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【プロローグ】夢送りとジュリ・ヴィサンの再開

世界樹が光る。

夢の中で再開した兵士であるジュリ・ヴィサン。

その祝福。

その喜び。

世界樹の光が街並みを照らし、お城も館も商店も久方ぶりに輝く。

死んだと言われていた兵士。

決死の覚悟で夢の中に潜る事で、死後の世界と通じ合い、またこの世に蘇らせる。

「夢送り」

その職業が生まれ、生き別れの人を救う事が出来るようになった世界。

夢は無限だ。

夢は永遠だ。

夢送りは、1人、また1人と増えていき、それでも今は総勢7人しかいない。

そして、私、リラ・ロマネスクは、新米の夢送り。

夢送りは、決して安全では無い。

危険に満ち溢れている。

亡くなった人物の思い出を共有している人が眠っている最中に、その人の夢の中に潜り込む。

そして、夢の中を泳ぎ、進み、探し出す。

もしも、眠っている人が、目覚めてしまったら。

夢の中に閉じ込めら、出られなくなる。

また別の夢送りが、その人の中に入るまで。


ジュリ・ヴィサンが生きていた頃、ペール国はまだ繁栄していた。

沢山の城の連なるそのペール国は、別名「城河」と呼ばれていた。

ビエッド城、ブエール城、リリエット城、ソシエト城。

沢山の城があり、それぞれに王様とお姫様が居た。

お城同士は仲が良く、王様同士の交流も盛んだった。

しかし、突如、敵国が現れた。

その国、サンタモニカは、上流階級と下流階級にハッキリと別れていて、

高貴な貴族と、奴隷や盗賊の住む街は、別の拠点にあった。

その、奴隷や盗賊が一斉に反乱を起こし、貴族の街を攻め込んだ。

奇襲攻撃による暴動が巻き起こり、突然の事に貴族達はうろたえ、あっという間に滅んでいった。

そして、その奴隷や盗賊は、貴族の街だけでなく、隣国であるペール国に侵入しはじめた。


ペール国は城河と呼ばれているだけあり、城は立派で、すぐさま崩れ落ちる事はなかった。

しかし、サンタモニカの人口はとても多く、時間と共にペール国の人々は殺され、減っていった。


ジュリ・ヴィサンは、ピエッド城の王子として、国中の人気者だった。

王様であるムーラ・ヴィサンと、お姫様であるトリエット・マーラによっって生まれたジュリ・ヴィサンは、とても彫りが深く端正な顔立ちをしていた。

耳が鋭く、何もかも聞こえるんじゃないかという噂が流れるほど立派だった。

鼻が高く、目も大きく、時折見せる眼光の鋭さと普段見せる柔らかな瞳のギャップも人気の一つだった。

そんなジュリ・ヴィサンは、サンタモニカの人々が現れる前日に亡くなった。

真夜中、お城が寝静まっている間に、突然物凄い叫び声が聞こえてきた。

急いで王とお姫は声の先であるジュリ・ヴィサンの寝室に向かい、体を揺さぶって起こそうとした。

しかし、目を瞑ったまま開ける事は無く、15分ほど叫び声が響き渡った後、亡くなってしまった。


そんなジュリ・ヴィサンが生き返った。

夢送りの力で。

私の力で。


新米の夢送りにやらせる、大きな仕事ではないと危険視されていた。

しかし、私自身、ジュリ・ヴィサンと、子供の頃からの親友だった。

とても大切な親友だった。


「どうしてもやらせてください!!」


その声で、私が任命される事になった。

また、親友である為に、夢の中で気配を見つけるのも、やりやすいという計算があった。


そして、無事に、救出出来た。


この物語は、夢送りで人を救いながら、敵国との攻防で命を捧げる兵士達を描く、スペクタクルドラマである。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

是非、評価やブックマーク、感想を頂けますと、今後の励みになります。

よろしくお願い致します。

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