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味と間
スタジオには20人ほどの芸人が横並びになって、ひとつの商品の食レポを順に披露していた。
どんぐりくらいの小瓶に入った、白い軟膏のようなクリーム菓子を、透明の小さなプラスチックスプーンですくうと、サクッという軽い感触がした。
一人ずつそれを口に運んではコメントを言う。
「んー、これは」
一人目は女性だった。
「神のいじめの味がします」
騒然とする中、カメラはパンして、二人目を映す。
「これは、神のいじめの味だ」
笑いが起こって次の芸人へ。
「ああー、神のいじめの味がする」
その次もその次も、視聴者へ届けられる言葉はすべて同じ内容だった。
いわゆる、かぶせというものだろうか。
結局全員が同じコメントをした。
贅沢な時間の使い方だった。
まるで神のいじめの間のような。




