バス停留所と異獣
こんな夢を見た――
小学生の私は田舎のバス停留所にいた。「となりのトトロ」に出てくるような木組みにトタン板を張り付けた素朴な雨避けの小屋がある。
近所の年下の小学生のO君とEちゃんも一緒にバスを待っている。空は日が暮れて青紫色になっていた。
Eちゃんが空に指をさして、「あっ!」と叫んだ。そちらを見ると、空に光り輝く星のようなものが見えた。いや、星ではない。ジグザグに、奇妙な放物線を描いて飛んでいた。
O君が興奮して「UFOだっ!!」と叫ぶ。そして、O君とEちゃんは怖くなったようで、パニック状態になった。私は「大丈夫、大丈夫」、「あれはUFOじゃないよ」となだめたが、二人は舗装された道路を南へ向けて走り出した。
私は二人を追いかけた。すると、右横の足元に何かが並走してきた。オレンジ色の犬のような四つ足の生き物だった。手で顔を触ってみると、その生き物の表皮はオレンジ色の毛ではなく、爬虫類や魚類の鱗が生えていた。
顔を見ると犬に似ているが違う。特に目が何を考えているかわからない不気味な光を放っていた。気がつくと、左横にも真後ろにも鱗の生えた犬に似た異獣が走っていた。
私は本能的に、「立ち止まったらこの鱗犬獣にむさぼり喰われてしまう!」と、感じて身の毛もよだった。
私はいつの間にか舗装の道ではなく、巨大な工場のベルトコンベアの上を異獣たちと走っていた。天井は高すぎて見えないし、暗い。
疲れてきたが、立ち止まれない。ベルトコンベアの先は無限に続いていた――
そして、目が覚めた――