1-4
あれから5分もしないうちに俺達は学校についた
その間勝は早くも昼のメニューを何を頼むかずっと
一人で喋っていた
こっちは死にそうになったのにコイツは...
「そーいえば翔今回の実技テストなんだろうな」
「さぁな?前回は短距離だったから今回は球技か?」
そう俺達の学校のテストは少し変わっている
まず普通なら各教科別々にテスト問題があるのだが
うちのテストは国数英社理の5教科で
各20点で100点満点なのだ
更に実技テスト等という体力テストがある
これは100点満点でこの2つでの合計で順位がでる
これじゃあ成績がつけれないと思うかもしれないが
ウチは各教科ごとに小まめに小テストを行っているので
そこら辺は問題ないらしい
そして今回の様なテストは学期末に行っていて
成績ではなく現時点での実力を順位で評価する変わった学校だ
まぁランキング上位者には色々特典があるので
俺は嬉しかったりする
ただ順位付けが学年毎ではなく全学年対象なので
3年にもなるとランキング上位をキープ出来る奴は殆どいない
ちなみに実技のテストは試験間際にならないと
何をするのか分からない
特に変わったものではないが個人種目になる
「そっかー球技がいいなー」
勝は中学の時ハンドボール部に所属していた
何故か高校に入るとハンドボールを辞めてしまって
理由を聞いても教えてくれない
「とりあえず早く教室行くぞ」
そろそろ始業ベルがなる
遅れると無遅刻無欠席の俺の記録が破られるから
それは嫌だ
「はいよー あれ?あそこにいるのウチのクラスの愛菜ちゃんじゃねぇ?」
勝が指をさしたほうを見ると
髪の毛を三つ編みにして眼鏡をかけている
THE真面目な女の子が廊下で蹲っている
彼女の名前は佐倉 愛菜 『さくら まな』
「あぁ本当だ 何してんだ?」
俺達は愛菜の近くに歩いていった
「おーい愛菜ちゃん こんな所でどーしたの?お腹でも痛いの?」
いやお前お腹痛いのって..
お前も俺もそんなに愛菜と話した事ないだろ..
「あ 翔君と勝君....お腹は痛くないよ?少し転んじゃっただけだよ」
そう言ってきたので俺はあたりを見回して見ると
転んだ拍子に鞄の中をばら撒いたのか教科書等が
散乱していた
「なら拾うの手伝うよもうすぐ始業ベルが鳴るぞ?」
そういって俺と勝は廊下に散らばっている教科書等を拾い集める
「あ い いいよ 自分で 集める から...」
愛菜はそんな事をいってきだが
流石にはいそうですかと言って無視する様な
俺達ではない
「いーからいーから困った時はお互い様っしょ?」
勝はそんな愛菜に気にしない様にいつもの調子で言っていた
「そうだぞこの小坊主の言う通りだ俺達が勝手にやってる事だから気にする必要はない」
俺は引き続き落ちているものを集めていると..
「ん?愛菜このシャーペン折れてるぞ?」
筆箱の中身を集めているとばらけた拍子に割れたのか
シャーペンが割れていた
「う うん..,落とした時に割れたのかな..」
なんとも歯切れが悪いが
だとしたらどんなに勢いよく転んだんだ?
みた所怪我はない様だが
この勢いなら怪我しててもおかしくないはずなのに
「そうか.怪我はないか?」
一応確認してみた
「うん...大丈夫だよ」
「てかシャーペンないなら書くもんあるのかー?今日はテストだぜ?」
この小坊主馬鹿か
シャーペン一本割れた所で他のがあるだろうが
「うん..どうしよ私これしか持ってないから..」
ないのかよ!?
それはそれで凄いな
「うわーやべーじゃん俺も一本しか持ってないから貸してやれねーし」
お前もか!?
何故二人して一本しかないんだよ!!
「はぁ〜何故一本しか持ってないか分からんが俺の良ければ貸すぞ?」
俺は鞄からシャーペンを愛菜に向け受け取る様に出した
「えっ!?い いいよ翔君達に迷惑かけたくないし..」
「何言ってる ないとテスト受けれないぞ?せっかく愛菜も3年間上位キープしてるんだからこんな事で順位落としても仕方ないだろ?」
俺は無理矢理に愛菜にシャーペンを渡した
「あ ありがとうございます...」
んー愛菜は声ちっさいなー
隣の小坊主ももう少し声小さければいいのに..,
キーンコーンカーンコーン
「!!やばい始業ベルだ!?早く教室行くぞ愛菜!勝!」
「あ〜らら〜鳴っちゃった〜」
「あ あ あ うん!」
俺達は急いで教室に向かった
先生が来るまでになんとしても教室に入らなければ!!
俺の無遅刻無欠席の完全記録こんな所で破ってなるものか!?