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天涯地神伝  作者: 真白 歩宙
結城の章

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39/147

謀略の始動 其の一

三国志の史実と演義の登場人物が出てくる中で、あらゆる策謀が渦巻く中、彼らとどう対峙していくか。


バァァァァ――――――ン!


 銅鑼(どら)の音と共に黄蓋(こうがい)蔡中(さいちゅう)達を(ともな)って貴賓室(きひんしつ)に入ってきた。

 民家のつくりとは思えぬほどの広間には、主だった武将に軍師参謀が揃っている。

 孫権の城の謁見(えっけん)の間とは違った威圧感(いあつかん)が押し寄せている。


 皆、開戦を意識して殺気立っているせいもあるだろう。徐庶は自分の前に立つ孔明を見た。

 遠くを見つめるような視線で、此方に来る黄蓋達を見つめている。そこに居る全ての忠臣(ちゅうしん)が、周瑜(しゅうゆ)の言葉を待っていた。


 赤壁の戦いには何の打開策(だかいさく)も持っていない。おそらく周瑜や孔明以外は成す術が無いだろうと。

 それほどに曹操軍の大群(たいぐん)脅威(きょうい)であり、それと一戦交えることは無謀(むぼう)にも思える。

 しかし、孔明は開戦を持ちかけた使者であり、周瑜はそれを受けて孫権に進言した。


 勝算の無い戦はしない。


 だからこそ、彼らが対曹軍のためにどんな策略(さくりゃく)(めぐ)らすのか・・・・

 興味の的であった。


都督(ととく)殿が、其の方等の処遇(しょぐう)を決めて下さる」

「・・・・・・・」


蔡中(さいちゅう)捕虜(ほりょ)はおずおずと頭を下げた。

最早、弁解は無用なのだと、周瑜の威圧的(いあつてき)な空気がその場に立ち込めている。


「貴方方が曹軍を荊州(けいしゅう)(まね)いたか・・・・・」


 穏やかに問う周瑜は冷涼(れいりょう)な視線で蔡中に切り出した。その畏怖堂々(いふどうどう)とした物言いに(ひる)む男達。


(さく)を立てたつもりだろうが、(あさ)はかな悪知恵(わるぢえ)をいくら集めようともこの私には通用しない」


(りん)とした声が貴賓室に響き渡る。

(さげす)むような目で一瞥(いちべつ)した後、周瑜は低く言い放った。


「このもの達を追放せよ。曹軍に降ろうと()にもならぬ」

「都督殿?!」

「くだらぬ者を裁いては名が(けが)れる。捨て置け」


 高慢な物言いに周囲は(ひる)んだが、呉の武将は当然のように周瑜の言葉を受けている。

蔡中達は彼の(おご)り高ぶった態度に腹を立てたが まんじりと唇を噛み締めて()えている。続けて揚々(ようよう)とした言葉が武将達に投げ掛けられた。


「曹軍は百万の大軍で堅固(けんご)な陣を作っている。彼は孫子を(とうと)びその説法も見事でこれを破るは至難(しなん)であろう。」


蔡中の居る事を無視して話しだした周瑜の思惑が判らず、武将達は静かに彼の言葉に耳を傾けた。

何を言わんとするのかと。


「貴公達にそれぞれ三ヶ月分の兵糧を渡し、それに備えていただく。」


 多くの者の息を呑む音がする。

 周瑜は言い終わると黄蓋(こうがい)に『放してやるがよい。』と嘲笑(あざわら)うように言った。

 その態度に黄蓋は眉間に(しわ)を寄せて周瑜に歩み寄った。


「三ヶ月ですと?いくら兵糧を頂こうと何の役にも立たぬ!」

「何・・・・・」

「斯様にかかる戦であれば元老の申される様に、今のうちに降伏されよ!」

「貴様、君主や私を愚弄(ぐろう)するかっ!」


 真っ赤になった周瑜は、怒りをあらわにずかずかと黄蓋に歩み寄り(むち)を持った手を振り下ろした。


読んで下さって、ありがとうございます。

毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。

貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。

誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。


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