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「待てってばー」
小坊主が後ろで五月蝿いので少しだけ歩く速さを緩める俺
やっぱ優しいな俺
「ん?あ あぶねぇ!!翔!!」
勝が大きな声を上げ上を向いていたので咄嗟に見ると
「うわ!!何で!?」
上から鉄骨が俺に向かって落ちてきている
勝は少し離れているから大丈夫だが俺は
もれなく下敷きコースだ
「何て考えてる場合じゃねぇ!!」
俺は直ぐにその場から前へと跳びそのままの勢いで転がった
ガッガラガラドッシャン!!!
「翔!大丈夫か!?」
「あぁなんとか...」
いや本当危機一髪だったけど
何で鉄骨が落ちて来るんだ?
「おーい大丈夫か!!」
あ なんかヘルメット被ってるおじさんが来た
「え ええ なんとか大丈夫でした」
「すまない!急に鉄骨を支えていたロープが千切れてしまって!」
おじさんはそう言って俺に凄い勢いで頭を下げてきた
「いえ大丈夫でしたので 幸いにも怪我もありませんし」
そう言って顔を上げて貰えるようにおじさんに促す
「本当にすまない そう言って貰えて良かった」
「しかし...このロープは新しいものなのに何故切れたんだ..?」
おじさんがそう言ったので改めて俺は落ちてきた鉄骨に目を向けた
「ん?な !?鎖の部分が切れてるじゃないか!!何だコレは!?」
おじさんの言葉に俺と勝も鉄骨を見ると
確かに鎖の部分が切れている
しかも何かで切られた様に綺麗に
「一体なんだってんだ..?」
いや 俺らに聞かれても
「まぁ翔に怪我なかったんだからいーんじゃね?」
勝がおじさんに言いやがった
この小坊主こっちは一歩間違えれば死ぬ所だったんだぞ
だが勝の言う様に確かに怪我がなかったんだから気にしても仕方ないか
「まぁ確かに怪我はなかったので気にしないで下さい」
「ありがとう けどもし何か後で痛み等あったらいけないから一応君らの名前と連絡先を教えてくれないか?」
このおじさんは出来た人だしっかりと後の事も心配してくれてる
「あっはい 俺は平井 翔で連絡先は×××です こっちは桐島 勝です 近くの桜燐高校に通ってます」
「分かった コレ俺の名刺だ 何かあれば此処に掛けてくれ 本当にすまなかったね」
そう言っておじさんは俺と勝に名刺を渡して来た
「ありがとうございます では俺たちは行きますね?」
俺と勝はおじさんに軽く会釈をして別れた