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夢日記  作者: 辻風一
11/12

ベビー&キャット

 こんな夢を見た――



 私は居間で赤ん坊を抱いていた。ぷくぷくとして体温が肌に伝わる。

 その赤ちゃんが突然、火のついたように泣きだし、前後に揺らしてあやした。ミルクが欲しいのか、オムツを変えるべきか、ママが恋しいのか……


 赤ん坊がモコモコと動き、長く伸びて、白い長毛の猫に変った。白猫はクルリと回転して床に着地し、ソファの椅子の下に潜りこんだ。

 床にしゃがみこみ、猫を覗く。暗闇の中で猫が悪魔のような形相でシャ~~~~ッと、吠えた。


 狂犬病にでもかかったのだろうか? だとすれば、保健所で処分となってしまう。

 私はソファの背後に廻って、暴れる白猫を抱きとめた。良く見ると、首輪がギュウギュウと首を絞めつけている。

 なんとか、革の首輪をゆるめるこができた。すると、怖い顔つきであった白猫は大人しくなっている。顔を見ると、元の可愛らしい猫の顔に戻っていた。


「良かったですね……」


 傍らにいつの間にか人がいた。よれよれのお釜帽子に、蓬髪、地味な木綿の羽織、袴の人物が立っている。名探偵の金田一耕助であった。


 いつの間にか、地方の駅のプラットホームになっていた。右の線路の先に、ジョッシュ、ジョッシュと蒸気機関車が白煙を出してこちらにやってきた。



 そして、目が覚めた――


 




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