。この人たち優しすぎてヤバイ。変な人扱いしていた数分前の自分を殴りたくなってきた。だが俺は住む場所もないことに気付く。


「いや、でも俺住む場所が無いですし、雇ってくれるところもあるかどうか・・・」

死んだことにされているなら家族と一緒に住むのはまずいはずだ。しかも俺は学歴で言えば中卒だ。職を得るのは難しいだろう。


 いったいどうすれば?そんなことを考えていると、

「そういうことは組織で一緒に考えようか、まずはリーダーに会おう」

悟さんがそう言いながら俺の手を引いて部屋から出ようとする。

「あのっ、荷物とかは?」

俺は尋ねるが、後ろを向くと愛香さんが俺の荷物を持って後ろに立っていた。

「大丈夫そうだね。じゃ、行こうか」

悟さんが笑みを浮かべながら言う。



 二人とともに俺は部屋の外に出た。


異世界がなかった?じゃあ作ればいいだろ!(暴論)

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