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夢日記  作者: 辻風一
5/12

隠し扉と中華少女

 こんな夢を見た――


 気がつくと部屋にいた。

 家具の少ない平屋建て、古い下宿の六畳間だ。

 私はバケツに水をくみ、き掃除をしている。

 壁の一角に不自然な線があるのに気がついた。調べてみると、ちょうど人が通れる長方形だ。


〈以前、この部屋にドアがあったが、リフォームか何かで閉鎖した痕跡であろうか?〉


 私はドアノブのあたりを押してみた。すると、カチッと音がして、長方形の壁は扉のように向こう側に開いた。


〈隠し扉かもしれない……〉


 私は壁の向こう側を調べてみることにした。その奥には狭い廊下が3メートルほどあった。右側に小さい扉があり、腰をかがめて入ってみると昔風のタイル張りの風呂があった。水が少し残っている。

 そこを出て、左側を見ると折りたたみ式ガラスドアがあり、中はシャワー室だった。

 狭い廊下の正面のドアを開けると渡り廊下になっている。突き進むとコの字型に曲がり、八つのドアが並ぶ壁があった。

 ドアのひとつのプレートを見るとデジタル占い相談室とあり、扉を開けてみるとゲームセンターのような空間があった。振り返れば八つのドアが並び、壁も間仕切りもない。


〈なんのための八つのドアであろうか?〉


 正面を見るとアーケードゲームの細長い筐体きょうたいがあり、『デジタル占い相談室』と書いてあった。

 ゲームセンターには人がチラホラいて、浴衣を着た男女や親子連れがいる。それらの人並につられて外へ出た。夜の町は通行止めになっていて、歩行者天国だ。


 通りには祭りの屋台が並んでにぎやかだ。花火大会がありそうなので人並についていく。

 途中、さびれた町に不似合いな三階建てのコーヒーショップと高級酒の店があった。その向かいに中華料理店があり、手前は駐車場になっているが、出店がならんでいる。

 ビーチチェアがあり、そこに腰かけて休んだ。

 チェアの横にチャイナドレスを着た12,3歳くらいの少女がいた。

 右手に龍の絵が描かれた高級そうな風鈴を持っていた。風水の魔除けかお守りであろうか。そよ風が吹いてチリ~~ンと鳴った。


「中国四千年の霊験あらたかな風鈴アル――」


 と言って、中華少女は神秘的な眼差しでこちらを見上げた。



 そして、目が覚めた――


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